安生正のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
面白かった!
パニックサスペンス、パニックエンターテイメントです。
映像で見たい!
ゼロシリーズ3作目。前作「ゼロの迎撃」の規模を大きく上回る関東壊滅、日本壊滅の危機です。それをどう乗り越えるかのストーリ展開です。
今回は、関東平野で活性化した火山活動に政府、ゼネコン技術者がどう立ち向かうか、といったはらはらドキドキのストーリです。
当然最後はアルマゲドンよろしくの展開となっています。こういったベタなストーリ展開には弱いんです(笑)
しかし、説明っていうかディテールが細かくて長くてつらい。
ゼロの迎撃では武器の説明の細かさでうーんと思いましたが、今回は、関東の地層学の話や、ゼネコンの工法 -
Posted by ブクログ
<ゼロ>シリーズの三弾目。
今回は、地震により関東地方が絶滅の危機に瀕するかという現実感たっぷりのパニックサスペンス。
北関東から始まった大規模災害が、やがて東京に押し寄せる。
しかし、この事象は効率性ばかりを考え技術的検証をおろそかにした人類の都合で進められたプロジェクトがもたらしたもの?
それを阻止するべく開発技術者が立ち上がる。
太平洋プレート、マントル、マグマ溜まり、関東フラグメント、あるいは関東造盆地運動等々、地震関連用語が飛び交い、まるで大学の講義録を読む様。
巻末の主要参考文献の数々が、著者のこの作品に対する意気込みを伝える。
「今ここにある危機」として、首都直下地震が語られてい -
Posted by ブクログ
ネタバレ安生正の2冊目。
解説者が記した「圧倒的なリーダビリティ」の一言に、納得。
同様に、「カセ」の効き具合もばっちり。
そして、身に染み入り過ぎて痛いくらいのリアリティ。起きている事件はとうてい現実味など沸きようもない程のスケールで、まあ、フィクション中のフィクションである。
しかし、中国の陰謀であったり北の思惑であったり等は、あり得てもおかしくないと感じられる。
そして何より、有事の際の政府の動き・・・、法に縛られて即断で動けずに緊急時には後手に後手にと回らざるを得ない自衛隊。
法令遵守に拘って現場の足を引く審議官。
取材の自由と報道の自由をたてに動いて招いた結果を政府の怠慢だと罵る、マ -
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面白かった!
前作の「生存者ゼロ」を大きく上回る作品だと思います。
前作は、後半SFっぽくなってしまい、後半は若干興ざめでしたが、本作はリアリティを感じられる作品となっています。日本における有事の際の問題点を浮き彫りにしている作品です。
ストーリとしては、大型台風の中、東京をテロ組織が襲ったときの日本の対応ということになります。有事の際に本当に自衛隊が活動できるのか?日米安保が機能するのか?とりわけ、東京という市街地での事案に対応できるのか?いろいろ勉強になりました。
作品のプロットは以前に読んだ麻生幾さんの「宣戦布告」を思い出します。あれも、有事の際の自衛隊の課題、日本政府の課題を浮き -
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「生存者ゼロ」に続いて、同著者のサスペンス小説を楽しませていただきました。
有事法制の欠陥や運用の難しさをテーマとした小説は多々ありますが、本書は日本政府が想定していないとする「市街戦」ての各ステークホルダーの課題を浮き彫りちしています。
中国で訓練を受けた北朝鮮の精鋭部隊を、国際的にも評価された司令官が指揮したとき、警察や自衛隊をどう動かすかという難しいイシューを、法律解釈やマスコミ対策、外交、権力闘争を交えて、複合的にストーリーが展開させる傑作です。
やはり、事前の(平時の)インテリジェンス、情報収集が大切であると実感させられました。
強いて言えば、一連の戦闘の最後が少し尻つぼみのように -
Posted by ブクログ
自衛隊に所属する主人公が隔絶した北海道洋上の採掘施設で見たのは、
内側から破裂したように全員死んでいる光景だった。
ウイルス感染も疑われる中、今度は道東で町が一夜にして同様に滅んだ。
国は、そして主人公達は……という話。
パニックホラーというよりは、いわゆる災害対策モノ。
軍の主人公が色々あって制約の中独自に動いて危機を救うみたいな。
面白かったなーと思う反面、お約束のように無能な政府とか、
腰の重い対策とかでお腹いっぱいになったのも事実。
地に足のついた説明でリアリティがあるし、手堅い印象だった。
未曾有の大災害に立ち向かうチーム!みたいなのが好きなら
オススメ出来る一冊だと思う。