久永実木彦のレビュー一覧

  • 時を歩く 書き下ろし時間SFアンソロジー

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    時間SFのバリエーションが分かるアンソロジー。タイムトラベルものの「未来への脱獄」だけではなく、ある未来の時刻に到達するまでの時間を延ばす「時は矢のように」や「Too Short Notice」、小説を通じて異なる人が同じ他人の足跡をたどることで時間が繰り返されると自分は解釈した「ABC巡礼」、冷凍睡眠でAIと一緒に時を超える「ゴーストキャンディカテゴリー」など、様々な切り方があって、普段はあまり時間SFを読まないのだけど、楽しめました。

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    2026年04月02日
  • わたしたちの怪獣

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    ネタバレ

    なんて素晴らしい作品なんだろう。
    SFヒューマンドラマ、と言えば良いのか。
    とにかく、SFなのに現実的。
    非現実の中に巻き込まれているのに、自分に関わる狭い範囲の事に悩んで苦しんで、乗り越えようとする。
    怪獣が現れようと、ゾンビや吸血鬼が現れようと、目の前にある生命の危機、世界危機よりも、自分の中の悩みを見続けている。
    まさに、現実から逃げるのではなく受け止めようとしている。世界の異変なんて些細なことでかのように。

    世の中でどんな未曾有の事態が訪れようと、実際に自分が体験をしないと分からない。目の前で死に直面する時まで、実感することはできない。
    世界が壊れ始めても、まず自分自身の悩み苦しみ、

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    2026年02月21日
  • 雨音

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     ネタバラシにはならないよう気を付けますが、私の文章を読んでいる暇があるなら、ぜひ作品を読みましょう。傑作です。

     人口三万人程度の閑静な住宅街にある奥石大学で発生した銃乱射事件。教員、学生合わせて31名の命を奪った無差別大量射殺事件によって、映画同好会〈幻燈〉の部員だったスミヒコの人生も一変する。映画同好会の仲間たちを事件で失い、その場にいて生き延びた友人も重傷を負ったこの事件を記録に残しておきたい、と迷いはありつつもスミヒコはドキュメンタリー映画の制作を考えるようになる。そんな折、大学で行われた追悼式で、深紅の女優帽を被った女性の姿がスミヒコの目に留まる。不適切な美しさを持った彼女がその

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    2026年01月28日
  • 七十四秒の旋律と孤独

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    ネタバレ

    別の本で久永さんの存在を知り、文章がとても好きなので本書を手に取りました。

    やはり文の調べが美しく、大好きです。

    胸が苦しくなるようなストーリーでもあるのですが、世界観にうっとりする気持ちのほうが勝ります。

    最後は泣いてしまいました。

    何度も読み返したくなるような本です。

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    2025年04月05日
  • 七十四秒の旋律と孤独-Sogen SF Short Story Prize Edition-

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    SFアンソロジー。発想の広さというか、着想の深さはSFという括りであるのに遥かに純文学を凌駕している。

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    2022年04月30日
  • 雨音

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    ネタバレ

    前作『わたしたちの怪獣』がとても素晴らしかったので、新刊をすぐに読んだ一冊。
    とても重く、考えさせられる内容なのに、どこか愛おしさを感じるストーリーだった。
    親の不条理によって心を壊し、銃乱射事件を起こしてしまった兄・アオと、その妹・ベニの物語。ベニは事件の遺族や様々な人々と関わりながら、少しずつ人間らしさを取り戻していく。
    先の読めない展開に引き込まれ、特にベニがだんだんと年相応の女の子らしくなっていく過程に強い愛おしさを感じた。
    架空の設定でありながら、作者が伝えたい想いがしっかりと心に届くのが久永さんの強みだと思う。
    重いテーマを丁寧に、しかし優しく描く力量に改めて感動した。
    今後もこの

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    2026年05月24日
  • 雨音

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    読み終えて表紙を見返してはため息。
    ベニちゃん…

