北野寿美枝のレビュー一覧

  • 喪失

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    低く垂れ込める灰色の空と降りしきる雨。光も届かぬ危険な地底と淀んだ運河。描かれる情景も人間関係もどこか北欧ミステリを彷彿とさせる。

    犯行目的が上手い具合に隠され、二転三転する事態はミステリとしては巧妙なのだと思う。が、あまりにも進まない捜査状況が読んでいてもどかしく、犯人が利口というよりは警察が無能すぎるのではないかと思ってしまう。加えて、キャフェリーとフリーのあの隠蔽が悪い意味で気になって事件に集中できず、さらには二人に共感も魅力も感じられないとなれば、必然ページを捲る手が遅くなるというものだ。ただ、シリーズ途中作品のようなので、それゆえの共感欠如なのかもしれない。

    犯人側の視点がなく、

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    2016年10月01日
  • 人形

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    東野圭吾さんもノミネートされて話題となった
    2012 年のエドガー賞長編賞受賞作品である前作
    ジャック・キャフェリー警部シリーズ第5作目『喪失』は
    すばらしい出来であったと記憶しているが、
    今回の6作目はちょっとなあ。
    作品の出来としてかなり落差があるような気がする。
    『喪失』を読んだのが3年半前なのと、
    シリーズ物をその途中から間をおいて 2 作品だけ読むのがいけないのか。
    でも3、4、7 作目が未翻訳。

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    2016年07月11日
  • 人形

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    冒頭のエピソードが、いきなりげげっというスプラッタな感じ。それもあってか、途中まではなかなか話に入り込めなかった。半ばくらいからはズンズンと読み進めて、結局は一気読みに近かった。引き込まれるストーリーだと思うが、自分の好みとしては前作の「喪失」の方が良かったように思う。サスペンスの質がちょっと神経に障る感じがするもので。

    本書はシリーズ中で「喪失」に続くものらしいが、「喪失」より前の作品は絶版だったり未訳だったりするそうだ。それでシリーズ全体での位置づけが見えないせいかもしれないが、二つの事件が並行して語られる必然性がよくわからなくて、その点が残念。

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    2016年04月07日
  • 氷雪のマンハント

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    デンマーク作家によるミステリー。テーマの面白さに比し、可もなく、不可もなくといった印象。

    急死した大富豪の邸宅から見付かった若い男の処刑を収めたDVDを巡り、警備コンサルタントのミケーレ・サンダが真相を調査するが…

    最近、レベルの高い作品が次々と発表される北欧ミステリー界であるが、これは平凡な作品だった。

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    2015年04月30日
  • 殺人鬼ジョー(下)

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    訳者あとがきを読み、愕然。『清掃魔』の続編だったのか。クライストチャーチの切り裂き魔として逮捕されたジョー・ミドルトンが起こした過去の事件が描かれておらず、ジョーの極悪非道ぶりも全く伝わないまま、その点を疑問に思いながら読み終わった。帯にも、裏表紙にも、続編だという事は一切記載されていない。

    下巻に入り、事件は大きく展開する。しかし、帯に書いてあるような『デクスター 警察官は殺人鬼』、『ハンニバル・レクター』など思い起こさせる事もなければ、『すばらしい本』でもなかった。

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    2015年02月01日
  • 殺人鬼ジョー(上)

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    珍しいニュージーランド作家のミステリー。面白そうなタイトルにかなり期待したのだが…

    クライストチャーチの切り裂き魔、連続殺人犯ジョー・ミドルトンが警察に捕まり、刑務所に収監される。無罪を主張しながらも、どこまでも軽いジョー…ジョーの釈放で立場が危うくなると考えたジョーの恋人のメリッサは、ジョーの殺害を計画する。そして、恋人のメリッサもまた連続殺人犯というのが凄いのだが…

    設定は面白いのだが、ストーリーは単調で、ゴテゴテと様々なエピソードで飾り立てた感が否めない。帯には色々とおすすめの文章が書いてあるが、それほど面白い作品ではない。下巻で大きな展開はあるのだろうか。

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    2015年01月31日
  • 秘密資産

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    シリーズ第2作。
    最近、翻訳ミステリを読むペースが落ちてしまった。この本も読み終わるまでに一か月以上かかった。後半は怒涛の一気読み。

