平川祐弘のレビュー一覧

  • 芸術家列伝1 ジョット、マザッチョほか

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    今年はイタリアに行く機会がありそうなので美術のお勉強。世界で最も親しまれている画人伝、あまりにも有名だが、日本でちゃんと訳されたのは最近らしい。リッピとアンドレーア・デル・サルトを題材にしたブラウニングの詩も併録。『神曲』も訳している平川祐弘翻訳(他の担当もいるけど)詩的で読みやすい文章。ヴァザーリの間違いを逐一参照しながら読むと楽しい。

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    2012年02月28日
  • 神曲 煉獄篇

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    日本人におよそ馴染みのない『煉獄』が舞台。地獄に行く程ではないが天国に行くまでに改悛が必要な人が来る場所。天国行きが確定している人が来る場所です。ヴェルギリウスがいなければ意味が分からなかったと思います…。地獄ほど生き生きした文章ではないものの、変わらずサクサク読み進められました◎煉獄では生きている身内に祈ってもらうと天国行きが早まるので、生きているダンテに我先にと話を聞いてもらいたがる下りが非常によく出来ているなぁと思います◎面白かったです!

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    2011年11月19日
  • 神曲 天国篇

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    三昼夜を過ごした煉獄の山をあとにして、ダンテはペアトリーチェとともに天上へと上昇をはじめる。光明を放つ魂たちに歓迎されながら至高天に向けて天国を昇りつづけ、旅の終わりにダンテはついに神を見る。「神聖喜劇」の名を冠された、世界文学史に屹立する壮大な物語の完結篇、第三部天国篇。巻末に「詩篇」を収録。

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    2011年10月28日
  • 神曲 煉獄篇

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    地獄と比べてここ煉獄にいる人たちは KiKi にとってあまり馴染みのない人が多かったです。  そうそう、それとですね、地獄と煉獄って形からすると地獄をひっくり返したのが煉獄・・・・みたいな形になっているみたいです。  要は地獄はすり鉢状・・・というか漏斗状で下へ行くほど狭まってその先っちょにあるのが氷漬けの世界なんだけど、煉獄はそれを上下ひっくり返したような形の急峻な岩山でその天辺にあるのが天国・・・・らしい。  地獄から天国に移動する際には地獄の底に埋まったルシフェロの体づたいにダンテはウェルギリウスに負ぶさって、地球の球体のど真ん中を突き抜けてエルサレムとはちょうど反対側に突き抜けていくよ

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    2010年09月23日
  • 神曲 煉獄篇

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    ベアトリーチェに会いに!
    その思いで辛く、険しい山道を登る。
    ところどころ一息つけるものの、なかなか読み進むのがつらかった。
    頂上に着くとベアトリーチェに会えるが、ベアトリーチェがなかなか手厳しい。
    気づくとヴェルギリウスが消えているし。
    地獄に落ちなくても7つの大罪の罪を煉獄で償わなければならない。
    ああ、天国への道はかくも厳しいものなのか。

    途中、フランスのカペー朝の王たちの名前があげられていたのでカペー家の歴史がついでに読めてしまった。

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    2010年05月27日
  • 怪談・骨董

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    短編集なので、通勤中や昼休みに読んでました。
    昆虫についての話は正直眠くなりました。
    「蝶」は分からなくもないんですが、「蟻」は蟻生体と人間社会を較べられても…と正直思いました。小難しい。
    「蛍」というのもあったのですが、蛍を捕まえる職業の人の蛍の捕まえ方が衝撃でした。恐ろしい…。
    解説にあった八雲の幼少期も全然知らなかったので衝撃でした。

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    2025年11月28日
  • 神曲 天国篇

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    ダンテ本人からの注釈があるように、こちらは地獄・煉獄編に比べて難解。各歌の前に訳者のまとめ文がなければちんぷんかんぷんだったかも。長年の悲願だった3部作を読み終えることができてよかった。