    1Qさんの本棚からどーしても読みたくてリクエストで取り寄せた一冊です。
    言わせられてる感がしますが、紛うことなき真実です。

    久永さんは1Qさんに教えて頂いて『わたしちの怪獣』がツボにハマった作家さんで、新作を楽しみに待っておりました(その割に出てるの知らなかったけど)

    なんかね、今回は優しさが滲み出てる文体なんですよ。
    作中にも例として出てますが、マイケル・ムーア監督の『ボーリングフォーコロンバイン』のようなドキュメンタリー映画を作ろうとする話です。この映画をご存知の方は、どんな事件のドキュメンタリーかは察しがつくと思いますが、これがオー

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    2026年05月13日
  • 雨音

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    ネタバレ

    ものすごく切なく余韻が残る作品
    終始、重い雰囲気が漂うのに読みやすい
    ただ、銃乱射事件の詳細が思ってる以上に生々しくって、ちょっと目を逸らしたくなった
    途中、ほのぼのするシーンもあったけれどそれが結末の悲しさを際立たせていていてなんだか引きずりそう

    色々と悲しいところはあるけど、一番辛かったのは親友のフジオが自死してしまったところ
    あれは誰も悪くない気もするし、やっぱりスミヒコとキミドリの配慮が足りなかったからなのか
    原因は分からないけれど、フジオはベニを見ておそらく銃撃犯と何かしら関係あるのかもと気づいてしまったのか?

    それに気づけない親友(スミヒコ)がやってほしくもない気遣いをしてくる

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    2026年04月19日
  • 七十四秒の旋律と孤独

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    とても美しく、まとまりがある物語だった。
    ピュアなマ・フに対して人間の負の側面である暴力性などの醜さが際立ち、心が痛かった。最後の章で若い巫女がかつてのマ・フのような真っ直ぐな気持ちで生きて、それがしっかりと報われたことでこちらまで救われた思いがした。
    SFというよりは、SF的な単語が出てけるだけの物語メインの小説であった。話は本当に面白かったが、各キャラクターが典型的で画一的な感じもしたので惜しいなとも感じた。

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    2025年10月03日
  • 七十四秒の旋律と孤独

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    ネタバレ

    出てくるロボに愛着が湧いてくるゆえに、人間が愚かしくてごめんねという気持ちになった どうしたらいいんだろうね人間
    人間がやり直すにはいったん全部破壊しなきゃダメなんだ……でも歴史はやっぱり繰り返すんだ……という思想(?)は、自分がよく読む萩尾望都のSFチックな作品にも似ていると感じるので、自分もうっすらそう思ってるんじゃないかという問いを発見した。

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    2025年08月09日
  • わたしたちの怪獣

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    『わたしたちの怪獣』『ぴぴぴ・ぴっぴぴ』『夜の安らぎ』『アタック・オブ・ザ・キラートマトを観ながら』の4本の短編が収録されたSF短編集。

    この作者には初めて触れたが、どの作品も読み心地が良くて他の作品も読んでみたくなった。
    良い意味で既視感があるというか、具体的にこの作品とは言えないんだけど、昔観たような読んだようなそういう既視感を感じた。勿論、読んでいて「ああ、このシーンはあの映画っぽいな」って要素も多いのだが、それに合わせて記憶の中のノスタルジーというか、ありそうでない、なさそうであるみたいな作品を作るのが上手いのかもしれない。

    他の人のレビューにはSFじゃなくてファンタジーなんて意見

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    2025年08月07日
  • わたしたちの怪獣

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    キングも村上春樹も好きだったので読んでみたけど、まったくもって当たり前のようにキングとも村上春樹とも違う小説だということに気がつかずに読みはじめてしまい少し反省しました。映画とかドラマとかだったら面白かったかも。

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    2025年06月29日
  • わたしたちの怪獣