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    2014年10月20日
  • ブラック・フライデー

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    金融犯罪の解明だけで話が進められていたら平凡すぎて、出版社の人達から見向きもされなかったかも。でもそこにジェイソンと息子の生活ぶりや意志疎通の試行錯誤の様子を絡めることで、ぐっと読ませる話になっていると思う。前半、学校前での親子と犬のふれあいの直後の事はこちらもうれしくなってしまった。ラストのジェイソンはなかなかしたたかですね。金曜日はキッドが黒を着る日だから、そこからタイトルが(笑)
    次も翻訳刊行予定ありなので詠むのが楽しみ。

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    2015年04月07日
  • 喪失

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    カージャック事件、しかも後部座席には子供が乗っていた。誘拐になる事を恐れ子供はすぐに解放されると思われたが予想に反して1日が過ぎ、犯人からの嫌がらせが始まる。
    面白いサスペンス。犯人は読めるし、トリック的な要素は少ないが、ストーリー展開はスピーディーで読みやすい。もう少し短くても良い。後半は少しだれてしまった。

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    2013年07月13日
  • 喪失

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    ローズ・ブラッドリーの車が、とある男に奪われた。その車には、幼い娘マーサを乗せたままだった。突如起きたカージャック事件だったが、重大犯罪捜査隊警部であるキャフェリーは、同時に連れ去られた子供に関しては、すぐに戻されるだろうと見ていた。
    しかし、24時間経過してもマーサは見つからず、事件は複雑な様相を呈する。
    ジャック・キャフェリー警部、フリー・マーリー巡査、ジャニス・コステロの視点を移りながら物語は展開していく。その他、ニック、ウォーキングマン、ポール・プロディなど魅力的なキャラクタが作品を彩る。

    なんだかよくわからない関係性をたいして説明もなくさくさく飛ばして行くな、と思ったらこれシリーズ

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    2013年06月18日
  • 喪失

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    一気読み。途中で筋がわかってしまうところはあったし、あまりスッキリとした終わり方ではなかったが、なかなか面白かった。

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    2013年05月28日
  • 喪失

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    自動車盗から子供の誘拐そして親への復讐
    という事件の構図が変質していく過程は見事
    喪失というタイトル
    犯人像,動機も面白い

    シリーズだからウォーキングマンとか
    そのへんのどういう役割?みたいな部分があった

    うーんでも思っていたほどでは・・・
    翻訳になれていないせいだろうか
    なんとなくハリウッド映画原作という雰囲気

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    2013年03月05日
  • 喪失

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    内容(「BOOK」データベースより)
    当初は単純な窃盗と思われたカージャック事件。だが強奪された車の後部座席に乗っていたはずの少女はいっこうに発見されない。捜査の指揮を執るキャフェリー警部の胸中に不安の雲が湧きだしたとき、今回とよく似た手口の事件が過去にも発生していたことが判明した。犯人の狙いは車ではなく、少女だったのか!事件の様相は一変し、捜査に総力が注がれる。だが姿なき犯人は、焦燥にかられる警察に、そして被害者の家族に、次々と卑劣きわまる挑発を…屈指の実力派が、MWA賞最優秀長篇賞の栄冠を射止めた力作。

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    2013年02月25日
  • 矜持

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    ネタバレ

    競馬シリーズ、ついに最終巻。よりによって、非常に感じの悪い連中しか出てこない話になっていて、これで最後なのは本当に残念極まりないが、仕方が無い。
    ただ、ここまできたシリーズに敬意を評して、なんとか星3つ。縁があるところからバラバラに読み進めているので、菊池訳ではない作品を読んだのはこれが初めて。地の文は非常に読みやすくなっているように思う。会話はあの菊池訳特有の雰囲気に慣れてしまい、むしろ滑らか過ぎて引っかからない。いろいろあるもんだ。

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    2012年12月08日
  • 拮抗

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    大好きなのは初期の作品のいくつかなんだけど、やっぱり買ってしまうフランシス。息子との共著になって何となく違うよな〜と思いながらも…。責任感があってストイックな大人の男の魅力に惹かれてって、そうかイギリスの健さんなんだ!

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    2012年09月07日