末國善己のレビュー一覧

  • 周五郎少年文庫 少年間諜X13号―冒険小説集―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    (山本周五郎ファンではなく、少年小説好きの感想です)
    表題作「少年間諜X13号」に感じる寒々しさ、一種の凶気は果たして意図的な皮肉なのだろうか。
    それとも「"時代の熱狂"」に流されたものなのだろうか。

    「少年間諜~」では少年兵たちが自らの命を捨てて戦う。
    主人公率いるのは死を厭わない少年兵だけの部隊だ。
    「一人残らず死ぬんだ」は主人公が仲間を鼓舞する言葉である。
    また後年「特攻」と呼ばれる、捨て身決死の戦術も描かれる。
    狂気と熱気。愛国ありきの理不尽と無茶。始終それが続く。

    「でも戦前ならそんな感じなのでは…?」と思われるかもしれないが、本作とほぼ同年(昭和9年)に書か

    0
    2023年09月10日
  • 櫛の文字 銭形平次ミステリ傑作選

    Posted by ブクログ

    「野村胡堂」の連作時代小説『櫛の文字 銭形平次ミステリ傑作選(英題:Letters On a Comb)』を読みました。
    ここのところ、時代小説が続いています。

    -----story-------------
    捕物帳のスーパーヒーロー、謎に立ち向かう!
    なぜ、犯人はわざわざ櫛に暗号を彫ったのか?

    神田明神下に住む、凄腕の岡っ引「銭形平次」。
    投げ銭と卓越した推理力を武器にして、子分の「ガラッ八」と共に、江戸で起こる様々な事件に立ち向かっていく! 
    暗号が彫られた櫛をきっかけに殺人が起こる『櫛の文字』。
    世間を騒がす怪盗・鼬小僧の意外な正体を暴く『鼬小僧の正体』。
    383編にも及ぶ捕物帳のス

    0
    2022年03月15日
  • 菖蒲狂い

    Posted by ブクログ

    「若さま侍捕物手帖」から厳選した25篇を収録。
    あらすじにもある通り、確かに捕物帖の中でも「墨の老人」方式を発展させた話の作りです。素性の不明な「若さま」が事件の内容を聞いただけでフラリと解決しちゃう。

    25篇中、タイトルにもなった「菖蒲狂い」と「亡者殺し」辺りが好みですね。どれも捕物帖なのでコンパクトに纏まってて手軽に読めるのも良かった。

    0
    2020年11月29日
  • 花嫁首 眠狂四郎ミステリ傑作選

    Posted by ブクログ

    眠狂四郎シリーズの中からミステリチックな21編を収録した短編集。
    密室殺人、消えた凶器、書類の紛失など不可能犯罪もあるが、週刊誌連載だったせいか波乱万丈なストーリーに謎解き要素を加えたという感じで、同じく創元推理文庫から出ている木枯らし紋次郎の作品集よりミステリ度は低い。
    シリーズの中のセレクトなので、ときどき言及される人物と狂四郎の関わりが飛び飛びで気になる。
    大坪砂男がトリック提供をしていたというのは驚いた。

    0
    2020年06月24日
  • 花嫁首 眠狂四郎ミステリ傑作選

    Posted by ブクログ

    先日読んだ、木枯らし紋次郎シリーズのミステリー傑作選がなかなか良かったので、たまたま見つけたこちらの作品も読んでみた。

    初めて読む眠狂四郎シリーズ。
    円月殺法くらいしか知らなかったので、どんな男かと思っていたら、紋次郎とは真逆のキャラクター。
    編者あとがきによると、作家さんが当時流行っていた正統派時代物ヒーローとは真逆にしようと、眠狂四郎というキャラクターを作り上げたらしい。

    水野忠邦の側頭役・武部仙十郎の依頼で様々な事件の解決に取り組むことが多いものの、武部に飼われているというわけでもなく、好奇心のままに事件に首を突っ込むこともある。
    何より女好き。気ままに女に情を掛けておいて気を持たせ

    0
    2019年12月12日
  • 周五郎少年文庫 黄色毒矢事件―少年探偵春田龍介―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    周五郎が「稼ぎ原稿」として意に沿わぬながら少年少女向けに執筆をした作品。確かに少年向けの文体で、著者が別人かと思うほど見まごうたが、昭和の活劇の匂いがプンプンして結構楽しめた。なぜ中学2年生が車を乗り回すのだ。2018.11.15

    0
    2018年11月15日
  • 夜光亭の一夜 宝引の辰捕者帳ミステリ傑作選

    Posted by ブクログ

    宝引の辰「捕者帳」、傑作13編を収録。泡坂妻夫の捕者帳ならばハズレ無し。それぞれトリックやネタの趣向が違っていてコンパクトに纏めてくる鮮やかさ。面白いです。
    印象深いのは、やはり紋章上絵師でもある氏が描いた「鬼女の鱗」、手妻ネタであり、且つ、例のシリーズのキャラクターのアレですねとニヤリとさせる「夜光亭の一夜」、判じ物の「雛の宵宮」辺りかな。

    0
    2018年09月06日