末國善己のレビュー一覧
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ネタバレ「恐ろしき四月馬鹿」「河獺」「画室の犯罪」
「広告人形」「裏切る時計」
「山名耕作の不思議な生活」
「あ・てる・てえる・ふいるむ」「蔵の中」
「猫と蝋人形」「妖説孔雀樹」「刺青された男」
「車井戸は何故軋る」「蝙蝠と蛞蝓」
「蜃気楼島の情熱」「眠れる花嫁」
「鞄の中の女」「空蝉処女」
前半はノンシリーズ。色んなテイストの話があって良い。ただ三津木俊助とかシリーズ探偵が出てくるとちょっと安心する。「車井戸は何故軋る」「蜃気楼島の情熱」が好き。「車井戸〜」は特に良く出来ていて感心する。
短編に出てくる金田一耕助は長編とちょっと雰囲気が違いこちらも好き。 -
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スクールとして開催された既存のマテリアルを編集した(だけの)もので、空白やら行間やら書影やらでページもスカスカなのに、この値段?さすがにちょっとアコギなのでは…。せめて、各アンケートについて、講師それぞれがコメントするとか、何らかの追加があっても良くないか?あと、目次に作品・作家の名は載っていないにも関わらず、巻末にも索引無し…。これは完全に瑕疵です。って文句ばっか言いながら、それなりに高い評価をしているのは、ブックガイド、中でもミステリのものが単純に好きだから。そして気になった作品も多く、下記のごとし。
福家警部補の挨拶
あと十五秒で死ぬ
天使のナイフ
ロストケア
坂の途中の家
希望が死んだ夜に
百万ドルをとり返せ
推定無罪 シンプルプラン
イヴリン嬢は〜
僕が殺しました7
殺人依存症
地図と拳
あの子とQ -
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「木枯らし紋次郎ミステリー傑作選」と題してあるが、ミステリー色は薄め、サスペンスやハードボイルドの要素の方が濃いが、個人的に好みの作品ばかりで楽しめた。
紋次郎は貧しい農家に生まれ、生まれてすぐに間引きで殺されそうになったところを姉に救われるという過去を持つ。
つまり紋次郎は『生まれて来なくてもいい人間だったのだ』。今の時代なら生まれて来なくてもいい人間などいない、と言いたいところだが、彼は堅気の人間としての暮らしを許されず、渡世人として生きてきた。
紋次郎の決まり文句『あっしには関わりのないことでござんす』とは何も無責任に突き放しての意味ではない。
関わりを持つということは相手のことにも責任を持つということ。だが紋次郎の肩には自分一人分の責任しか背負うことは出来ない。
旅から旅への旅烏、どんな人にもモノにも決まりにも縛られないということは、裏を返せば誰にも頼れず自分一人で解決し乗り越えるということだ。孤独も、他人からの非難の目も哀しみも虚しさも一人で噛み締めるしかない。
いつの世も、権利は振りかざすがそれに伴う義務は果たさない、自由は声高に訴えるがそれに伴う責任からは逃れようとする人間がいるが、紋次郎は自由を手にする代わりにそれに伴う孤独も享受し、決まりにしたがわない代わりにどんな権利も主張しない。ただ道を駆け抜けるだけだ。
そこが長年愛されるキャラクターの理由かも知れない。
そんな紋次郎も時には内面の揺れも見せる。
幼なじみを信じて罪を被り流罪にされたり、『堅気の人々の暮らしを、羨ましく感』じ、『どこかに、落ち着いてみたい』と思ったり、ついには請われて『足を洗って、百姓になりきる』ことを夢見たり。
だがそんな紋次郎の束の間の夢は残酷に引き裂かれる。何かあれば一番に疑われるのが渡世人、無宿の人間なのだ。
結局は『誰にも心を許さず、人を信じることなく、ただひとり死ぬときが来るまで生きる』しかない。
冒頭にミステリー色は薄めと書いたが、中には面白い趣向のものもあった。
七人の飯盛女たちと共にハーレム状態で山越えをするものの、一人ずつ死んでいく変則的クローズドサークルものがあったり、沢山の親分衆の前で名探偵よろしく推理を披露する場面があったり、ちょっとした入れ替えものがあったり。
このシリーズは題名が良い。
「赦免花は散った」「流れ舟は帰らず」「女人講の闇を裂く」「大江戸の夜を走れ」「笛が流れた雁坂峠」「霧雨に二度哭いた」「鬼が一匹関わった」「旅立ちは三日後に」「桜が隠す嘘二つ」「明日も無宿の次男坊」
渋い題名を読むだけでワクワクする。
そして紋次郎のトレードマークである楊枝の使い方も毎回印象的。時に隠し事を暴き、時に人の迷いを振り払い、時に人の心を表す。
またいつもは上州、武州を中心に旅をしているが、最終話では尾張まで足を伸ばしているのが新鮮だった。『紋次郎、お伊勢参りをする』なんて話があったら面白い。 -
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泡坂妻夫は今となっては懐かしい「幻影城」でお目にかかって以来のファン。現代ものは登場人物の言い回しとか、情景描写とか、いつの時代?という古臭さを感じさせて、しかもそれが作品の魅力だったりする。
時代物は文句なく大好き!無理目な展開やトリックがあるが、それもご愛敬。江戸の言葉、季節の風物着物の柄すべて丁寧で、読んでいるのが心地よい。
表題にもなった『夜光亭の一夜』は手妻師浮城はあの人の…と想像が膨らむ。
心がざわついてしまう時に短編一つ読んで寝ようかなと手に取る一冊。
唯一気に入らないのが表紙。辰親分、もうちょっといい男のイメージなんだけど。せっかくの森美夏さんなのに。 -
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春田龍介君は中学2年生ながら、学校中での秀才、頭の良さと言ったら、先生でも時々、彼の質問には答えにつまるくらいだった。
そんな龍介君が弟子となった拳骨(メリケン)壮太と共に悪漢に立ち向かう。
物理博士の父が開発した無燃料エンジンの機密を盗む黒襟飾組、白堊館で起きた射殺事件、潜水艦の失踪、黄色ダイヤの頸飾の盗難、黄色毒矢を放つスパイとの対決、満州での匕首党との猛攻
解説によるとこの本は山本周五郎氏が売れる前に「稼ぎ原稿」として書いたものとのこと。
中学生が拳銃を所持して車で走り回る、なんて荒唐無稽なことが描かれてるけど、少年探偵団に焦がれた私としてはハラハラドキドキで楽しかった。
さすが!
