平川祐弘のレビュー一覧

  • デカメロン 上

    Posted by ブクログ

    Blueskyで「みんなで読みましょう」に参加しています!
    デカメロン興味のあるみなさん、これを機会に一緒にどうでしょう!「#デカメロン」でお待ちします!



    <これから始まる本書は『デカメロン』別名を『がオレット公』という。
    本書では百の物語が十日の間に七人の淑女と三人の貴公子によって語られる。>(引用)

    冒頭は著者ボッカッチョによる説明です。口調が「〇〇は人の常でございますが/〇〇できましょうか/報恩のほど/神様の思し召しで」というようなものなので、舞台が始まる前に幕の前で燕尾服の案内人(またはイタリアの
    道化師姿でもいいかも)が口上を述べているような印象です。

    要するにですね、ボッ

    0
    2025年08月28日
  • 神曲 地獄篇

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    地獄に住む魂たちの中にも、ダンテが共感や尊敬を抱いている人物たちが、幾人か登場します。
    第5歌のパオロとフランチェスカ、第10歌のファリナータ、第15歌のブルネット、第26歌のオデュセウス、等。

    そして誰より、ダンテを導いてくれる準主役のウェルギリウスがそうです。
    彼らが当時のキリスト教会の価値観では、天国に行けないという事に、必ずしもダンテは納得してなかったのではないでしょうか。

    ウェルギリウスは、天国に座を占めるベアトリーチェから頼まれて、ダンテを救済することになりました。
    しかし、地獄にいる魂は、神に見棄てられ、天国からその存在自体を完全否定されている者たちです。
    キリスト来臨という

    0
    2025年01月23日
  • 神曲 天国篇

    Posted by ブクログ

    ダンテの『神曲』は中世の人々の死生観を考える上でものすごく興味深い作品でありました。


    『地獄篇』『煉獄篇』『天国篇』と続けて読んできましたが日本の地獄と浄土と比べながら読むのもとても刺激的なものになると思います。

    0
    2024年08月21日
  • 神曲 地獄篇

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    私が『神曲』を初めて読んだのは大学三年生の頃でした。今から10年以上も前です。ですがこの地獄の最下層の氷漬けの世界を初めて目にした時の衝撃は今でも忘れられません。

    「キリスト教の地獄の一番底は氷の世界なのか!仏教と真逆じゃないか!」と私は仰天したのです。

    0
    2024年08月21日
  • デカメロン 下

    Posted by ブクログ

    好きな話がいくつかあった。しっかりメモもとってある。そもそも難しすぎて読むことができない哲学書、専門書と違って、作り話を馬鹿にせず、楽しむ姿勢さえあれば、難なく最後まで読み切れるはずだ。

    休憩中に『デカメロン』を(もちろんカバーはつけて)読んでいると、「何読んでるの?」と聞いてくれる人がいた。『デカメロン』に関して、「名前は聞いたことある」という人はちらほら。「読もうと思ったが、面白さがわからず断念した」が2名いた。

    0
    2024年05月16日
  • デカメロン 上

    Posted by ブクログ

    最近『源氏物語』(KADOKAWAビギナーズクラシックス版)を読んだ時にも思ったのだが、当時の人々がどれだけその作品を熱中して読み込んだかを想像するのも楽しい。

    「長い」とか、「登場人物が多くて覚えられない」とか言う人の気持ちも十分わかるのだが、TVもない、インターネットもない、ゲームもない、ましてやSF小説とか推理小説みたいな他ジャンルもまだ確立されていない時代に、時間を忘れられるようなフィクションに対して、「話が長いなぁ」なんて思うだろうか?むしろ何度も読み返したに違いない。何度も読み返すのだから登場人物が覚えられないなんてこともありえない。言語も時代も価値観も違う物語を、時を超えて自分

    0
    2024年05月02日
  • 神曲 天国篇

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「天国篇」第三歌・第四歌についての記述。
    生前、神への誓願を破った為に、天国で一番低い天球「月光天」に割り当てられた魂の一人、ピッカルダ・ドナーティ。
    彼女を通して「足るを知る」事の幸福が、美しく描かれています。

    ダンテから、より上天を望むかと問われて、ピッカルダはしばし微笑むと、初恋の火に燃える人のように嬉々として答えます。

    「わたくしどもの意志は愛の力で静まるのでございます。
     おかげでわたくしどもはいまが持つものしか所望せず、
     ほかのものに渇きを覚えることはございません。」
    (「天国篇」第三歌70行~72行)

