平川祐弘のレビュー一覧

  • 神曲 天国篇

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    "神曲の最終巻。天国編。キリスト教の世界観。
    地獄、煉獄、天国の三冊の中では、地獄編が一番おもしろいと感じた。
    世界の三大宗教の一つキリスト教、聖書を読み学ぶことで、西洋の思想のベースを理解したいと思った。
    もちろん、コーランやスッタニパータも読まないと世界を俯瞰できないかな。"

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    2018年10月19日
  • 日本人に生まれて、まあよかった

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    大学時代に出来ればこんな先生の授業を受けたかった、と思わせる好著です。
    自己卑下的な思考からの脱却とその処方箋。
    もちろん、「まあよかった」というのはある種の謙遜で、「本当に良かった」が本音です。

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    2017年11月19日
  • 神曲 天国篇

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    ネタバレ

    目次より
    ・天国篇
    ・詩篇

    天国篇はほぼ宗教論に終始していて、今までの映像的な描写は格段に少なくなり(挿絵も激減)、小難しいやり取りが続きます。
    “君たちはおそらく
    私を見失い、途方に暮れるにちがいない”

    さて、地獄篇からの懸案事項、「キリスト以前に死んだ善人が地獄にいることの是非について」にとうとう回答が!

    “その男の考えること、為す事はすべて
    人間理性の及ぶかぎりでは優れている。
    その生涯を通じ言説にも言動にも罪を犯したことがない。
    その男が洗礼を受けず信仰もなくて死んだとする。
    その彼を地獄に堕とすような正義はどこにあるのだ?
    彼に信仰がないとしてもそのどこに罪があるのだ?”

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    2017年02月12日
  • 芸術家列伝1 ジョット、マザッチョほか

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    資料として情報量が実に多いので、自分くらいの浅いファンには、杉全美帆子「イラストで読む」シリーズを読む方が頭には入りやすいかも。

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    2015年09月12日
  • 神曲 地獄篇

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    ネタバレ

    左手の堤へ鬼たちは向かったが
     出かける前にみな自分たちの隊長に向かって
     合図にしたでべえをして見せた。
    すると隊長の方は尻からラッパをぷっと鳴らした。

    時代を超えて読まれる名著中の名著。お堅いのかと思いきや、放屁場面が出てきた…。ルネッサンスの時期に、キリスト教の世界がどのように思われていたかがよくわかる本。口語訳である上に、背景が注に書かれているので分かりやすい。地獄、煉獄、天国編があるのだが、登場人物が実話や神話に基づいているのに驚いた。つまり、ダンテが地獄に落としたいと思っていた人は見事に地獄でお会いすることになる。マホメットはキリスト教を信じていたが、そこから分裂してイスラム教を

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    2015年07月17日
  • 日本の正論

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    比較文化論の平川氏の随筆集
    昔ときどきテレビにも出演されていた
    のを見たことがあったと思いますが。
    最近見ないなあと思ったりします。
    内容的には、日本・日本人の素晴らしさや
    それを表現・推進するために外国語の能力を
    如何に高めていくかという話ですが。
    少し、老人的なうっとおしさが感じられます。
    他への攻撃。他国(中韓?)への攻撃がみられて
    自分では右翼ではない・。。。ということも
    書かれていますが。右翼というよりは。。。
    老いを感じられて少しはしたない内容のような
    感じがしました。。。、。

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    2015年01月04日
  • 日本語で生きる幸福

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    近代史的な意味合いではおもしろかった部分もあったたけど、言語として目新しいことはなかった。自分の体験による思考が出来てることもあったからかな。

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    2014年12月21日
  • 神曲 煉獄篇

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    ネタバレ

    ダンテはウェルギリウスに導かれ、最上部の地上の楽園(エデンの園)を目指して七つの圏(わ)を登っていく。そのそれぞれの圏(わ)では、キリスト教の七つの大罪(高慢、嫉妬、怒り、怠惰、貪欲、大食らい、色欲)を犯した魂たちがその罪を浄められている。
    その浄められ方がなるほどそうなのだろうという感じ。
    地獄編もそうだったが、ダンテさんの想像力、描写力はやはり凄い!