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    2024年12月18日
  • デカメロン 下

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    14世紀のペスト下で巣籠もり中の、男女10人による百物語を、21世紀のコロナパンデミック中に読もうと購入しましたが、めちゃめちゃ時間がかかりました。

    イタリア人の名前に馴染めず、10人のうち誰が男性かも分からないまま読み進めましたが、やがて、それぞれが物語りを始めると登場人物も爆発的に増え、収集がつかない事に。読むスピードも極端に遅くなりました。

    4日目ぐらいで気付きましたが、Oで終わる名前が男性、Aで終わる名前が女性ですね。ネイーフィレだけ例外で女性です。これから読む方はこの点を押さえて読んだ方良いです。常識だったらすいません。ただ、10人が語る物語の中の登場人物は時代が違ったり、そもそ

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    2023年01月03日
  • デカメロン 中

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    中巻、10日間のうち4日から7日目の物語です。

    坊さん(教会)の悪口に飽きたのか、この巻は恋の話が多いです。しかし不倫多いですね。いや、別に良いのですが。

    不倫じゃなくても「娘の親の許しさえ出ればすぐにでも娶ろうと2人の青年はいずれも色めき立っている。もし申し込みが断られた際は、たとえいかなる手段を講じてでも、女を我が物にしようと2人とも心中思っている。」と穏やかでない。

    とは言え、この時代も無法世界ではありませんから、不倫も掠奪もバレるとタダではすみません。特に不倫が見つかった女性は命懸け、現代の芸能界より厳しいです。

    そこまで恋愛に命をかける。やはり娯楽が少ないからでしょうか?それ

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    2022年12月30日
  • デカメロン 上

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    ペストから逃れ、巣籠もりをするフィレンツェの10人の若者が、暇つぶしにそれぞれ1話づつ、10日間で100話の短い物語を語りあいます。

    語られる話は宗教がらみか艶笑話、もしくはその両方が絡んだ小噺が多く、やはりイタリアはキリスト教国なのだな、エロは必須なのだなと感じました。

    話の舞台はイタリア国内ほもちろん、フランスやイギリスはおろか、アフリカやアラブ圏にまでおよび、当時(14世紀!)のヨーロッパの世界観や多様性が感じられました。

    長年に渡って繰り返された十字軍の失敗とか、当時の教会の腐敗とか、歴史的背景を勉強しなおして読んだ方が良いのでしょうが、難しいですよね。Wikiで調べるのがやっと

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    2022年12月29日
  • 神曲 地獄篇

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    歴史に名を残すダンテの文学作品、「神曲」です。政治活動に深く関わっていたダンテが政変に巻き込まれてそこから永久追放された後に綴った文学作品であり、まずこの地獄編は人間省察の本であるとも言えるでしょう。人間が地上でどのような悪行を重ねるとどのような地獄に落ちるのかと言うことを詩的に文学的にこれでもかと言うほどの文章では表現できないような恐怖や狂おしいほどの苦悩の様の有り様を生生と活写している本です。
    ダンテがこの本を通して一貫して訴えたいことは因果応報と言う理念のもと、現実に名誉を得て現世では有名だった方などが地獄で生々しく激しい責め苦を受けている姿を描写している様は非常に面白いものがあり、何故

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    2022年02月14日
  • 神曲 地獄篇

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    よくぞここまで....というほどの、(当時の時点で)ありとあらゆる想像しうる責苦が、生きている中で犯した罪の応報として描かれていて興味深い。
    宗教・歴史上、差別的な思考や記述というのもあるし、作者の偏っているように思える思想も捉えられるが、作者含めた登場人物の強い個性や信念としての印象を残しているような感じ。
    よく「崇高な思想」とか「敬虔さ」みたいな表現を見ることがあるが、本書を読んでいると、それはどれほど窮屈なのだろうかと思ってしまった。

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    2021年10月31日
  • 神曲 地獄篇

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    歴史や宗教の背景がないので、注釈を頼りに読み進めることに。
    上方落語の『地獄八景亡者戯』だ!と理解してから、読みやすくなった。歴史的にはもちろんダンテが先。

