北野寿美枝のレビュー一覧
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ネタバレ人と関わらないで済むような土地に引っ越したつもりだったのに、ここではここのわかりにくいルールがあるという、都会よりも面倒な出来事に巻き込まれていく主人公が不憫だった。一度住んでみないと分からないこともある。
トレイと出会い、田舎の穏やかな生活は崩れ去るが、人と関わることは基本的にはやはり楽しく豊かで人間的な行為なのだと思う。
マートをはじめとした仲間たちは、村の秩序を守るためとはいえ、自警団を超えてもはや村人たちを私物化していることや、殺人と遺体遺棄までしているのは驚いた。
この村でなければ通報して解決なのに、結果的にカルも掟に従う結果になるところに闇深さを感じる。
でも、自分にとって何が一番 -
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イギリスの作家「ディック・フランシス」と「フェリックス・フランシス」の父子共著の長篇ミステリ作品『拮抗(原題:Even Money)』を読みました。
『審判』に続き「ディック・フランシス」と「フェリックス・フランシス」の父子共著の作品です。
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「おれはおまえの父親だ」ロイヤル・アスコットの初日、ブックメーカーを営む「ネッド」の前にやってきた男は、三十年以上前に自動車事故で死んだと聞かされていた父だと名乗った。
にわかには信じがたい話に混乱する「ネッド」。
だがその直後、突如出現した暴漢が父を刺殺してしまう。
なぜ父は今頃になって現われたのか? -
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高緯度地方に特徴的なものは、泥炭地だ。
本書の舞台になったアイルランドの田舎町でも、泥炭地が印象的に描かれる。
思春期に差し掛かった少年(象徴的な意味で少年だ)に大切なことはなんだろう。
丁寧に一つ一つの過程を、身体を動かして積み上げていく、例えば大工仕事のようなことか。あるいは、猟銃が扱える欧米では狩猟も含まれるのか。銃の扱い方を教わることは、大人への通過儀礼としての役割もあるのだろう。
ロバート・Bパーカーの『初秋』を思わせる展開で、ミステリとしての要素よりも登場人物の成長譚として読み込んでいく。また、『初秋』でのスペンサーとスーザンのように、本書では主人公カルとレナの自立した -
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イギリスの作家ディック・フランシスの長篇ミステリ作品『再起(原題:Under Orders)』を読みました。
『査問』に続き、ディック・フランシスの作品です。
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元騎手で調査員のシッド・ハレーは、上院議員のエンストーン卿から持ち馬の八百長疑惑に関する調査を依頼された。
しかしその直後八百長への関与を疑われた騎手が死体となって発見され、殺人容疑で逮捕された調教師も証拠不十分で釈放されたあと、不可解な自殺 を遂げてしまう。
真相究明に奔走するハレーだが、謎の刺客が最愛の恋人マリーナを襲う。
『大穴』『利腕』『敵手』に続き、不屈の男シッド・ハレーを四た -
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お気に入りの方のオススメ著者。オススメいただいた方に感謝です^_^。どんな作品なのか予備知識なく読みました。なので、どういう展開か、ディーバー作品のように、どんでん返し系なのか、なんなのかさっぱり分からず、すっごくワクワクして読みました!これが著者の処女作ということですが、今作については犯人に意外性があるというほどでもなく、ミステリーとしては、可もなく不可もなくというところ。ただあとがきを読むと、登場人物にいろいろな展開が待っていそうですので、是非順番に読み続けていきたいと思いました。余談ですが、この作品の主人公の一人のジェフリーはあまり好きにはなれませんでしたが。
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Posted by ブクログ
凄い書き手であるなとは思いつつ、順不同でここ一年で三冊を読み終えたばかりの、まだまだスローター・ワールド初心者で、正直言えば、怖々読んでいる感覚が否めない。
カリン・スローターのブームを日本で作っているのは、ハーパー・コリンズ・ジャパンという現在翻訳ミステリの救世主的存在の出版社である。今世紀になってからの新顔でありながら、今やMWA賞受賞のベストセラー作家として、邦訳新作が年間2~3作ペースで書店に並ぶというビッグネームとなっているのは注目に値する。
『検屍官』シリーズでミステリ門外にまで新たな読者層を産み出したパトリシア・コーンウェル以来の女流ベストセラー作家であろうか。帯に作者