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    ネタバレ

    困った、これは面白かった。

    表題作はスケザネさん紹介をきき
    「B級映画みたいで笑えそう」と(失礼ながら)
    興味本位で買って読み始めた。

    けれど、ぴぴぴ・ぴっぴぴを読み
    (これも失礼ながら)キャッチーなSFだけでなく、繊細な五感を振るわせるような
    SF小説を書かれる人だと惹き込まれました。

    4作品の中で特に
    ぴぴぴ・ぴっぴぴが好きで、
    これはまた読み直したい。

    ドラキュラもよかった、し
    ゾンビは普段あまり惹かれないが
    星乃さんの映画連想ラリーのキレが良すぎて
    楽しくて一気に読みました。
    「わかるでしょう?わたしはこういう連想でしか、ものごとを考えられないの」最高。
    『アタックオブザキラー

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    2025年06月25日
  • わたしたちの怪獣

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    怪獣、タイムリープ、吸血鬼、ゾンビというSF的にありふれたお題でありながら、しっかりした世界観と魅力的なキャラクターたちによってどの話も引き込まれた。次に作者は既存のテーマをどう料理するのか、また新しいテーマをどう提示してくるのかとても楽しみだ。

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    2025年05月17日
  • わたしたちの怪獣

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    一話目が1番好きだ
    どれもアイディアだけではなく、SF服の工夫があるように思う。
    この著者の作品をまた読んでみよう

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    2025年04月27日
  • わたしたちの怪獣

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    噂に違わぬ傑作短編集でした。いやー面白かった!

    特に良かったのは表題作「わたしたちの怪獣」とラスト「『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を観ながら」。前者はおそらくシン・ゴジラにインスピレーションを得た作品だと思いますが、元の作品より破滅的な現実と向き合う市井の人に焦点を当てた構成が実に見事。救いのありそうなラストに思わせてからの現実は甘くないというオチも非常に良かったですね。そして後者は映画のオマージュを散りばめた作品となっており、映画好きならニヤリとするシーンばかり。と言っても表題作の元ネタを見たことがなかったので全力で楽しめたかというと怪しんですが、それでも虚構と現実を対比しながら、荒

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    2025年03月31日
  • わたしたちの怪獣

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    星雲賞の表題作を含めクオリティーの高いSF幻想ホラー短編集。怪獣、歴史改変、吸血鬼、ゾンビ…ゾクゾクするテーマ、魅力的な登場人物、シュールな展開、どれも好み。非現実的世界に救いを求める主人公たちの行動は胸を打ち、ラストが印象的な4編。中でもゾンビ映画へのオマージュ「『アタック・オブ・ザ・キラートマト』を観ながら」はツボだった。

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    2025年03月13日
  • わたしたちの怪獣

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    書店であらすじを読んだ時点からワクワクが止まらなかった本。4話からなる短編集で、それぞれ怪獣、タイムマシン、吸血鬼、ゾンビ(キラートマト?)を描いています。どこかコミカルでシリアスで、かつユーモアに富んだお話になっています。あとがきも面白い。

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    2025年03月08日
  • 七十四秒の旋律と孤独

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     表題作にある七十四秒とは、ワープの際に人間が知覚できない空白の時間をいう。そして、マ・フとよばれるヒト型の人工知性が襲撃者から宇宙船を守っていた。

     表題作は、そのマ・フの最初で最後の戦闘と彼のもつ密かな願いを描いている。第8回創元SF短編賞受賞作で、リリカルであり意表を突く結末が待っている。ちなみに作者は愛猫家だそうだ。

     そして連作長編になるマ・フ クロニクルは、惑星Hを舞台に8体のマ・フと人類の末裔たちとの関係を描いている。
     最後はやはりそうなるのか。そして人間は宗教(神だのみ)に走る。 

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    2024年02月18日
  • 七十四秒の旋律と孤独

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    『七十四秒の旋律と孤独』は再読。
    印象に残っていた。
    クロニクルはA.Iのこれからを考えるときにありそうな未来かなあ。

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    2024年01月14日