安生正のレビュー一覧
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竜巻と東京を襲った豪雨により、東京での洪水の危険性が高まる中、首相と顧問団が公約に拘り責任転嫁、場当たり的な対応で更に混乱を招く中、その暴走と1人戦う防災担当企画官・文月祐美のお話。
まず、東京で暮らす身として、これは決してあり得ない話ではないという恐ろしさに身が引き締まりました。
実際に人の命が脅かされている現場と、そこに向けて指示を出す対策室の対比構図は色々な作品であると思いますが、その対策室の中でも本気で現場を想って権力や理不尽に向き合う主人公の姿が特に刺さりました。
現場と司令部の埋め難い温度差だけでなく、そこがリスペクトし合うからこそ大きなことを成せるという熱い展開も描かれており -
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関東北部では、金精峠で土砂崩れが起こり、足尾町の人々が原因不明の死を遂げ、富岡で大火災が発生するなど大災害が頻発していた。
そんな折、元大手ゼネコン技術者の木龍のもとに、突如奥立という男が現れる。すべてはマグマ活動にともなう火山性事象が原因であり、これ以上の被害を阻止すべく、東京湾第一発電所の建設に携わった木龍の力を借りたいという。
地球規模の未曾有の危機に元ゼネコン技術者、地質学者たちが挑むパニック・サスペンス巨編
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ドキドキしたし、面白かった。天災か人災か、自然の力の凄まじさと怖さに、土木技術者の矜恃や思い。災害の怖さを伝えつつ、幾度も天災に見舞われても復興していく日本の強 -
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【あらすじ】
活発化した梅雨前線の影響で大雨が続く東京を、突如謎のテロ組織が攻撃する。自衛隊総合情報部所属の情報官・真下は、テロ組織を率いている人物の居場所を突き止めるべく奔走するが……。核が持ち込まれたという情報にかき回される自衛隊総合情報部。朝鮮人民軍、中国人民解放軍に翻弄される日本政府。東京を舞台に、死闘が始まった――。
『生存者ゼロ』に続いて、安生正作品を読みました。「ゼロシリーズ」と呼ばれたりしているようですが、続編とかではなかったので、こちらだけ読むのもありですね。
ただ、前作と同様、「読ませる力」は凄まじく、一気読みした結果、重厚かつ壮大な映画を観終わったような感覚になりまし -
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東京に謎の武装集団が極秘裏に上陸し、都内各地でテロ行為が発生。首相は自衛隊の出動を決断。が、精鋭部隊の第1空挺団が敵の策謀に嵌り、壊滅。中央即応集団を投入し、決死の攻防戦に出る。
自衛隊総合情報部所属の情報官・真下は、テロ組織を率いている人物の居場所を突き止めるべく奔走する。
面白かった!重かった!泣けた!
全政治家、全公務員、読んだらいい。読んでよかった。東京が戦場になるという未曾有の事態をこんなに危機迫ったリアリティで書けるのすごい。
真下の葛藤が辛くて、自衛隊員がみんなかっこよくて、首相も良かったなあ。
でも、正直ハンにはガッカリ。ていうか向こうの人達のガッカリさ。結局あの国の手の上 -
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読んでる間中、ドキドキハラハラぞわぞわの、安生氏らしい一冊。
最初のうち、場面転換と登場人物が多すぎて、私の酒浸りの脳みそでは付いてくのが大変で(^ ^; どうにか正しく(?)理解しながら読み終えられたとは思いますが(^ ^;
読んでる間に浮かぶビジュアルは、かなりインパクトが強い。なので、映像化したら「お好きな方にはたまらない」作品になりそうですが... ロケとかちゃんとやると、ものすごく大掛かりになりそうな(^ ^; 全世界が滅亡しかける訳だし(^ ^;
とても楽しくおぞましく(^ ^; 読めましたが、あえて難癖つけるとすると(別につけなくて良いが)、登場人物のキャラがステロタイプと -
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高野和明さん著『ジェノサイド』が好きな方にオススメの1冊です。
安生正さん初読みの『生存者ゼロ』はゼロシリーズ(と言っても内容は独立していそうです)の1作目にしてデビュー作のようですが、本作のSF要素は高野和明さん作品と似て、読む手が止まらなくなりました。
概要です。
訓練を終えたばかりの陸上自衛隊の三等陸佐である廻田(かいだ)は、四時間後に不可思議な任務で北海道の東の海上に浮かぶ石油掘削施設へ調査に飛び立つ。到着した廻田たちは作業員たちの無惨な最期の姿に唖然とし、生存者ゼロという事態に違和感を抱く。
その日を契機に廻田三佐は、生存者ゼロという未知なる恐怖との戦いに奔走する。