北野寿美枝のレビュー一覧

  • 影の子

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    1975年の東ドイツを舞台にしたミステリー。日本では、ペヤングソース焼きそばが発売され、米国ではマイクロソフトが設立されたころだ。その時代にはベルリンの壁があり、東ドイツでは社会主義体制に反対する(という疑いが持たれる)人々を弾圧し、拷問し、処刑していた。少女の死体が見つかった事件で捜査をすることになったカーリン・ミュラーは複雑な立場にある。夫が反体制派の嫌疑をかけられ、カーリンも部下の副官と浮気をしている。どちらも東ドイツでは重大な犯罪となる。一方で、少しずれた時間軸で進行する話があり、殺害された少女たちの物語が進行する。こちらも悲惨な話だ。体制に振り回されて人生を狂わされる。二つの時間軸が

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    2019年11月08日
  • 殺人鬼ジョー(下)

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    様々なアクシデントが重なりながら、むしろそれが幸をなし、互いの目的を果たすジョーとメリッサ。
    最終的に2人の思惑にたどり着いたシュローダは、ケントの願いを叶えるためにジョーの母親の結婚式に向かう。

    前半のジョーの脳天気ぶりなどからコメディータッチのものかと思っていたが、エピローグですべてが逆転、サイコサスペンスに分類すべきか・・・

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    2019年09月17日
  • 殺人鬼ジョー(上)

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    クライストチャーチの切り裂き魔こと、ジョーは常日頃知的障害者を装い警察署で清掃係をしていた。
    些細なミスから逮捕されたジョーは世間を騙しきれれ無罪になること、恋人(と思っていいる)メリッサが助けに来てくれることを信じて裁判を待っている。
    初公判が数日後に近づいたある日、元刑事だったシュローダはジョーにある取引を持ちかける。
    一方メリッサはジョーの狙撃に向けて着々と準備を整える。

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    2019年09月17日
  • アックスマンのジャズ

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    最後まで続くミステリー。結末はこれだったか。
    クレオールなので ラフカディオハーンを思いだしたが、1か所、懐かしく登場した。

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    2019年07月20日
  • アックスマンのジャズ

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    マニーフレッシュの地元がニューオーリンズと知り、漠然と憧れ、その後ジャズの聖地とやっと知ったわけでございます。自分にとってこの本は教科書のようなものでございました。合衆国の中でも独特の歴史を歩んできていて各地区ごとに人種のコミュニティができており、それによって今回の事件が起きてしまった訳ですが。コミュニティ自体は悪くないのだが、なぜだか対抗意識が生まれてきて命を奪ったりするのは、本末転倒でございます。しかし集団にいると麻痺してくるのです。そこにあるルールが自分の天命であるかのように。

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    2019年01月27日
  • 殺人鬼ジョー(上)

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    ネタバレ

    ジョーは殺人鬼なのでピンチ展開でもまあ良いんだけど、さすがにジョーママの電話には可哀そうで爆笑した。絶対電話したというガールフレンドはメリッサじゃないなw(電話すらしてない疑惑)

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    2019年01月09日
  • 影の子

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    はじめはなかなか読み進められなくて、時間がかかったけど、半分くらいから物語の先が気になって面白くなりました。社会主義の国の怖さや孤独感や、お互いの疑心暗鬼な不信感みたいな負のイメージがずっと支配してたストーリーだった。
    最後まで、えっ、というラストで、これが社会主義国家⁉︎という思いで読み終わった。

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    2018年09月05日
  • 影の子

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    ネタバレ

    1970年代の東西に分断されたドイツ。東ベルリンの刑事ミュラー。少女が殺された事件の捜査を開始するけれど圧力、疑念、不信が渦巻いていて誰かが誰かを常に監視し裏切りがあり何が正しくて正しくないのかがわからない。常に緊張した空気の中での捜査で異様な空気もある。この時代の大きなものに支配された理不尽なもの、生活が描かれている。事件の裏にあるもの、事件に関わった人が見るドイツの真実。そのどれもが残酷で悲しい。とても読み応えのある作品でこの先も翻訳されていくと嬉しい。

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    2018年06月13日
  • 迷路の少女

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    う〜む、これは。。。北欧系の翻訳本は良いものが多いから読んで見たが、いやぁ当たりでした。
    しかしこれはもしかすると賛否分かれるかもですね、評価としては。

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    2018年02月25日
  • 虎狼

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    脳内というか心いうかの呼びかけに呼応できちゃって真相を知るってそういうスピリチュアルなのってどうなのかなと思うけど・・・しかし、これって第2作を読んでたらもっとおもしろく読めるだろうに。久しぶりに読み返そうかな。

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    2017年10月29日
  • 人形

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    違う話しが同時進行していくような前半は、話しが飛んで正直読みずらかったんだけど、「あ、ここがこういう風に繋がるのね」となる途中からは一気に読めた。それにしても、「あ、これってレベッカのこと?」なんて描写があったりして、つくづく3作目4作目が読みたいなあ、と。

