安生正のレビュー一覧
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もんのすごいハードなボイルド(^ ^;
ありえへん数の人が死ぬし、その描写がまた
リアルでぐろで、食事中には読まない方がいい(^ ^;
...が、小説としてはものすごいリーダビリティ。
緻密な設定で「今そこにある危機」を浮き彫りにし、
他人事では無いリアルな恐怖が襲いかかってくる(^ ^;
いざこうなったら、日本は、東京はこんなに脆いのか、
たったこれだけの人数で、こんなに短時間に
「手も足も出ない」状況にされてしまうのか....と、
かなり絶望的な気持ちにさせられる。
闘う男達の活躍で、一応最悪の事態は免れるが、
今回の騒ぎすら実はもっと「大きな悪意」の
第一波に過ぎないのでは、という -
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日本を舞台にしたテロを題材とした小説の中でも群を抜いて面白い。こんなミステリー作家が日本にいることに読者として感謝したい。しかも、安生氏は本作品で二作目の新進気鋭の書き手ある。これからが実に楽しみである。さて、本作品の醍醐味は大胆なフレームに緻密なディテールを組み合わせ、緊迫する場面を繋ぎ合わせ物語を紡いだ点にある。さて、物語は東京に未曾有の台風が接近する中、複数のテロが同時発生することから始まる。錦糸町のマンションに立て籠もった正体不明のテロリストは、警察の特殊部隊であるSATを殲滅させる武器と練度をもっていた。召集された官邸危機管理センターには都内各所で爆発の報告も入っており、この事案が警
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Posted by ブクログ
少し前に鬼怒川が氾濫する災害があったが、丁度あのような天候時に重火器で装備した数百人のテロ組織が東京を襲うというお話。予告された東京殲滅のタイムリミットは翌早朝。
自衛隊の活躍を描いたお話で、前作「生存者ゼロ」も面白かったが、こちらの方が更に進化した感。あっちはSFだったのが、こちらはいかにも起こりそうな危機管理のシミュレーション小説だったからね。
ノンストップ小説と言っても良いのだろうが、それにしても前半の国防会議の、法律解釈がああだこうだという描写はまだるっこしい。ここは、さらっと流し読み出来たので、迫真感もあった。
こういうのを読むと、安保法案の建付けに問題はあるかもしれんが、中身 -
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次々に日本が、東京が追い詰められていく、怒濤の展開。感想はとにかく「悔しい」の連続。
主人公をはじめ、関係者すべてがあまりにも格好良い。一人、また一人と、登場人物が覚悟を決める姿に、その度に圧倒される。果たして自分がこの場に置かれたらこんな決意はできるだろうかと思わされる。
法律や自衛隊の知識から戦闘の描写、東京の災害対策まで、本当によく調べられていて、勉強にもなる。合理的で簡潔な説明を求める人や、法律関係に詳しい人にとっては長ったらしく感じられるかもしれないが、この長い説明がかえって読む側の焦りを煽る。とにかく素早く対処すべき事態に制度上の様々なハードルが立ちはだかりやきもきしている主人公た -
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ネタバレおもしろかった!日本を襲う未知の感染症。パニックサスペンス的な位置付けなのかな。
最初は本土から離れたプラットフォームでの大量死、そしてその死が北海道に上陸し、やがて本州へ…どういう細菌なの?なんで助けを呼ぶ間もなく人が死ぬの?文系には難しい単語が多いな…とおもしろいけど難しいなーとなりながら読んでたら後半まさかの!
そっからはおもしろさが一段跳ね上がった。
まさか最初の冨樫博士の奥さん由美子さんの死がミスリードになってるとは。
そして最終的にシロアリから羽アリも誕生して彼らが相互干渉によって潰し合い、撃退方法が発見される。マッドサイエンティスト冨樫は亡き息子の代わりに新たな命を救う…。流 -
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ネタバレあらすじ
北太平洋に浮かぶ石油掘削基地で、職員全員が謎の死をとげた。その死体は全身が壊死する異様な状態だった。テロか、感染症か。自衛官の廻田と感染症学者の冨樫がその謎を追う。
感想
パニック小説としてとても面白かったです。
恐怖や緊迫感の演出が上手く、引き込まれました。
先が気になり、一気に読み終えました。
反面、冗長に感じる部分もありました。
神だの何だの、スピリチュアルな描写が話の間に挟まってくるんですが、特にオチもなく意味がよく分からない。
また民主党を揶揄する無能政権が、子供じみた分かりやすい悪役として描写されていて、その捻りのなさは風刺というより作者の個人的な嫌悪に感じられま -
Posted by ブクログ
ネタバレ新生物の脅威に立ち向かう登山家達のSFパニック小説。
このミスシリーズの作品ではある物のミステリーの要素は少なく、どうやって新生物に立ち向かっていくのかというパニック小説の部類と役人と民間人の攻防による人間ドラマ、そして今回の3人の調査人の家族との濃密なやりとりの家族ドラマの軸で描かれている。
新生物の生態の生々しさやそれに襲われ人が亡くなっていく様子がとても怖かったです。その原因になったのも人間の開発というのも現代の問題に繋がってるように感じました。そんな殺伐とした中にも甲斐家の家族仲がゆっくりと修復されていくのはとても読んでいて面白かったです。母親の死をきっかけに気まずくなってしまった関係