久永実木彦のレビュー一覧

  • 七十四秒の旋律と孤独

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    ネタバレ

    別の本で久永さんの存在を知り、文章がとても好きなので本書を手に取りました。

    やはり文の調べが美しく、大好きです。

    胸が苦しくなるようなストーリーでもあるのですが、世界観にうっとりする気持ちのほうが勝ります。

    最後は泣いてしまいました。

    何度も読み返したくなるような本です。

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    2025年04月05日
  • 七十四秒の旋律と孤独-Sogen SF Short Story Prize Edition-

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    SFアンソロジー。発想の広さというか、着想の深さはSFという括りであるのに遥かに純文学を凌駕している。

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    2022年04月30日
  • 七十四秒の旋律と孤独

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    とても美しく、まとまりがある物語だった。
    ピュアなマ・フに対して人間の負の側面である暴力性などの醜さが際立ち、心が痛かった。最後の章で若い巫女がかつてのマ・フのような真っ直ぐな気持ちで生きて、それがしっかりと報われたことでこちらまで救われた思いがした。
    SFというよりは、SF的な単語が出てけるだけの物語メインの小説であった。話は本当に面白かったが、各キャラクターが典型的で画一的な感じもしたので惜しいなとも感じた。

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    2025年10月03日
  • 七十四秒の旋律と孤独

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    ネタバレ

    出てくるロボに愛着が湧いてくるゆえに、人間が愚かしくてごめんねという気持ちになった どうしたらいいんだろうね人間
    人間がやり直すにはいったん全部破壊しなきゃダメなんだ……でも歴史はやっぱり繰り返すんだ……という思想(?)は、自分がよく読む萩尾望都のSFチックな作品にも似ていると感じるので、自分もうっすらそう思ってるんじゃないかという問いを発見した。

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    2025年08月09日
  • わたしたちの怪獣

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    『わたしたちの怪獣』『ぴぴぴ・ぴっぴぴ』『夜の安らぎ』『アタック・オブ・ザ・キラートマトを観ながら』の4本の短編が収録されたSF短編集。

    この作者には初めて触れたが、どの作品も読み心地が良くて他の作品も読んでみたくなった。
    良い意味で既視感があるというか、具体的にこの作品とは言えないんだけど、昔観たような読んだようなそういう既視感を感じた。勿論、読んでいて「ああ、このシーンはあの映画っぽいな」って要素も多いのだが、それに合わせて記憶の中のノスタルジーというか、ありそうでない、なさそうであるみたいな作品を作るのが上手いのかもしれない。

    他の人のレビューにはSFじゃなくてファンタジーなんて意見

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    2025年08月07日
  • わたしたちの怪獣

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    キングも村上春樹も好きだったので読んでみたけど、まったくもって当たり前のようにキングとも村上春樹とも違う小説だということに気がつかずに読みはじめてしまい少し反省しました。映画とかドラマとかだったら面白かったかも。

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    2025年06月29日
  • わたしたちの怪獣

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    ネタバレ

    困った、これは面白かった。

    表題作はスケザネさん紹介をきき
    「B級映画みたいで笑えそう」と(失礼ながら)
    興味本位で買って読み始めた。

    けれど、ぴぴぴ・ぴっぴぴを読み
    (これも失礼ながら)キャッチーなSFだけでなく、繊細な五感を振るわせるような
    SF小説を書かれる人だと惹き込まれました。

    4作品の中で特に
    ぴぴぴ・ぴっぴぴが好きで、
    これはまた読み直したい。

    ドラキュラもよかった、し
    ゾンビは普段あまり惹かれないが
    星乃さんの映画連想ラリーのキレが良すぎて
    楽しくて一気に読みました。
    「わかるでしょう?わたしはこういう連想でしか、ものごとを考えられないの」最高。
    『アタックオブザキラー

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    2025年06月25日
  • わたしたちの怪獣

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    怪獣、タイムリープ、吸血鬼、ゾンビというSF的にありふれたお題でありながら、しっかりした世界観と魅力的なキャラクターたちによってどの話も引き込まれた。次に作者は既存のテーマをどう料理するのか、また新しいテーマをどう提示してくるのかとても楽しみだ。

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    2025年05月17日
  • わたしたちの怪獣

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    一話目が1番好きだ
    どれもアイディアだけではなく、SF服の工夫があるように思う。
    この著者の作品をまた読んでみよう

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    2025年04月27日
  • わたしたちの怪獣

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    噂に違わぬ傑作短編集でした。いやー面白かった!

    特に良かったのは表題作「わたしたちの怪獣」とラスト「『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を観ながら」。前者はおそらくシン・ゴジラにインスピレーションを得た作品だと思いますが、元の作品より破滅的な現実と向き合う市井の人に焦点を当てた構成が実に見事。救いのありそうなラストに思わせてからの現実は甘くないというオチも非常に良かったですね。そして後者は映画のオマージュを散りばめた作品となっており、映画好きならニヤリとするシーンばかり。と言っても表題作の元ネタを見たことがなかったので全力で楽しめたかというと怪しんですが、それでも虚構と現実を対比しながら、荒

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    2025年03月31日
  • わたしたちの怪獣

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    星雲賞の表題作を含めクオリティーの高いSF幻想ホラー短編集。怪獣、歴史改変、吸血鬼、ゾンビ…ゾクゾクするテーマ、魅力的な登場人物、シュールな展開、どれも好み。非現実的世界に救いを求める主人公たちの行動は胸を打ち、ラストが印象的な4編。中でもゾンビ映画へのオマージュ「『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を観ながら」はツボだった。

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    2025年03月13日
  • わたしたちの怪獣

