トーマス・フリードマンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最悪のシステムの中の最善のシステムである、資本主義について、情報技術によってますます加速し、変容をしていく先に何が待っているのか。2019年の断面で7名の経済学者が未来を予測した書
キーワードは以下です。
米中の対立
資本主義の修正と変容
富の再配分
人工知能の発達と普及、そして雇用への影響
目次
プロローグ 「未完」のその先を求めて
Chapter1 ポール・クルグマン 我々は大きな分岐点の前に立っている
Chapter2 トーマス・フリードマン 雇用の完新世が終わり、人新世がはじまる
Chapter3 デヴィッド・グレーバー 職業の半分がなくなり、どうでもいい仕事が急増する
Chapter4 トーマス・セドラチェク 成長を追い求める経済学が世界を破壊する
Chapter5 タイラー・コーエン テクノロジーは働く人の格差をますます広げていく
Chapter6 ルトガー・ブレグマン ベーシックインカムと1日3時間労働が社会を救う
Chapter7 ビクターマイヤー=ショーンベルガー データ資本主義が激変させる未来
エピローグ 加速する世界の中で
ISBN:9784569843728
出版社:PHP研究所
判型:新書
ページ数:204ページ
定価:900円(本体)
発売日:2019年09月27日 -
Posted by ブクログ
2001年から2016年に世界におきた、イノベーションとグロバリゼーションが世界に与えたものは何かをよく考えようというのが読者への投げかけです。
854頁におよぶトーマス・フリードマンの大作、読みでがありました。
下巻は、地政学的見地から世界の変化を考察するところから、コミュニティの重要さまでを描きます。
結論は、こうです。
「アメリカの悪いところは、無数のコミュニティ、田園地帯、都市部の多くが崩壊していることだ。
しかし、いまのアメリカの良さは、団結して、市民が自分の将来に責任を持てるようにスキルとチャンスを得るのを手助けしているコミュニティや地域も、無数にあることだ。
強権をふるう男ではなく、強力なコミュニティのみが、アメリカを再び偉大にする」
歴史のブレークポイントは、3つ
2001年 グランドゼロ
2007年 デジタル・テクノロジー
2008年 リーマンショック
グローバリゼーションと、テクノロジー、気候変動の同時進行が、中流を支えてきた、高賃金で中スキルの仕事が、高賃金で高スキルの仕事と、低賃金で低スキルの仕事に二分されていく。それが個人のスキルの習得や、社会の制度の変化に追いつかない状況で起きていくといっています。
下巻で気になって点は、次の通りです。
・第二次世界大戦からベルリンの壁崩壊までの期間は、信じられないような経済的平穏期間だった。ために、政治にも平穏を安定をもたらした。あらゆる人々を受け入れ、移民になることが容易だった。
・崩壊しかかっている国はほとんどといっていいほど、国境が直線になっている。19世紀の版図か植民地だったためで、民族、宗教、人種、部族とは無関係に国境が引かれ地形すら考慮されていないからだ。
・アラブの春は、スマホのソーシャルメディアに大きな潜在力があることを明らかにしたが、同時に大きな弱点も暴かれた。ソーシャルメディアでは意思の統一ははかれない。
・リーダシップが誕生するまでの期間を短縮することはむずかしい。シャルル・ドゴール、ドワイト・アイゼンハワー、ジョージ・ワシントンは、もがき、倒れ、起き上がっては連合を1つづつ積み上げて指導者になり、偉人になった。
・ロシアや、中国がサイバー攻撃という非対称戦を実行したのは、ほとんどコストがかからないため、西側では個人が法的に保護されているが、ロシアでは、メディアが規制されているので情報が広い範囲に行き渡るのを防げる
・愚かな人間の行為を浄化できるのは、母なる自然しかない。
・両親は私が幼いころから、人種差別主義者にならないよう私に教えたが、言葉でそう導いたわけではなかった
・アメリカ史としてみんなが陶酔していた最高の時代とは:公共政策と政治がうまく機能しつづけ、排他的でない政治が行われるためには、パイの拡大が欠かせない。収入格差が縮まり、繁栄が共有されて高い成長と高い平等がもたらされた。
・愛着をもって区域と結びつき、社会で私たちが属しているその小さな集団を愛することは、公共への情愛の起源である。
・彼らが信頼を示そうとする前に、私のほうから信頼を示すのです。
・だれもが、自分の習慣をまもってよいが、その根底にある特定の価値観、女性、法の支配、さまざまな宗教、公的機関、コミュニティの空間をどう扱うか をゆるがせにしてはならない。
・ヨーロッパの多くの国では移民をその国の主流の文化に溶け込ませるのに失敗したために、高い代償をはらった。分離したり、隔離したりする未来よりも、共有する未来の方がのぞましい。それには、信頼を打ちたてることがもっとも重要なのです。
・加速の時代には、学校とその後の人生で、だれもが、腕をあげなければならないということだ。そのためには、もう取り残される子供がいる状況を見過ごしている余裕はない。
・思いやりのある大人やメンターが若者にとって死活にかかわるくらいに重要だということだ
目次は以下です。
<上巻>
Part1 熟考
1 遅刻してくれてありがとう
Part2 加速
2 2007年にいったいなにが起きたのか?
