飯塚容のレビュー一覧

  • 活きる

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    救いようのないように見える人生をそれでも"活きる"
    男の物語。父も母も妻も子供も失った主人公が孫の年齢を聞かれた時に(17になっていたはずだ)と答えた時にはため息が出てそれ以降の文を読むのが怖くなってしまった。
    中国の激動の時代にこういう人達がいて、今の時代に繋がっているのだと感じられた。

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    2025年11月06日
  • 文城 夢幻の町

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    作者である余華の作品は、「活きる」をチャン・イーモウ監督の映画で見て、小説そのものを読むのは本作が初めて。
    読み始めて最初は、なかなか前に進まないが、1/3ほど進んだあたりから、読むスピードが一気に加速して、一気呵成に読み終えることができた。時は清国末から民国初めの混乱を極めた中国で、市井の人たちが送った苦難の日々を描いている。著者が日本の読者に向けて書いたあとがきでは、この小説を「伝奇小説」としているが、しかし「伝奇小説」と言われると、私などが真っ先に思い浮かべる「聊斎志異」のような怪異小説ではなく、「紅楼夢」や「水滸伝」、「三国志演義」に通じるところも感じてしまう。(「西遊記」はちょっと違

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    2023年02月01日
  • ほんとうの中国の話をしよう

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    ネタバレ

    天安門事件の時に私は生まれてないし毛沢東時代も知識としてしか知らない。国と生まれた時代が違うだけでこんなにも変わってくるとは。衝撃。小説の中の話じゃなくて?って思いながら読んだ。なにより著者が逞しすぎる。子供の頃の日常が私とはあまりにも違いすぎたからってことなんだけど、著者の大胆な行動(私の感覚から見て)がドキドキする。生きるか死ぬかが何かの拍子で決まってしまう。この本が出た頃の最近の事も書かれててよかった。

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    2022年11月13日
  • 文城 夢幻の町

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    「活きる」などの著作がある余華の最新作。21年に渡って書き続けたのが本作。相変わらず上手い。
    今回は男女各1名の主人公二人という構成。本編と補編から構成される。
    時代は清朝末期。時代に自然災害に匪賊に翻弄される人々の悲哀と愛、生き様を描く。日本の小説の様に細かい心象風景は描かない。よって影絵を見ている様な印象を残す。空間や時代を超えた人生の歓びと悲哀を描く。時にはブラックユーモアや映画の様な美しい光景を効果的に描かれる。余華と同時代に生きることに感謝。

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    2022年11月12日
  • 父を想う

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    文章や表現が美しい。
    自分の知っている中国の貧困層の生活様式を家族の温かさと生活の厳しさを交えて書かれていて、初心者にも大変読みやすい一冊だった。

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    2021年10月04日
  • 活きる

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    若い頃には放蕩三昧
    働き盛りは出世を願い
    年を取ったら好々爺

    風霞と二喜 手をつなぎ見つめ合う二人

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    2021年09月09日
  • 武漢日記 封鎖下60日の魂の記録

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    うわさに聞いていた一冊

    「武漢」この都市名は
    日本で言えば
    「ヒロシマ」「ナガサキ」
    「フクシマ」
    に相当するほどの世界の歴史に
    刻まれる固有名詞になっている
    その「武漢」が「都市封鎖」を
    された60日間の日々が
    綴られている

    食べること
    飲むこと
    見えること
    聞こえてくること
    そして
    考える事

    「都市のロックダウン」
    という非日常の日々のなかで
    起こっている様々なことが
    克明に記録されている
    いつ(封鎖が)終わるとも知れない
    日々が詳細に綴られる

    身動きの取れない状態で
    あるのに
    いや そうであるからこそ
    見通すことのできた真実
    考えることのできた真実
    が ここに綴られている

    とん

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    2021年06月24日
  • 武漢日記 封鎖下60日の魂の記録

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    武漢が封鎖されている頃の日々の記録。
    ようやく読むことが出来た。
    見たり読んだりしたことを思い出しながら方方さんの日記を読むとさらに理解が深くなった。
    どこの国も似たり寄ったりなんだなぁと思う。
    日本もそうだ。誰も責任を取ろうとしない。
    心に残った言葉は私の日記にメモとして残しました。
    『ある国の文明度を知る唯一の基準は、弱者に対して国がどういう態度を取るかだ』
    この言葉は特に心に響きました。
    たくさんの人に読んでもらいたい本です。

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    2021年02月14日
  • 武漢日記 封鎖下60日の魂の記録

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    途中で読み続けられないかと思ったが、少しずつ日記のように少しずつ読み終えることができた。
    世界で五千万人もが感染しパンデミックが明らかな中で
    も暢気な構えの無策日本の政治屋どもこそ読むべき本だ。メディアも併せて暢気だが、どうするのかコロナを。「神のみぞ知る」と投げ捨てて恥ずかしくないのか。

