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二人の詩人、ダンテとウェルギリウスは二十四時間の地獄めぐりを経て、大海の島に出た。そこにそびえる煉獄の山、天国行きを約束された亡者たちが現世の罪を浄める場である。二人は山頂の地上楽園を目指し登って行く。永遠の女性ベアトリーチェがダンテを待つ。清新な名訳で贈る『神曲』第二部煉獄篇。
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Posted by ブクログ
煉獄とはなんぞや?地獄行きを免れた死者が天国を目指し七つの大罪を浄める贖罪の山である。鬼滅の刃は知らん。
地獄篇のビジュアルが印象強い「神曲」だが、煉獄篇も非常に映像的。地下に降りていった前篇から、今度は山を登っていくという流れになり、雄大かつ峻烈な風景が描かれる。おどろおどろしさは薄れるものの、罪を償うべく過酷な労働を強いられる著名人が続々登場し感情移入を誘う。ダンテの額に肉、ではなくて七つのP(罪)の文字が刻まれ、七つの大罪に対応した環道を通過するごとに一つひとつ消えていく、というのもマンガ的で面白い。
先生との別れの情緒と、ようやく出会えた夫人から受ける叱責の強烈さが見事なコントラストをなしていて、ここが煉獄篇最大の見どころなのかも。というかSMすぎてワロタ。ダンテくんがM男というよりSすぎるんですよあの方……。
終盤の、美女がたくさん登場し癒やされる光景は文字通り地上の楽園という感じで、ダンテと共に旅をしてきた読者をなごませる。このあたりは天使やら幻獣やらが登場し、どファンタジーな映像を堪能できるので読んできたかいがあるというもの。続く天国篇はいかなる世界か楽しみだ。
Posted by ブクログ
地獄編同様、一日一歌コツコツ読んだ。
『神曲』を読む上で、思いつきで実行してきたこの読み方は案外有効なように思える。なぜなら、地獄〜煉獄を巡ることがいかに大変なのかを追体験できるからだ。途上でダンテは何度も挫けるが、その都度ウェルギリウスに励まされ、歩を進める。私も何度か読むことが億劫になったが、その度に自分で喝を入れて読んできた。
だからこそ、ダンテがベアトリーチェに再開するまでどれだけ苦労したのかが、現体験を通じて感じることができる。
閑話休題、煉獄編で特に惹かれたのはやはり美しい情景表現だ。第一歌から感動で鳥肌が止まらなかったのは鮮明に覚えている。これも地獄編をコツコツ読んできた後だからこそ味わえる感動である。
もちろん第一歌のみならず、全体にわたって美しくて的確な表現が止まらない。これに心動かされない者が果たしているのだろうか?
『神曲』の魅力は語り尽くせないくらいにはまだまだある。″3″を意識したゴシック調の形式、原語で音読したときに歌になる工夫、各編の行数の統一性などなど。『神曲』は知れば知るほど、その偉大さにひれ伏す。
こんなにも私の心を打った作品なので、本書の訳者である平川先生による『ダンテ神曲講義』を参考に再読しようと決意。その前に天国編へ!
Posted by ブクログ
2009年1月19日~20日。
面白さからいったら地獄篇の方が上かも知れない。
それでも、これは面白い。
ベアトリーチェってのもかなり自惚れが強い女性だし、ダンテも案外傲慢で情けなくて、甘えん坊。
キリスト教ってのもどうなの?
結局は神の復讐の訳でしょ。
なんて読み方はやはり邪道だろうか。
訳者の平川氏の功績がやはり大きいと思う。
この作品を盲目的に賛辞するのではなく、きちんと俯瞰してダメなところはダメ、首を傾げるところはおもいきり傾げる。
そして懇切丁寧な注釈。
大抵は注釈なんて斜め読みするんだけど、ここでの注釈は本当に役に立つ。
痒いところにきちんと手が届くのだ。
Posted by ブクログ
地獄編に続いて煉獄編。
煉獄とは、生まれ変わるために魂の浄化が行われる場所で、巨大な山になっている。
地獄編よりも。情景の描写が一層文学的になり、また思想も多く散りばめられている。
しかし、地獄編よりも面白みは薄くなってしまった印象。
ダンテと会話をする人物それぞれの個性が立っていないので
全体的にぼんやりしているのかも。
後半でベアトリ―チェにやっと逢うことができるが、まさか遭遇した時のベアトリ―チェが結構強烈な人で驚いた。
それにしても、ウェルギリウスがここでお別れしてしまったので、「先生」の言葉と素敵な振る舞いが、これから天国編でみられないのは、大変に惜しい。
地獄の罰を受けることも、煉獄で浄化されることも、天国に行く着くことも、生まれ変わることも出来ない、永遠の魂の放浪者・ウェルギリウス。
少し遅く生まれたスタティウスが、最期に改宗した故に煉獄山を登ることを許されたのに、死後はるかに詩人としての評価が高いウェルギリウスがこうした扱いを受けてしまう、キリスト教の考え方に、理不尽を感じてしまった。
いつかウェルギリウスの「アエネイス」も読んでみたい。
Posted by ブクログ
其れが目的のひとつであるからには当然のことなれど 宗教文学のとどのつまりは その宗派に属する者の祝福にあるから 何れを採っても私などは蚊帳の外 お陰で公正な眼でもって その教義が宗派を超えた処で——つまり万民にとって普遍の真理たり得るか否かを観察することが出来る。熱狂や戦慄からは一線も二線も画されて在り 個人的反省や呵責を別としたなら 所詮他人の土俵上の取組を観覧しているに過ぎない。
外国文学を採る限りは そうした一抹の無益は付き纏う訳だが このように小さな 旗頭をもたない国土に産み落とされたのは運の尽きで 彼方の人類史に占める面積も質量も大きい以上 理不尽でもこれに組み拉かれて往くより仕方はない。
なれど 一体 本来で在れば得られた筈の処のどの程度 異教の民は読み取るだろうか。
Posted by ブクログ
地獄と比べてここ煉獄にいる人たちは KiKi にとってあまり馴染みのない人が多かったです。 そうそう、それとですね、地獄と煉獄って形からすると地獄をひっくり返したのが煉獄・・・・みたいな形になっているみたいです。 要は地獄はすり鉢状・・・というか漏斗状で下へ行くほど狭まってその先っちょにあるのが氷漬けの世界なんだけど、煉獄はそれを上下ひっくり返したような形の急峻な岩山でその天辺にあるのが天国・・・・らしい。 地獄から天国に移動する際には地獄の底に埋まったルシフェロの体づたいにダンテはウェルギリウスに負ぶさって、地球の球体のど真ん中を突き抜けてエルサレムとはちょうど反対側に突き抜けていくような形で浄罪山のほうへ脱出していったということらしいです。 何となくネジをどんどん下がっていくみたいな感じがしてちょっと面白いと思いました。
(全文はブログにて)
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