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    書店であらすじを読んだ時点からワクワクが止まらなかった本。4話からなる短編集で、それぞれ怪獣、タイムマシン、吸血鬼、ゾンビ(キラートマト?)を描いています。どこかコミカルでシリアスで、かつユーモアに富んだお話になっています。あとがきも面白い。

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    2025年03月08日
  • 七十四秒の旋律と孤独

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     表題作にある七十四秒とは、ワープの際に人間が知覚できない空白の時間をいう。そして、マ・フとよばれるヒト型の人工知性が襲撃者から宇宙船を守っていた。

     表題作は、そのマ・フの最初で最後の戦闘と彼のもつ密かな願いを描いている。第8回創元SF短編賞受賞作で、リリカルであり意表を突く結末が待っている。ちなみに作者は愛猫家だそうだ。

     そして連作長編になるマ・フ クロニクルは、惑星Hを舞台に8体のマ・フと人類の末裔たちとの関係を描いている。
     最後はやはりそうなるのか。そして人間は宗教(神だのみ)に走る。 

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    2024年02月18日
  • 七十四秒の旋律と孤独

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    『七十四秒の旋律と孤独』は再読。
    印象に残っていた。
    クロニクルはA.Iのこれからを考えるときにありそうな未来かなあ。

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    2024年01月14日
  • 七十四秒の旋律と孤独-Sogen SF Short Story Prize Edition-

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    行き先は特異点(藤井太洋)
    バベル・タワー(円城塔)
    人形の国(弐瓶勉)
    スモーク・オン・ザ・ウォーター(宮内悠介)
    幻影の攻勢(眉村卓)
    性なる侵入(石黒正数)
    太陽の側の島(高山羽根子)
    玩具(小林泰三)
    悪夢はまだ終わらない(山本弘)
    海の住人(山田胡瓜)
    洋服(飛浩隆)
    古本屋の少女(秋永真琴)
    二本の足で(倉田タカシ)
    点点点丸転転丸(諏訪哲史)
    鰻(北野勇作)
    電波の武者(牧野修)
    スティクニー備蓄基地(谷甲州)
    プテロス(上田早夕里)
    ブロッコリー神殿(酉島伝法)
    七十四秒の旋律と孤独(久永実木彦)

    読みやすい作品が揃った感じ。

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    2023年10月16日
  • Genesis 一万年の午後

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    日本人作家によるSF短編アンソロジー。様々な味わいのある作品を楽しめる。読者ごとに好みがあるので、すべての作品を面白いと思う人はそう多くないと思うが、これから好きになる作家出会う良い機会になるだろう。私の好みは、「イヴの末裔たちの明日」(松崎有理)と「生首」(倉田タカシ)の2作品。前者はAIが仕事を奪った結果、治験のアルバイトにたどり着く、どこかユーモラスな作品。後者は生首が現れる現象がホラーチックであるが、なぜか笑いたくなる作品。なんだ、私は笑える作品が好きなのだろうか。今気づいた。

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    2022年12月21日
  • Genesis 一万年の午後

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    東京創元社が、社名の「創元=GENESIS」を冠して二〇一八年に刊行したSF書き下ろしアンソロジー第一集。各作品の前に編者による洒脱な紹介コメントも寄せられていて、「日本の現代SF小説界、作家も出版社も一丸となってこんなメンツで盛り立てていきますぜ」という顔見世興行的な気合いの入りようが感じられる。今のところ二〇二一年の第四集まで毎年刊行が続いているようだ。
    SFに限らず同時代の作家の好きと思える小説に出会えることには、古典名作を楽しむのとはまた違う喜びがある。創元さんの四年前のお薦め、彩り豊かで「ぜんぶ好き」とはいかないが、これだけいろいろ並べて出してくれたことにありがとうという気持ち。

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    2022年03月20日
  • 七十四秒の旋律と孤独-Sogen SF Short Story Prize Edition-

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    SF短編賞を受賞の「74秒の旋律と孤独」はワープ航法中に海賊の送り込むロボットに対抗するための護衛ロボットの話です。人間とのコミュニケーションは取れないけれど豊かな感情を持ち、ストーリーは以外な展開と印象的な結末を迎えます。

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    2021年11月18日
  • Genesis 一万年の午後

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    2018年末に刊行された新しめの日本SFアンソロジー。短編8編+エッセイ2編が収録されています。

    アンソロジーを読むこと自体、ちょっと良い(と見込んだ)食事処にぷらっと入って「おまかせコース」を頼むようなもので、満足したい気持ちと、意外なものを味わいたい気持ちが同居していると思います。
    個人的には両ポイントともにちょうど良い感じの1冊でした。編集者の匙加減の素晴らしさもあるんでしょうが、SFというジャンルの中での振れ幅もなかなか心地良かったと感じました。
    (正統派SFもありつつ、一見ファンタジーでは?日記では?となる作品や、突き抜けたシュールさの作品があって、色彩豊かでした)

    1編挙げると

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    2021年05月08日
  • Genesis 一万年の午後

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    SF。短編集。エッセイもあり。
    これは良い企画。5年、10年と続いてほしい。

    久永実木彦「一万年の午後」
    人類絶滅後のロボットたち。綺麗な文章が印象的。

    高山羽根子「ビースト・ストランディング」
    怪獣を持ち上げるスポーツ。相変わらず奇妙な設定が持ち味。好き。

    宮内悠介「ホテル・アースポート」
    SF設定でのミステリ。ミステリとしては小粒だと思うが、上手くまとまってる。舞台設定が良い。

    秋永真琴「ブラッド・ナイト・ノワール」
    吸血鬼&マフィアもの。ラノベやマンガぽさが強い。成田良悟『バッカーノ!』風な印象。好き。

    松崎有理「イヴの末裔たちの明日」
    近未来の技術的失業。リアルなテー

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    2019年11月17日