    しかしダンテは、天国の住人にも階級があることに疑問を感じます。
    それに

    0
    2024年03月03日
  • 神曲 煉獄篇

    購入済み

    読み返す

    ダンテの神曲。
    いろいろな訳を3から4種類持っていますが、何度も読んでいるのはこちらの平川さんの訳です。
    挿絵もきれいで読みやすく一番気に入っています。

    #深い #怖い

    0
    2024年02月29日
  • デカメロン 下

    Posted by ブクログ

    ルネサンス初期に掲げられた、ヨーロッパにおける物語文学の最高傑作の一つ。下巻は8日目~10日目の30話。

    第八日以降は話の様相がガラリと変わり、西洋文学史上の重要な位置を占める『デカメロン』が、単なる艶笑談の寄せ集めではないということを実感した。

    第八日はイタズラや悪だくみがテーマとなり、笑えない悲惨な話や壮絶な復讐譚などが続く。ここで数話に渡って同じ三人組が登場するが、どれも気持ちのよくない話で読んでいる方も凹む。しかしその分、学びのある話ではある。第四話や第十話のように痛快な話もある。

    第九日はテーマなしとなり、教訓のある話や笑い話などで十人の若者たちの空気は少しなごむ。そこで第十日

    0
    2022年04月04日
  • デカメロン 中

    Posted by ブクログ

    パンデミック下の14世紀イタリア。貴族の若者たちによる面白おかしい百物語。中巻は4日目~7日目の40話。

    第四日はバッドエンドの昼ドラ、第五日はハッピーエンドの昼ドラ、第七日はドロドロな昼ドラ、といった感じで、恋愛のもつれやエロ話が出てくるわ出てくるわ。といっても下世話なだけではなく、切なさや勇敢さ、機知に富んだ展開などもあり、そこに見られる男女の感情は700年も前に書かれた本とは思えないほどリアリティにあふれている。

    この中にあって一息つかせるためなのか、第六日だけは雰囲気が異なる。「冷やかされても言い返し、すばやい返事や判断で、危険や身の破滅や世間の嘲笑をかわしおおせた人々について」と

    0
    2022年03月31日
  • デカメロン 上

    Posted by ブクログ

    ペストが流行する14世紀のフィレンツェで、10人の紳士淑女が語る、18禁多めな百物語。上巻は30話まで。

    1人1話ずつで1日に10話、10日で100話となる計算。
    1日目は機知に富む話が多く、何となく日本昔ばなしを連想した。2日目以降はその日ごとにテーマが設けられ、お題に沿った話が語られるが、次第に猥談味が濃くなっていく。3日目になるとほとんどの話にエロティックな要素がある。冒険譚や貴種流離譚などの内容も豊富で、どの話も面白い。海賊に捕まってどうこうというものも多く、アラビアンナイトなども連想されるが、ファンタジーな要素はない。

    個人的なお気に入りは、運命の不思議を感じる第二日第六話、第七

    0
    2022年03月29日
  • 神曲 煉獄篇

    Posted by ブクログ

    煉獄とはなんぞや?地獄行きを免れた死者が天国を目指し七つの大罪を浄める贖罪の山である。鬼滅の刃は知らん。

    地獄篇のビジュアルが印象強い「神曲」だが、煉獄篇も非常に映像的。地下に降りていった前篇から、今度は山を登っていくという流れになり、雄大かつ峻烈な風景が描かれる。おどろおどろしさは薄れるものの、罪を償うべく過酷な労働を強いられる著名人が続々登場し感情移入を誘う。ダンテの額に肉、ではなくて七つのP(罪)の文字が刻まれ、七つの大罪に対応した環道を通過するごとに一つひとつ消えていく、というのもマンガ的で面白い。
    先生との別れの情緒と、ようやく出会えた夫人から受ける叱責の強烈さが見事なコントラスト

    0
    2022年03月12日
  • 骨董・怪談

    Posted by ブクログ

    誰もが知っている雪女や耳なし芳一などが収録されている本。
    有名は話のほかに昆虫にまつわる話や餓鬼などにまつわる話もあり、個人的にはそちらのほうが情緒溢れる魅力的な話だった。
    外人である小泉八雲がよくここまで日本人の心に訴えかける切なくも美しい文章を書けたと驚くばかりだ。
    日本人よりも日本人らしい方だったのではないだろうか。