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    2017年03月11日
  • アックスマンのジャズ

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    1日平均70ページ。1週間かけて読んだ。登場人物がなかなか覚えられないし、展開が頭に残ってなくて、はて・・・?
     できれば一気に読みたかったのですが、それでも十分面白く読めた。
     ジャズがもっと物語の中で重要な意味を持つのかと思ったけれど、そうじゃなかったのが少し残念かな。

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    2016年09月28日
  • アックスマンのジャズ

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    このシリアルキラーのアックスマンに『マークスの山』のマークスの面影が重なるのは私だけ?少女探偵のボディーガードというか、ナイト気取りのサッチモが微笑ましい。同じ事件を追いかけている三人が殆ど出会わず、それぞれに真犯人や黒幕を突き止めるって、面白いパターン。

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    2016年08月29日
  • アックスマンのジャズ

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     世界レベルの新人作家というのは凄いものである。本書はCWA(英国推理作家協会)賞の最優秀新人賞受賞作であるが、ここまで凝りに凝った力作を書けるかと思うと、そのレベルの高さ、スケールの大きさに気が遠くなる。

     舞台は1919年、第一次大戦後のニューオーリンズであるが、この南部にあってプチ・フランスでもある奇妙なジャズの街は、同時にこの作品の本当の主人公でもある。それほどまでに当時よりジャズが鳴り響いていたこの街の活気は、人間臭く、そしてその裏にある時代の闇は深くどす黒い。

     しかもここで取り上げられた題材は、実際に1918年から1919年にかけて起こったアックスマン事件である。そして新聞に

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    2016年08月17日
  • 人形

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    精神病院が舞台のミステリは傑作になりやすいね。『ドグラ・マグラ』『シャッター・アイランド』…。誰も信用できないから。A.J.と彼女の最後の出会いのシーンは、この陰惨で悲しい話の中、唯一ほっこりさせられた。

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    2016年08月17日
  • アックスマンのジャズ

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    ハリケーンが迫りくるニューオーリンズの街を舞台に、連続殺人鬼を追う三組の探偵役の活躍を描く長篇ミステリ。時は1918年、ジャズ発祥の地であるニューオーリンズでは、アックスマンと名のる斧を使った殺人犯による連続殺人が起き、市民は恐怖に震えていた。ジャズが好きなアックスマンは新聞社に宛てて犯行予告を送り、その時刻にジャズが演奏されている家は見逃す、と書いていた。当時、流行の兆しを見せていたこともあり、ジャズを演奏させるレストランが続出しバンド・メンバーは大忙し。怖いもの見たさで街に繰り出す酔狂な連中で街はマルディグラの狂騒状態に陥る。

    アイルランド系の刑事マイクルは、アックスマン事件の捜査で指揮

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    2016年06月20日
  • 秘密資産

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    花形トレーダーがミスにより不正行為をしてしまい服役した経歴をもつ男性が主人公。出所後金融業界の調査依頼などをして生計をたてている。銀行家が死ぬ前に隠し持っていた財産を探してほしいという新しい依頼がきて、引き受けることになる話。その調査をし始めたとたん、あやしい人たちに襲われそうになったり脅されたりしだして、一人息子まで狙われることになる。必死で息子を守ろうとする父親の姿に胸を打たれる。自閉症の息子とのやりとりや、一喜一憂する様子がいい。メインとなる金融業界の話や仕掛けなどはわからないし、事件自体の内容もどうでもよくなってきてしまう。主人公の家族の話のほうがおもしろい。最後は主人公にとっても子供

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    2015年07月04日
  • 喪失

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    ネタバレ

    キャフェリーを主人公としたシリーズの第五作目とのこと。
    ロンドン警視庁にいた一作目と二作目も翻訳されているみたいやけど、その後三作目との四作目が翻訳されていないので、フリーの弟は?とか、もやもや。
    ストーリーにハラハラしすぎて、途中から読むのが嫌になったりするぐらい、上手かった!結局犯人は何がしたかったのだろう…。

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    2015年06月23日
  • ブラック・フライデー

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    不正取引による懲役期間を終えた元証券トレーダーが金融犯罪の謎を追う仕事に関わったことから大きな事件にまきこまれていく。クレージーな証券取引の現場が活写され、欲にかられた人々が蠢く物語の世界に否応なしに引きずり込まれる。後半の畳み込む展開も迫力満点だが、何よりも「キッド」の存在がドラマとしての深みをもたらしている。

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    2015年01月25日
  • 喪失

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    連続する少女誘拐事件の犯人に翻弄される捜査員たち、彼らが抱える確執や裏に隠された背徳が効果的な陰影を投げかける。被害者家族や容疑者など事件に巻き込まれる人々の思惑が錯綜し、二転三転しながら疾走する物語が破綻なく展開する。

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    2014年10月11日