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    2020年11月22日
  • 父を想う

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    国際的に著名な中国人作家による自伝エッセイ。文革時の農村の日々といってもただ懐かしむような筆致ではなく、どこか自己を突き放すような冷徹さがある。著者の父の世代がどれほど生活すること、生きることに精魂つき果たしたか、その日々が描かれる。一家を守るために肉体の限りを尽くし、子供たちの家を建てて所帯を持たせる、それが親というものの役割だと言わんばかりに命を削る父親たちはとてつもなく偉大であり、その父たちへのまなざしは尊敬と温かみで満ちている一方で、子どもに必要とあらば一瞬にして暴力装置が作動し、制御不能の移動式生き地獄と化すのは中上文学における父親っぽくて圧巻。そうかと思うと強く偉大なところだけじゃ

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    2018年11月14日
  • 活きる

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    『生きる』は中国の作家 余華の長編小説。
    それは、“死ぬこと”を描いて“生きる”ことをあらわした、シンプルで、それでいて心に残る物語。

    1994年、チャン・イーモウ監督が映画化して、カンヌ映画祭で賞を取っている。
    映画では主人公福貴の妻 家珍役コン・リーがとても印象的だった。
    日本では黒澤明監督の映画「生きる」が有名だが、私はこちらの方が好きだ。

    小説もとても良かった。

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    2024年05月01日
  • 活きる

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    初余華
    クソ泣けると言われてたけど泣かなかった
    どんな人生でも大事に値する
    あなたが生きた道は、評価ではなく感じる物なのだ
    のようなメッセージ
    分かってるよ

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    2023年08月24日
  • 活きる

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    道楽息子が農民に没落し、家族を失いながら生きていく。
    羊や牛がなつく感じや、飴をいくつ買うとかのディテールが良かった。

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    2023年04月03日
  • 活きる

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    人間万事塞翁が馬。
    いつ何時悲喜劇が起こるかは誰にもわからない。

    「人間は平凡な方がいい。どうにかこうにか頑張って、命をつないでいくのだ。」

    平凡な人生だったのかしら。

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    2023年02月27日
  • 作家たちの愚かしくも愛すべき中国 なぜ、彼らは世界に発信するのか?

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    やっぱ余華て小説よりエッセイやノンフィクションのほうが面白いのでわw そして相変わらず大江健三郎は書いてることも言ってることもなぜ尊敬されてるかも全然わからん。閻連華が、星新一に触れてるのはちとうれちい。そして遠慮がちにだがみんなにdisられる村上春樹w

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    2023年02月05日
  • 中国では書けない中国の話

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    ネタバレ

    近くにありますが、謎の多い中国の実情を書いた本です。
    作家である著者が、中国では書けない庶民の暮らし、本音を書いています。
    中国に興味ある方、私のように最近の中国が怖く感じられる方、中国に暮らす人々の苦労を知りたい方にお勧めの本です。
    共産党の一党独裁で政治を行っている中国での法律問題、言論の自由、タブー、社会主義と資本主義等について書いてあります。個人的な感想も多いですが、庶民目線で書かれており、中国に住む方々の日常がよくわかります。
    経済成長により急激に豊かになった中国の影の部分も多く書いてあり、ツィッター問題や、天安門事件、政府のうそについての話が特に印象に残りました。
    早く中国が、自由

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    2022年03月03日
  • 武漢日記 封鎖下60日の魂の記録

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    コロナ初期を知る良い本です。ただ、中国共産党の価値観も含まれているので、日本の感覚とは全く違います。

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    2022年02月19日
  • 作家たちの愚かしくも愛すべき中国 なぜ、彼らは世界に発信するのか?

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    中国で文学を書くということ。その真実が分かる一冊でした。文学では国家を変えられない、ただ国家に利用されるだけだ。重い言葉です。

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    2021年12月19日
  • ほんとうの中国の話をしよう

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     1960年生まれの著者、日本とは異なる体制の国に生まれるってこういうことなんだろう。
    著者の魯迅評にはハッとした。

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    2021年07月28日
  • 武漢日記 封鎖下60日の魂の記録

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    コロナ禍が始まってほぼ1年後に読んだ。「週間読書人」に方方さんのインタビューがあって、それで読もうと思ったのだ。中国で、書いては削除されるブログを、知人の助けを受けながら書き公開し続けた著者は、勇気のある人だと思う。

    2020年の1月から3月にかけて都市封鎖された武漢はこんな状況だったのかということが分かる貴重な記録である。
    当たり前だが、著者と兄嫁も同じ武漢にいてそれぞれ違うことを考えていたことも分かる。
    その時期に自分が日本で何をしていたか、どんな気持ちだったかもあわせて思い出した。
    こういう記録が各地に残っていくことがとても大切だと思う。

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    2021年03月14日