あらすじ
上流域での豪雨で荒川の決壊が懸念される真夏の金曜日、千葉と埼玉で竜巻が発生、変電所を襲った。結果、二十三区を含む広範な地域が停電、JRや地下鉄は運休を決め、帰宅困難者が街に溢れることに。止まない雨に刻一刻と洪水の危険性が高まる中、首相と政策顧問団は党の公約に拘り、準備していた防災計画を場当たり的に変更していく。やがて荒川が決壊、墨田区などが水没。顧問団は危機管理監らに責任を被せる形で更迭し保身に走り始める。そしてその悪魔の矛先はついに、たった一人残された内閣府の防災担当企画官・文月祐美に向かう! 命懸けで持ち場を死守する人々を守る、もう一つの闘いの行方は!?
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Posted by ブクログ
竜巻と東京を襲った豪雨により、東京での洪水の危険性が高まる中、首相と顧問団が公約に拘り責任転嫁、場当たり的な対応で更に混乱を招く中、その暴走と1人戦う防災担当企画官・文月祐美のお話。
まず、東京で暮らす身として、これは決してあり得ない話ではないという恐ろしさに身が引き締まりました。
実際に人の命が脅かされている現場と、そこに向けて指示を出す対策室の対比構図は色々な作品であると思いますが、その対策室の中でも本気で現場を想って権力や理不尽に向き合う主人公の姿が特に刺さりました。
現場と司令部の埋め難い温度差だけでなく、そこがリスペクトし合うからこそ大きなことを成せるという熱い展開も描かれており、ずっと管理部門で働いている自分としても、色々と考えさせられる作品でした。
Posted by ブクログ
首都圏を襲った台風の記憶が新しいうちに読んだこともあり、臨場感と緊迫感に拍車がかかった。某ドラマの、事件は会議室で起こってるんじゃない!が頭をよぎった。最後は感動的な結末でお見事。続編が読みたい。
Posted by ブクログ
7月の金曜日、関東地方が大規模な豪雨に襲われ、その中で千葉と埼玉で大型のものを含む多数の竜巻が発生。その影響で東京電力の変電所が倒壊し、都内は大規模な電力不足で全ての電車が運休。都内は数十万人におよぶ人達が帰宅困難者に。さらに荒川が決壊の危機に瀕し、都内は墨田区をはじめとして23区な洪水の恐れ。未曾有の大災害の前に、新しく政権を握ったばかりの政府が「顧問団」である大学教授と経営コンサル社長の方針に翻弄され誤った判断ばかりを繰り返す。
その中で危機管理の現場で様々な経験をしている官僚・内閣府企画官の文月裕美が奔走し「国(顧問団)VS.官僚」の構図の中、首都崩壊の危機に立ち向かうストーリー。
なぜ政府は「有識者」と言われる顧問団の言いなりなのか。
なぜ政府と官僚は対立するのか。
なぜ情報規制、通信規制は行われるのか。
なぜ3.11のような悲劇が起こったのか など。
フィクションとはいえ世の中の裏側が垣間見え、なおかつエンタメとしてとても面白い作品。
イメージ的には、現実的な「シン・ゴジラ」。東京を破壊するのがゴジラではなく災害というところ。さらにシン・ゴジラとの違いは、政府は頼りないだけではなく次の政権奪取をもくろむ黒い影がうごめいているという点。
中だるみが全く無く読み始めると一気です。
本当にオススメ。
Posted by ブクログ
2021.7月で、ちょうど熱海市の土石流がありました。内容がリアルすぎで、今の政界とダフって読む。最後の展開で涙が湧き出てきました。良かったです
Posted by ブクログ
⑥モデルにされているのは東日本大震災の時の当時の予党の対応(事業仕分け批判や総理が現場に乗り込むところ)最後の空挺団のシーンはカッコ良かったですね。
Posted by ブクログ
勿論ノンフィクションなのだが、いろいろな真実を基にした示唆に富んだ災害クライシスノベル。勿論エンターテインメントではあるのだが、同時に危機マネジメントを考察できるエンタメビジネス書として読んでも面白い。
Posted by ブクログ
関東を襲う竜巻、豪雨がもたらす人々の混乱、それらと同時に進行するもう一つの危機があった…。その危機に必死に対応する主人公の文月の姿が描かれる。ストーリーはあちこちし、書き込みも丁寧ではないが補って余りある彼女の奮闘に引き付けられる
Posted by ブクログ
3.5
関東地方が巨大竜巻と豪雨に見舞われる。
荒川が決壊し、被害は甚大に。東京がカオスとなる。
政府の対応がひどすぎて笑える。
溺れかけたが助かった男性を見舞いに行こうとするパフォーマンスだけ見せつける畠山総理。そのヘリがまさかの丸の内の広場で墜落し、その下の群衆が巻き込まれ凄惨な事態に。愚行すぎて笑えない。
福島原発を視察に行った菅直人をモチーフにしてるんだろうな
おそらく石破内閣だったらこんな感じでグダグダと後手後手になって被害が広がっていくだろうなと感じた、
高市政権になってほんとによかった。