    Mahalo

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    2014年06月26日
  • 神曲 地獄篇

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    有名な作品なので、一度は読んでおこうと思い読んでいる。
    歴史的背景や、宗教的背景もあまり知識がないので理解がなかなか難しい。
    詩の訳というのは原文のニュアンスとかを正しく伝えるのは難しそうであるが、表現が独特で面白い。
    視覚的なイメージはゲーム「デモンズソウル」が近いのではないかと思う。

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    2013年11月23日
  • 神曲 天国篇

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    天国篇では当時のスコラ哲学の神学議論を前提としたダンテの宗教観が最も直接的に表れている分、やはり読み進めるのに苦労するのは否めない。それにしても全篇に渡って挿入されているギュスターヴ・ドレの荘厳な挿絵と平川祐弘による読みやすくリズム感のある素晴らしい日本語訳、そして各歌ごとの丁寧な前文と詳細な解説がなければ、この全3篇100歌14233行からなる叙事詩を読み切ることはとても叶わなかっただろう。3の数字を基底とする、幾何学的に構築されて無限へと向かおうとするこの世界観にボルヘスが夢中になるのも無理はない。

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    2013年03月19日
  • 神曲 煉獄篇

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    地獄や天国と違って煉獄というのは日本人になかなか馴染みがないのだけど、そもそもキリスト教内でもプロテスタントや正教会は煉獄の存在を認めてないのだから仕方がない。地獄が信心を持たない者がその罪によって裁かれる場所なのに対して、煉獄は信者として救済を約束されていながらも生前の罪を浄化するために設けられた苦しみの場であるというのも始めて知って興味深かった。内容は一層混み入ったテーマやさほど有名でない人物議論に入っていくが、ウェルギリウス先生と共に行く煉獄山の登山光景は地獄の重苦しい雰囲気と違ってどこか爽やか。

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    2013年03月18日
  • 神曲 地獄篇

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    難解として知られるダンテの『神曲』だが、地獄篇は様々な作品の引用元として使われているためか多少冗長に感じつつも楽しむことができた。興味深いのは『ニコマコス倫理学』からの引用がさらりと出てくること。アリストテレス哲学は十字軍遠征時にイスラム圏から逆輸入された思想であり、『神学大全』でそれがキリスト教内に体系化されてからまだ数十年しか経っていないはず。またギリシャ・ローマ時代の偉人達がイエス以前に生まれていたという理由だけで地獄の第一層に落とされている描写は、中世におけるキリスト教の絶対性を物語っている。

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    2013年03月17日
  • 神曲 天国篇

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    地獄篇・煉獄篇を経て終局たる天国篇(Paradiso)へ。

    ダンテは遂に、至高天にて、"天上の薔薇"とも呼ばれる光の中心に「いっさいの望みの究極(はて)」である神を観るに到る。

    「ただそれだけが真実な、崇高な光輝の/光線の奥へ、さらに深く、はいっていった」 「その光の深みには/宇宙に散らばったもろもろのものが/愛によって一巻の書にまとめられているのが見えた」(以上、第三十三歌)

    全三篇、粘着的なまでに体系的な、宗教という強迫観念の大伽藍を見せつけられた。



    ダンテ自身が冒頭で述べているように、天国篇は地獄篇・煉獄篇に比して難解であり退屈でもある。神的宇

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    2012年08月21日
  • 神曲 煉獄篇

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    二人の詩人、ダンテとウェルギリウスは二十四時間の地獄めぐりを経て、大海の島に出た。そこにそびえる煉獄の山、天国行きを約束された亡者たちが現世の罪を浄める場である。二人は山頂の地上楽園を目指し登って行く。永遠の女性ベアトリーチェがダンテを待つ。清新な名訳で贈る『神曲』第二部煉獄篇。

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    2011年10月20日
  • 神曲 地獄篇

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    ネタバレ

    ダンテ『神曲』地獄編,河出書房,2008(初版1966)
     再読(2009/8/12)。基本的にはウェリギリウスに導かれて、ダンテが地獄を旅する話である(ちょっと『西遊記』みたいだ)。
     ダンテ(1265-1321)はフィレンツェに生まれ、法王党として政治にかかわり、1302年、故郷を永久追放された。『神曲』は1300年頃の設定で書かれており、ダンテの敵が地獄で手ひどく罰せられ、大便のなかでのたうちまわっていたり、自分の首を提灯のようにさげて彷徨っていたりする。師匠がじつは男色の罪を犯していて、引かれていく途中だったり、亡者が地獄の鬼(悪魔?)に鞭打たれていたり、貪欲な亡者がぐるぐる回って、ぶ

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    2014年12月11日