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    2021年05月03日
  • 神曲 地獄篇

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    もっと難しく読みにくいものかとおもっていたら、註釈や挿絵がかなり多かったおかげもあり、わかりやすく面白く読めた。

    もっと抽象的な話かとおもっていたら、結構ダンテの私情や私怨が多かったようにおもう。

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    2020年12月10日
  • デカメロン 上

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    ネタバレ

    ペストから逃げて田舎で楽しいおしゃべり、という話。
    上の半分まで読んで、ご馳走様、とい感じ。
    (上流階級言葉と、訓話的なストーリーの繰り返しが
    単調に思われた。)

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    2020年05月24日
  • デカメロン 上

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     ペストが猖獗を極めた十四世紀フィレンツェ。恐怖が蔓延する市中から郊外に逃れた若い男女10人が、面白おかしい話で迫りくる死の影を追い払おうと、十日のあいだ変わるがわる語りあう百の物語。(裏表紙より)
    まず、「デカ」はギリシャ語で「10」、「メロン」は「日」という意味だそうだ。(この本のことは前から知っていたのだが、長い間、結構真剣に(食べ物の)メロンが関係しているのだと思っていた笑)

     さて、内容についてだが、あからさまな性的描写(とは言っても、そのものど直球に言及しているわけではないのでキツい下ネタと言ったほうがピッタリか)が多く、少し不愉快に感じたのでので評価は星3。よく言えば、生の寿ぎ

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    2019年12月10日
  • 日本人に生まれて、まあよかった

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    日本人は早く自虐的歴史観から脱却しなければならない。相手が中国、韓国関係なく、堂々と筋を通していればよい、という話。

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    2019年07月08日
  • 神曲 天国篇

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    >他者の暴力によってなぜ善い願いの功徳が減じるかについて
    >絶対的意志と相対的意志の違い →コスタンツァの例で説明
    >破られた誓願は他の善行によって補いがつくか否か

    天国篇、説教臭くなってつまらなかったらどーしよ…て思ってたけどこういう質疑応答が続くのは興味ある~!!ので楽しく読んでる
    生きることは戦いだなぁと思う時があるのですが、なるほどヨブ記にも「人の世にあるは戦闘(たたかひ)にあるがごとくならずや」とあるのですね…しみじみ…

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    2019年03月30日
  • 神曲 煉獄篇

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    >詩行が独立して読むだけでは意味が通ぜず、興趣も湧
    かず、註釈が必要とされるような部分は、詩的作品としては欠陥作品というべきであろう。残念なことにこの種の傾向は煉獄篇末尾から天国篇全体を通じて強まる傾向にある。
    >君ら生きている人々はなにかというとすぐ原因を
    天のせいにする、まるで天球が万事を
    必然性により動かしているかのような口吻だ。
    仮にそうだとすれば、
    君ら人間の中には
    自由意志は滅んだことになり、善行が至福を
    悪行が呵責を受けるのは正義にもとることとなる。
    天球は君らの行為に始動は与えるが、
    万事がそれで動くのではない。仮にそうだとしても
    善悪を知る光や自由意志が君らには与えられている

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    2019年04月05日
  • 神曲 地獄篇

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    地獄篇、煉獄篇、天国篇の3篇。壮大な構想と、綿密な構成、そして巧みな表現ということで文学史上に屹立する作品(だそうである)。

    ダンテの生きた時代への理解が不十分なので読みづらくはあったが、読み応えは確かにある。ダンテが、キリスト者として当時の世界観のなかで、あらん限りの要素をこの詩の中にぶち込んでいる所が凄みか。書いている者の思いも、読む者の受け止め方も、今日とはまた違うものであったろう。また、神の世界を描いてもあくまで世俗的なところから離れていないのも魅力だ。

    最近読んだ「ディアスポラ」にちょっと近いところを感じる。変な比較か?

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    2018年11月05日