北野寿美枝のレビュー一覧

  • ブラック・フライデー

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    帯の金融サスペンスというのに興味を持った。
    普段ならタイトルといい、名前も知らない作者といい手に取る要素はほぼないのだが、たまにはこういうところから入るのもいいかも。

    主人公は証券会社で働いていたが、不正行為を犯して刑務所へ。戻ってくると、別の証券会社からある人物について調べるよう依頼される。
    その人物を調べていくと……

    ってこんなかんじの話なのだが、これだと普通の作品で終わるだろう。もう一つの要素として主人公には自閉症の息子がいるのだ。
    つまり、金融サスペンスであり、父と子の物語でもある。一粒で二度おいしいというわけだ。

    続きもでているらしいので、翻訳されるのを待つとする。

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    2014年04月09日
  • 喪失

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    シリーズが続いていたとは知らなかった!レベッカはどうしたんだろ。『よりによって』シガリロを吸っていた、なんていうのは、あんまりいい別れ方じゃなかったってことなのかな。ロンドンから離れてるし。うーん、三作目と四作目も是非訳してくれないかな。前作と訳者が変わったせいか、なんとなく雰囲気も変わったような。単にキャフェリーが円熟してってるってことなんですかね。

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    2014年03月20日
  • 喪失

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    とても面白くて一気読み。緻密なプロット、厚みのある人物造形、サスペンスに満ちた語り、どれをとっても一級品。MWA賞受賞もむべなるかな。是非シリーズを順次邦訳してほしい。

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    2013年03月27日
  • 喪失

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    上手い、上手すぎる!
    シリーズ物とは知らずに本作を読んでしまったが、
    シリーズ的背景、人物相関を知っていればより楽しめたのかも。

    2012 年 エドガー賞長編賞受賞作品。

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    2013年01月27日
  • 審判

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     ディック・フランシスが一度ぺンを折った、いやさ、折りかけたのは、メアリ夫人の逝去が、ディックの心に投げかけた痛手が重すぎ大きすぎたためだろうと思われていた。それ以上に、メアリ夫人はずっとディック作品に共著とされてもおかしくないほど作品に深く関わっていたと伝えられる。

     ディックの作品には、毎作毎に異なる職業の主人公が据えられるが、その職業に応じて作品世界は彩色される。いわば競馬界とミステリ界しか知らない(おっと、飛行機の世界も精通していたっけ!:「飛越」参照)ディックという作家が、世界の様々な職業、別の舞台に小説の題材を求められるのも、メアリのリサーチによるものだったと言われる。

     画家

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    2012年07月01日
  • 審判

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    ディック・フランシスによる競馬シリーズの41作目で、息子であるフェリックス・フランシスとの共著2作目になります。
    一度は筆を置いたディック・フランシスが前々作の『再起』で復活しました。
    そして前作からは息子さんと共著となったようです。
    競馬シリーズは主人公の職業は毎回様々で、でも何がしか競馬界と関係をもっているというのがお約束で、今回の主人公は弁護士でアマチュア騎手です。
    この弁護士が仲間のプロ騎手の殺人事件の裁判に巻き込まれていきます。そして弁護を担当して必ず裁判に負けるように様々な圧力がかけられます。
    この圧力に屈するのか…それは、是非読んでみてください。
    今回の主人公はいまいちタフな感じ

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    2011年06月15日
  • 祝宴

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    シェフがすごく受難な1週間でいろいろ痛そうでした。
    追悼コメントを読みながら、あらためて残念な気持ちに・・・

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    2010年04月22日
  • 再起

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    シッド・ハレー4度目の登場。読まないでいられません。
    今回注目したのはチャールズ・ロランド卿。
    この人は主人公シッドが最初に結婚した妻のお父さんで、退役した海軍将校で、ずっと主人公を友情で支えてくれている人です。
    のはずなんですが。

    なんですかね……あの人はあんなに……
    ……
    ホモっぽかったでしたかねえ…。

    シッドの恋人のマリーナと小さなフラットでシッドの留守を預かる場面は、まるで主人公がマリーナ(本命)と提督(二号)を二股かけた悪い男なのに、両者がそれを許している?……みたいに映ります…。何かの読みすぎ?
    「大穴」でクサっているシッドを侮辱することで、逆に奮い立たせてくれてた鋼鉄の人も、

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    2009年10月04日
  • 捜索者

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    シカゴ市警を退職してアイルランドのド田舎に引っ越したカルが、買った古民家をセルフリノベーションしていると、村から疎まれている一家の子供トレイに「行方不明になった兄を探してほしい」と依頼される…というミステリ。
    辺鄙な田舎という閉鎖的なムラ社会へ突然引越してきた奇異なアメリカ人ということで、警察を退職して権限が無いのに村人へ聞き込みをして回るうちに「探り回るな。手を引け」と警告を受けるなど前途多難。
    村の嫌われ者一家の一員であるトレイが徐々にカルに心を開いていくところは良いが、ミステリ部分の比重は軽め。「ザリガニ」とか「われら闇より」などと同じく、ミステリ味をまぶした文芸書という立ち位置かな。

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    2025年12月14日
  • 母の嘘、娘の秘密

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    ニューヨーク大学に通うクレオが実家に帰ると、血塗れの靴を残して母のキャットが失踪していた。キャットは優秀な弁護士であり、夫のエイダンと幸せな結婚生活を送っている…とクレオは思い込んでいた。だが実際は、キャットは企業フィクサーで、夫とは離婚寸前。その上、過去に人を殺していたというのだ。一方、キャットを探すクレオにも、母には言えない秘密があった。二人の嘘と秘密が重なった先に、衝撃の結末が!