3 ムーアの法則
4 スーパーノバ
5 市場
6 母なる自然
Part3 イノベーティング
7 とにかく速すぎる
8 AIをIAに変える
<下巻>
9 制御対混沌
10 政治のメンターとしての母なる自然
11 サイバースペースに神はいるか?
12 いつの目もミネソタを探して
13 故郷にふたたび帰れる(それに帰るべきだ)
Part4 根をおろす
14 ミネソタから世界へ、そして帰ってくる
<その後>それでも楽観主義者でいられる -
Posted by ブクログ
2001年から2016年に世界におきた、イノベーションとグロバリゼーションが世界に与えたものは何かをよく考えようというのが読者への投げかけです。
854頁におよぶトーマス・フリードマンの大作、読みでがありました。
上巻は2007年のテクノロジーのブレークポイントから、変化に翻弄される社会や人々を描きます。
結論は、こうです。
「アメリカの悪いところは、無数のコミュニティ、田園地帯、都市部の多くが崩壊していることだ。
しかし、いまのアメリカの良さは、団結して、市民が自分の将来に責任を持てるようにスキルとチャンスを得るのを手助けしているコミュニティや地域も、無数にあることだ。
強権をふるう男ではなく、強力なコミュニティのみが、アメリカを再び偉大にする」
歴史のブレークポイントは、3つ
2001年 グランドゼロ
2007年 デジタル・テクノロジー
2008年 リーマンショック
グローバリゼーションと、テクノロジー、気候変動の同時進行が、中流を支えてきた、高賃金で中スキルの仕事が、高賃金で高スキルの仕事と、低賃金で低スキルの仕事に二分されていく。それが個人のスキルの習得や、社会の制度の変化に追いつかない状況で起きていくといっています。
上巻で気になって点は、次の通りです。
・人生で恐るべきことはなにもない。理解する必要があるだけです。
・相手の遅刻のときに、熟考できる。だから、遅刻してくれてありがとう。立ち止まって、熟考しよう。
・2007年におきたイノベーション、スマホ、クラウド(VMware),Hadoop,キンドル、インテルのMPUへ非シリコン素材への適用等、技術のブレークスルーが2007年に起きている。
・ムーアの法則、Hadoopのおかげで、非構造化データを一元的に整理できるようになった
・スーパーノバ:クラウド、高速通信、ビッグデータ、AI。
・情報集約的なプロセスをデジタル化することで最大90%のコストが削減できターンアラウンドタイムが数桁改善されうる。世界の相互依存が高まり、ビジネスの創造者と破壊者のどちらにもなれうる。
・気候変動と、人口の爆発的増加、グローバル経済に環境ショックで対応している。
・ますます加速する社会、テクノロジーに、人々や政府が順応し管理する能力の間には大きなギャップがうまれてしまった。それを乗り切るためには、環境の変化の速度以上に速くすすむようにパドルをこぐことだ。
・AIによって奪われる仕事もあるが、あたらしく生み出される仕事もある。
①ミドルクラスの仕事は急速に引き上げられ、高度化している。
②ミドルクラスの仕事は、急速に引き離されている
③あらゆる仕事が急速に引っ張り合いになっている
④あらゆる仕事が急速に引き下げられている
・科学・テクノロジー・エンジニアリング・数学 この4つのスキルがいまでは必要最低限になりました。
・(業務)システムは全体として人々を取り込むのではなく、除外するように設定されている。ために、基本的な仕事すら適格でない求職者が殺到し、被雇用者は自分が求職しているのがどういう仕事かわかっていない。
・加速の時代に、仕事の世界で知的アルゴリズムが極めて重要である。
目次は以下です。
<上巻>
Part1 熟考
1 遅刻してくれてありがとう
Part2 加速
2 2007年にいったいなにが起きたのか?