龍介君はちょっと鼻につくけど、メリケン壮太の奮闘や妹の文子ちゃんの頑張りで相殺?
スパイとの攻防戦で彼が必死になってく様子も熱い。満州での暴れっぷりはやり過ぎな気も。
スパイものより、首飾りの盗難とか射殺事件の方がホームズっぽくて好きかな。 -
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柴田錬三郎の連作時代小説『花嫁首 眠狂四郎ミステリ傑作選(英題:Head of the Bride)』を読みました。
柴田錬三郎の作品は3年半くらい前に読んだ『御家人斬九郎』以来なので久し振りですね。
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時代小説の大家が贈る、孤高の剣士の名推理
異色の探偵の活躍を描く珠玉の21編
ころび伴天連(バテレン)の父と武士の娘である母を持ち、虚無をまとう孤高の剣士・眠狂四郎。
彼は時に老中・水野忠邦の側頭役から依頼を受け、時に旅で訪れた土地で謎と遭遇して、数々の難事件を解決する名探偵でもあった。
密室状態にある大名屋敷の湯殿で、奥女中が相次いで不可解な死を遂げる「湯殿の謎」。
寝室で花嫁の首が刎(は)ねられ、代りに罪人の首が継ぎ合せられていた「花嫁首」。
時代小説の大家が生み出した異色の名探偵が奇怪な事件に挑む、珠玉の21編を収録する。
解説=末國善己
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眠狂四郎シリーズの中から、密室殺人・呪われた屋敷・山中の怪異・重要書類の消失・雪の密室・首切り殺人などに眠狂四郎が挑む、バラエティに富んだミステリ作品を21篇収録した一冊です。
■雛の首
■禁苑の怪
■悪魔祭
■千両箱異聞
■切腹心中
■皇后悪夢像
■湯殿の謎
■疑惑の棺
■妖異碓氷峠
■家康騒動
■毒と虚無僧
■謎の春雪
■からくり門
■芳香異変
■髑髏屋敷
■狂い部屋
■恋慕幽霊
■美女放心
■消えた兇器
■花嫁首
■悪女仇討
■編者解説 末國善己
時代小説の大家が生み出した、孤高の剣士・眠狂四郎……彼は時に老中・水野忠邦の依頼で、時に旅先で謎を解決する名探偵でもある! 異色の探偵の活躍を描く珠玉の21篇を収録。
記念すべきシリーズ第1話で狂四郎と金八の出会い等のシリーズの基本設定が描かれる『雛の首』、狂四郎の出生の秘密が明かされる『悪魔祭』が収録されていて、シリーズの全体像が掴みやすい構成でした……個人的には過去に住んだことのある、西宮の甲山を舞台にした『皇后悪夢像』や岡山を舞台にした『悪女仇討』(『眠狂四郎炎情剣』として1965年(昭和40年)映画化)も興味深かったですね。
面白かったのは、やはりミステリ色の強い作品、、、
家康自筆の天照大御神の絵を3点見つかり、その真贋を狂四郎が見抜く『家康騒動』、
雪の降った日、土蔵の扉に手を掛けたまま背中を刺された刺青師の弥太兵衛が見つかり、土蔵の中には縛られた女しかおらず、雪の上には弥太兵衛の足跡しかなかったという事件の謎を狂四郎が追う『謎の春雪』、
唐鐸奉納の正使である掌侍が茶亭で過ごしている間に、貴賓座敷にある白木箱の中から唐鐸が消えた謎を狂四郎が追う『からくり門』、
三千石の旗本が湯殿の中で刺殺され、兇器が見当たらない奇妙奇天烈な事件の謎を狂四郎が追う『消えた兇器』、
三河譜代の名門・加倉井家の婚礼で、花嫁が首をはねられて殺された奇怪な事件を狂四郎が追う『花嫁首』、
あたりが印象的だったかな……バラエティに富んだ作品が並んでいますが、21篇も続けて読むと、少し飽きちゃいますねー 意外とバカミス系やエロ系も多かったですね。