    悪くはないが、標準的なスリラーといったところか。

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    2025年12月04日
  • 家族のなかの見知らぬ人

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    夫のマイクの浮気が発覚し、新聞社も解雇されたリリアンに魅力的なデイヴィッドが接近してくる。彼はヨットのオーナーで、マリーナの仕事を紹介してくれた。リリアンは解雇や彼のことを夫に黙っていたが、日焼けして活き活きとしてきた妻に不安を覚えた夫はGPSで尾行を開始する。夫は情緒が不安定なリリアンをずっと支えており、今回の浮気も実は…。妻の視点と夫の視点で、全く違う世界が交錯する傑作サスペンス。

    予想を軽く裏切る展開。

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    2025年09月07日
  • 捜索者

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    読みやすかった。けど海外ドラマによくありがちな展開で新鮮味は全くない。全体のボリュームのわりに満足感は控えめ。

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    2025年08月29日
  • 捜索者

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    凄く読むのに時間がかかった。

    長年勤めてきたシカゴ警察を退職したアメリカ人のカルはアイルランド西部の小さな村に移住した。
    廃屋の修繕をしながら静かに暮らしていたカルだったが、地元の子どもから、失踪した兄の行方を捜してほしいと頼まれる。


    一般的にミステリーの分類されていると思うのだが、個人的には主人公のカルと地元の子供のトレイの交流を描いた文芸に入るかなと。

    詳細な筆致で登場人物の心情や周りの風景、情景を細やかに描く。
    そのため全体的に起伏があまりなく、物語が淡々と紡がれる。
    この辺りがあまり馴染めなく、また約700Pものボリュームが重くのしかかり時間がかかってしまった。
    面白かったのか

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    2025年06月09日
  • 捜索者

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    毎度のことながら通勤電車で読んだが、登場人物も少なく、700頁近くあったが思ったより時間も掛からず、いや掛かったけど、牧羊と点々とする家々の風景が浮かぶような自然豊かな村で起こった悲劇の小説だった。
    元警察刑事が主人公なので少しは期待した派手なシーンは殆どなく、彼が行方不明者を探すのだが、その時の会話が直接的でなく含みを持たせるので、それがまどろっこしいと感じることも、これが味なのだろうけど少し気になった。
    まあこの様な小説も面白かったが再読はないね。

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    2025年01月31日
  • 密航者

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    面白くてさくさく読めた。連続小児殺人事件の陪審員を務めたマリアが主人公。評決の結果で糾弾された彼女が家族と旅行するクルーズ船で、全く同様の連続殺人事件が発生する。無罪判決で釈放された元容疑者か、模倣犯か。子供を守るべくマリアが犯人探しを、、、と言うサスペンス。ご都合主義が至る箇所に見えて☆3個。

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    2024年03月31日
  • 捜索者

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    曇り空の荒野、胸騒ぎがする表紙の書影に惹かれて手に取った。

    アイルランドの田舎町に1人で移り住んだ元シカゴ市警刑事のカル。仕事に疲れ、妻子と別れ、心と身体を癒す為にこの地に来た。廃屋を住みやすい環境にするべく日々修理に勤しむ。
    田舎の人々はアメリカから来た移住者に興味津々。隣人も商店の人もおせっかい焼きでカルにとても親切。
    しかし、少年トレイが失踪した兄を探して欲しい、とカルに頼んだ事から状況が一変する。

    刑事を辞めてのんびりするはずのカルが、持ち前の正義感で少年の兄を捜索するハメになっていく。どうせ家出、捜索しても無駄。立ち入ってはいけない。でも少年が気がかり。じっとしてられない…。

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    2024年01月14日
  • 捜索者

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    SL 2023.12.9-2023.12.12
    離婚し、シカゴ警察を退職してアイルランドに移住したカル。地元の子どもに失踪した兄の捜索を頼まれ捜査を始める。
    ミステリとしては弱いし、やや冗長ではあるけど、美しい自然やカルと子どもの細やかな交流を丁寧に描き出している。

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    2023年12月12日
  • 捜索者

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    ストーリーはゆっくりと、村の季節が移り変わるスピードで進みます。主人公が村人と交流を深めるにつれ、じわじわと増す不穏さが不気味です。子供の存在が光を差してくれて、最後まで面白く読めました。

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    2023年10月28日
  • ハリウッドの悪魔

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    1958年、反共・反ユダヤ主義を標榜するジョセフ・マッカーシーがアメリカ大統領となり、権力を握っている。映画産業は国営化され、制作されるのは反共プロパガンダ映画ばかりだ。ロサンゼルス市警の刑事モリス・ベイカーは、そんなハリウッドで、ある殺人事件を担当することになる。被害者は元映画監督ジョン・ヒューストンと、新進気鋭の記者ウォルター・クロンカイト。現場には「悪魔どもをやっつけろ ベイカー」と書かれたメモが遺されていた。ふたりはなぜ殺され、ベイカーの名前がなぜあったのか? 大統領配下の下院非米活動委員会(HUAC)の横やりが入り、捜査から外されたベイカーに、ソビエト連邦の謎めいた女スパイ、ソフィア

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    2023年10月17日
  • ベルリンに堕ちる闇

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    時代背景や主人公に興味を持って読んでいましたが、友人を紹介したあたりで、展開へのお膳立てと主人公への好感度が下がって、そのまま気持ちが萎えたまま読み終わってしまった印象です。

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    2023年08月08日