久永実木彦のレビュー一覧
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安心と安定の日本SF傑作選。気になったものだけ箇条書き。
藤井太洋『行き先は特異点』…もうすぐそこに来ている、明日くらいの近さのSF短編。お馴染みの商品名がずらり。未来だと思っていたら今でした。 円城塔『バベル・タワー』…読みやすく解りやすい優しい円城塔。 宮内悠介『スモーク・オンザ・ウォーター』…冒頭は宮内悠介っぽいなと思いつつ、読み進めていくうちにちょっと拍子抜けました・・企画ものだったのですね。じゃあ仕方ない。 高山羽根子『太陽の側の島』…どういうオチなのかワクワクして読み進めて最後はしっくりしっとり。 飛浩隆『洋服』…解説にもありましたが星新一っぽい!! 秋永真琴『古本屋の少女』…こ -
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SF。短編集。アンソロジー。2016年。
「スモーク・オン・ザ・ウォーター」「プテロス」は既読。「スモーク〜」に関しては、直前に『超動く家にて』を読んでた。
まずは、マンガ3作品。
弐瓶勉「人形の国」これは素晴らしい。世界観が好き。
石黒正数「性なる侵入」一発ネタですね。
山田胡瓜「海の住人」ヒューマノイド。好きなジャンル。
小説は17作品。傑作選だけあり、全体的に良い作品が多い。ただ、小林泰三さんの作品は作品の出来よりもネームバリューで選んでしまったのでは?
円城塔さんと、酉島伝法さんは文章がどうしても苦手なのでスルーです…。
気に入ったのは以下の6作品。
藤井太洋「行き先は特異点」リア -
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こちらもまた初読みの作者さん。
久し振りにSFを読み、ちょっと読み辛いところもあったが、全編に亘っての抒情溢れる語り口には惹かれるところもあった。
◼️七十四秒の旋律と孤独
宇宙船がワープをする際にできる空白の74秒。人間や宇宙船が無防備になるこの間、海賊の襲撃から船を守るマ・フと呼ばれる人工知性〈紅葉〉の物語。
“美”を理解し愛する人工知性の孤独と死闘。
宇宙空間に立つ〈紅葉〉の姿が彷彿される冒頭のシーンに加え、静謐な世界で奏でられる旋律が聞こえるかのような戦闘のシーンがとてもきれい。
◼️マ・フ クロニクル
人類が滅亡した後の宇宙で、ヒトが遺した聖典を遵守して惑星Hを観測し続ける8体の -
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どこかで好意的な書評を見かけ、『74秒間の戦慄と孤独』というタイトルや「マフ クロニクル」と言うキーワードに惹かれて購入。
しかし、SFにありがちな美文調の文章は上手く頭に入ってこないし、いまいちでしたね。「クロニクル」と言う言葉から大河小説的な年代記を期待してしまうのですが、この物語は期間こそ2万年と長期ですが、宇宙の辺境の一部落の物語であり。しかもその歴史的背景についてはほとんど記述が有りません。流石にアシモフのロボット~ファウンデーションの様な壮大さを期待するのは無理にしても、唯一過去にロボット対人間の戦争があったらしいという事だけでは、歴史的背景がいかにもプアすぎます。そこを期待したの -
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■個人的なメモ
[△]久永実木彦「一万年の午後」/ヒト絶滅後、一律なマ・フたち、聖典、宇宙の地図づくり、変化しないこと。
[▽]高山羽根子「ビースト・ストランディング」/ビースト挙げ競技、旧野球場。
[○]宮内悠介「ホテル・アースポート」/宇宙エレベーター、ホテル、殺人事件。
[△]加藤直之「SFと絵」/ゲーム「ディガンの魔石」以来ファンです。
[○]秋永真琴「ブラッド・ナイト・ノワール」/旧吸血鬼の「夜種」、人間は王族、ローマの休日、好みのキャラ、好みの設定、好みの会話。
[△]松崎有理「イヴの末裔たちの明日」/技術的失業、AI、ロボット、ベーシックインカム、治験、星新一さんっぽいオチ。
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おもしろいシリーズだから愉しみ
最初に大好きな堀晃作品を読んだ。土地勘あるからスラスラ読める。堀さんの近況報告みたいなものかな。
最も楽しみにしていた久永作品を最後におき、順番に読む。高山羽根子作品は最初から乗り切れずパス。宮内悠介作品はミステリー感覚て肩透かし。秋永麻琴作品がとても楽しかったぞ。これ別作品も読みたいってことで発見のワクワク感で持ち直す。松崎有理さくひんは少しトーンダウンて、次の生首って作品はさっぱり乗り切れずに少しコーヒータイム。
リフレッシュ後の宮澤伊織作品は、これまた秋永作品同様にアクションつぽくてとても良かった。これも発見だ。アンソロジーはこれが醍醐味。
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恒例の年間傑作選も十冊目だそうだ。すごく売れてるというわけではなくて、採算ラインちょっと上、というところらしい。こういう傑作選でなければまず読まない作品にふれられるので、是非とも刊行を続けてほしいと思う。
とか言いながら、ついクサしてしまうけど、何と言うか「これがSF?どこが?」というのがいくつもあって、これはちょっといただけない感じ。SFファンはとかく狭量で、「こんなのSFじゃない」とすぐ言いたがる癖があるが、編者のお二人はそういう傾向はよろしくないとお考えなのだろう。それは同感だけど、それにしてもちょっとね。諏訪哲史氏など、著者ご本人もビックリされているが、そりゃそうだろうなと思う。