3 ムーアの法則
4 スーパーノバ
5 市場
6 母なる自然
Part3 イノベーティング
7 とにかく速すぎる
8 AIをIAに変える
<下巻>
9 制御対混沌
10 政治のメンターとしての母なる自然
11 サイバースペースに神はいるか?
12 いつの目もミネソタを探して
13 故郷にふたたび帰れる(それに帰るべきだ)
Part4 根をおろす
14 ミネソタから世界へ、そして帰ってくる
<その後>それでも楽観主義者でいられる -
Posted by ブクログ
【高速回転のコーヒーカップの中心で】テクノロジー,市場,気候変動という3つの要素が著しく加速傾向を見せ,もはやかつての暮らしに戻ることのできない世界をどう生き抜くかを説いた作品。絶え間なき変化の必要性と根強いコミュニティの安定の重要性を軸として筆が進められています。著者は,『フラット化する世界』等の著作で知られるニューヨーク・タイムズ紙のコラムニスト,トーマス・フリードマン。訳者は,これまで著者の翻訳を多数手がけてきた伏見威蕃。原題は,『Thank You for Being Late: An Optimist's Guide to Thriving in the Age of Accelerations』。
もちろんアメリカの読者が一義的には想定されているのですが,同時代に生きる人であれば,読んで損はまずないであろうと思える一冊でした。歴史の転換点としての2007年というのは説得力がありましたし,ミクロのレベルから社会が力強くあるという方向性にも,アメリカ的な魅力を強く感じました。
〜本書執筆の旅で私が学んだもっとも重要な個人的,政治的,哲学的教訓は,もっと枝分かれしろと世界に要求されればされるほど,私たちはいっそう,信頼という表土に根をおろさなければならないということだった。信頼こそが,すべての健全なコミュニティの基盤なのだ。私たちは表土から栄養をもらっているのだから,表土に栄養をあたえなければならない。〜
読みやすい翻訳もお見事☆5つ
※本レビューは上下巻を通してのものです。 -
Posted by ブクログ
フラット化する世界下巻では、フラット化に対する企業、個人、政治の反応、そして「イマジネーション」の重要性を説いている。
ほとんどの仕事がコモディティ化されてしまい、どこへでもアウトソーシングできるようになった今、企業のバリュー創出の難しさとそれへの対処法が大変納得のいくものであった。
個人の章では、個人の情報が氾濫していく中、一度の悪行がサイバースペースに永遠に残ってしまう危険性の記述があった。
「チャンスは一度きり」
私たちは常に正しい行いをし続けなければいけない事がよくわかった。
下巻の特に政治の話の中では安価なコミュニケーション、共同作業を可能にしたツールがビジネスマンだけでなくテロリストに対しても力を与えている事についての記述が目立る。9/11が日本人にとってもはや遠い昔の事になってしまった今もアメリカ人の心の深い所にとどまり続けているのがよくわかる。アルカイダの脅威に無頓着な自分にとってはあまり興味がもてるものではなかった。
本書を読むとフラット化した世界で生きて行くためには、自由な「イマジネーション」が必要なのがよくわかる。
豊かな「イマジネーション」の為には過去ではなく夢の話ができるような環境作りが大切だという。
日本の場合でも昨今漂う閉塞感打破の為には必要なことではないかと感じた。
フラット化する世界は現代の解説書のみならず、最高の自己啓発本であった。
下手な精神論ばかりを語る自己啓発本を読むのなら、本書を読むことをお勧めする。
グローバル化が壁を打ち破ったおかげで、我々はインド人、中国人、世界中の人々と同じ競技場で戦わなくてはいけなくなった、。
「大変な世界になっちゃったな。」というのが正直なところだ。
しかし、本書を読むとフラット化後の世界において個人の可能性は無限大である事に希望が持てる。
明日の世界が楽しみになる本である。 -
Posted by ブクログ
主に第二部のアメリカがグローバリゼーションにどう対応していくべきが中巻の大半を占めているが、一番最初の第4章の内容がすばらしい。
デルはどこの会社であるか?