    0
    2021年08月18日
  • 神曲 煉獄篇

    Posted by ブクログ

    地獄編同様、一日一歌コツコツ読んだ。
    『神曲』を読む上で、思いつきで実行してきたこの読み方は案外有効なように思える。なぜなら、地獄〜煉獄を巡ることがいかに大変なのかを追体験できるからだ。途上でダンテは何度も挫けるが、その都度ウェルギリウスに励まされ、歩を進める。私も何度か読むことが億劫になったが、その度に自分で喝を入れて読んできた。

    だからこそ、ダンテがベアトリーチェに再開するまでどれだけ苦労したのかが、現体験を通じて感じることができる。

    閑話休題、煉獄編で特に惹かれたのはやはり美しい情景表現だ。第一歌から感動で鳥肌が止まらなかったのは鮮明に覚えている。これも地獄編をコツコツ読んできた後だ

    0
    2020年10月07日
  • 神曲 地獄篇

    購入済み

    好きこそ物の上手なれ

    訳者の平川さんは、ダンテ の神曲を原語イタリア語で読みたい訳したいという子どもの頃からの願いを持ち続けて、その夢を果たされたと記憶しています。
    神曲大好きという思いがヒシヒシと伝わってきて、ほんと読みやすいと思います。訳してくださってありがとうございます!といった感じです。

    0
    2020年08月14日
  • 日本人に生まれて、まあよかった

    Posted by ブクログ

    書名からもっとゆるい内容を想像したが、硬骨で辛口な論説だった。

    先の大戦を実体験し、複数の国で生活した経験に根差した著者の主張は、今時の薄っぺらいリベラルのものとは一味違う。

    0
    2018年07月31日
  • 神曲 地獄篇

    Posted by ブクログ

    2009年1月16日~17日。
     右のほほを打たれたら相手の左のほほを殴り返せ!
     というキリスト教の教えの本(キリストはそんなことはもちろん説いていないが)。
     自意識過剰男ダンテ(作者が作中の登場人物)が自分の気に入らない人間を地獄に落として呵責に苦しませている。
     そんな感じ。
     つまらなかったか?
     いやいや、物凄く面白かった。
     詩的な文章はそれこそ「文学!」って感じがするし、なによりもダンテ(作者としても、登場人物としても)が人間臭くて。

     それにしても、キリスト教ってのも自己中心的な教えだなぁとも感じた。
     洗礼を受けなかっただけで地獄(ま、辺獄ではあるが)に

    0
    2018年01月06日
  • 神曲 煉獄篇

    Posted by ブクログ

    2009年1月19日~20日。
     面白さからいったら地獄篇の方が上かも知れない。
     それでも、これは面白い。
     ベアトリーチェってのもかなり自惚れが強い女性だし、ダンテも案外傲慢で情けなくて、甘えん坊。
     キリスト教ってのもどうなの?
     結局は神の復讐の訳でしょ。
     なんて読み方はやはり邪道だろうか。

     訳者の平川氏の功績がやはり大きいと思う。
     この作品を盲目的に賛辞するのではなく、きちんと俯瞰してダメなところはダメ、首を傾げるところはおもいきり傾げる。
     そして懇切丁寧な注釈。
     大抵は注釈なんて斜め読みするんだけど、ここでの注釈は本当に役に立つ。
     痒いところにき

    0
    2018年01月06日
  • 日本人に生まれて、まあよかった

    Posted by ブクログ

    海外で10年以上生活した経験から、「日本人に生まれて、まあよかった」という言葉に共感しています。とくに朝日などの自国批判を奨励する風潮に対し、広い視野から日本の美点、課題を語っており、よい知己を得たと感じました。

    0
    2015年01月19日
  • 日本人に生まれて、まあよかった

    Posted by ブクログ

    本を読むのは、「自分の無知さを知るため」と同時に、「少しでも自分の知識を蓄えるため」、と思っているのですが、この本を読んで、自分の無知さをますます恥じました。

    非常にいい刺激になったのはもちろん、歩みが遅いながらも、自分の進んでいる方向が間違っていないことが確認できました。
    その一方で、間違っていたこと、勘違いしていたこと、曖昧だったこと、考察が足りなかったことなどについても、いろいろと確認することができました。

    そして何より、著者のスケールの大きさには脱帽です。

    0
    2014年09月26日