一昔前ならアメリカとすぐさまこたえれただろう。
しかし、製造地、消費地、資本の基などが多国籍である企業の国を中心とするアイデンティティーをどこに置くのかが難しくなっている。
ユニクロが中国などで製造、さらに販売までも行っている事に旧世代の人々は批判する。「日本から職を奪っている」と。
しかしグローバル化が進む中、企業が生き残っていくためにはもっとも安い労働力をつかって、もっとも需要がある市場に投入すべきなのである。
ユニクロはもはや日本企業ではない。
日本企業などあと10年したらなくなるのかもしれない。
本書を読んでそう思った。
第二部はアメリカがどう生き残っていくべきかを説明していたが、日本の場合も当てはまることが多々あると感じた。
デジタル化の時代、理系の人材育成はアメリカだけでなく日本の発展にも絶対必要なことであろう。
教育はイノベーションを生む。イノベーションは雇用を生むので、日本の利益になるのだ。
さらに、ミドルクラスの労働者は今以上に勉強を怠らずに、努力をし続けなくては、生き残れないと言う言葉が心にひびいた。
インド人中国人との激しい競争生き残るためにさらに勉強していこうと思う。 -
Posted by ブクログ
色んな視点があって面白い。
現代社会を憂えている点では一緒。
個人的には、フリードマン、グレーバー、ブレグマン、ショーンベルガーの思想にかなり共感を覚えた。それぞれの著書を読んで、より詳しく勉強しようと思う。
以下、個人的なメモ(ネタバレ?)
ポール・クルーグマン
富の集中は防がなければならない。
資本主義による経済不平等をどこまで是正するか。政治の話。
トーマス・フリードマン
「Average is Over」格差拡大で、平均的では不十分で、常に平均以上になることを志向しなければならない。
「creativity,collaboration,comunity,coding」が必須スキルになる。
加速化する時代に生き残るには「生涯学習者」になる能力が、最も重要。
デヴィッド・グレーバー
「Bullshit Jobs」意味のない仕事をしていると実感している人が多い。
仕事が社会に貢献している割合と、貰ってる報酬が逆相関になっている。
トーマス・セドラチェク
経済学の誤り。数字で計算出来るものだけを考えていること。
長期的な成長が前提であること。意思あるものが多くを取り、意志のないものは少なく取る傾向を前提にしていること。
タイラー・コーエン
中間層の凋落の原因は孤独。人と触れ合うコミュニティが減っている。
ルドガー・ブレグマン
歴史の中で何度もユートピアを現実となっている。奴隷制の廃止、民主主義、男女の権利平等、福祉国家の権利。
GDPの成長は必ずしも幸福を意味しない。この富をどう活用するか?
テレビの視聴時間が長いのは労働時間の長い国。本当に疲れてる時に余った時間を使えるのはテレビぐらい。
より多くの人がボランティア活動に従事し、子供やお年寄りの世話、作曲や芸術活動に携わるのは、労働時間が短い国。
働く時間を短くするべき=ベーシックインカム。
高給の仕事は、富を動かしているだけで、新しい価値はほとんど生み出さない。銀行業、シリコンバレー、管理職。
ビクター・マイヤー=ショーンベルガー
データ納税。