門田隆将のレビュー一覧

  • 記者たちは海に向かった 津波と放射能と福島民友新聞
    新聞記者とはなんと因果な商売なのだとつくづく思いました。『何かを伝えようとする使命と責任、人々と触れ合うことで逆に生じてしまう軋轢や重荷、人間の喜びや哀しみと向き合う覚悟……そこにあるのは、一体、何なのだろうか。』(414ページ)もうすぐ震災から9年、門田隆将さんのこの本に出会えて良かった。
  • 死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日
    映画公開に備えて読む。本書を元に作られたNHKの特集なども見てみたが、それでさえ伝えきれないことが多々あったようだ。地理上日本はある程度の災害を受けざるを得ないのは分かるが、東條英機や村山、菅など能力に欠けた者が政権に就いた時、特に激しい厄災に見舞われるようである、選挙は慎重を期さねばならないことを...続きを読む
  • 新聞という病
    一部野党や一部マスコミの報道には、最近、非常に腹だしさを感じていたので、とても共感できる内容でした。
  • この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡
    改めて台湾海峡を地図で見ると、廈門に隣接する金門島が台湾領であることに驚かされる。元日本陸軍根本博中将が台湾に密入国し、古寧頭戦役における国府軍の顧問となりその勝利に貢献していた。日台両国民にもっと知って貰いたい。60年を経て埋もれた史実を掘り起こす著者の取材力に圧倒された。
  • 日本、遥かなり エルトゥールルの「奇跡」と邦人救出の「迷走」
    エルトゥールル号の遭難者の救出に力を尽くした串本の人々の話は知っていた。しかし、テヘランからの日本人を救出したのがトルコだったとは知らなかった。恥ずかしい。トルコについてもっと知りたくなった。また、海外で活躍する邦人を自衛隊が救えない現在の法規制は直ぐに改正すべきであることがよくわかった。本書は、多...続きを読む
  • 慟哭の海峡
    パシー海峡の戦闘で奇跡的に生還し後の人生を戦友たちの鎮魂に捧げた中嶋秀次氏と同じ戦闘で弟を亡くしたやなせたかし氏のノンフィクション。いまの平和な時代はこうした数多の方たちの犠牲の上にあることに感謝しかないです。そして、自分より優秀な下のきょうだいを亡くしたやなせ氏の無念が痛いほど分かります。アンパン...続きを読む
  • オウム死刑囚 魂の遍歴 井上嘉浩 すべての罪はわが身にあり
    ・仮屋さん拉致の時の警察がクズ。このこともっと追求したのだろうか?地下鉄サリン防げたんじゃないの?
    ・再審請求中の人を死刑って。法務大臣全く精査していない。法務大臣と取り巻きがクズ。
    マスコミが作り上げた井上さんとこの本に出てくる井上さんは全くの別人。真摯に向かい合って助けてあげたいと思った人たちに...続きを読む
  • 新聞という病
    本書が伝えていることとは、
    新聞をはじめ、マスコミュニケーションの世界では、印象操作といわれる作為的な記事・報道により、事実とは異なる印象を与えて、ある思想を押し付けることを主目的に世論形成をしようとしていることがある。情報の取捨選択がとても大事だということ。
    はやりの言葉で言えばフェイクニュースと...続きを読む
  • この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡
    台湾には “雪中に炭を送る” という言葉があるそうです。一番大変な時に素早く手を差し伸べてくれる台湾。その理由はこの本にあるのではないでしょうか。
    戦後の台湾を救った日本人、根本博陸軍中将、戦時中敵だった相手から、終戦で日本の国と人を守るため貰った恩義、この事実にも驚きました。軍の正史、報道の伝えて...続きを読む
  • 奇跡の歌~戦争と望郷とペギー葉山~
    ペギー葉山といえばウルトラの母というイメージです。緑のおばさんといえばペギー葉山という刷り込みが有ります。子供の頃の印象というのは根深いものであります。
    当然歌手であることは知っていましたが、近代ポピュラーミュージックの偉人と申し上げても過言ではありますまい。この本を読むと特にそう思います。
    ペギー...続きを読む
  • オウム死刑囚 魂の遍歴 井上嘉浩 すべての罪はわが身にあり
    オウム死刑囚井上嘉浩氏について。読めばわかるが彼は死刑ではなく無期懲役であるべきだった人。日本の裁判の理不尽さに驚愕する。と同時に、これだけ知的で真面目で純粋だった若者を心酔させ間違った道に導いた麻原彰晃の罪の大きさに今更ながら震撼する。
  • オウム死刑囚 魂の遍歴 井上嘉浩 すべての罪はわが身にあり
    前書きにもある通り、門田作品初の加害者サイドのノンフィクション。これを超えるノンフィクションに今後あえないかもと思わせる、井上嘉浩&門田隆将の合作ともいえる魂の書。読めば読むほど落涙を禁じ得ない。井上の悟りの極致ともいえる「自分自身の内側に宿っている仏性こそが究極の真理」の件には魂を揺さぶられるほど...続きを読む
  • オウム死刑囚 魂の遍歴 井上嘉浩 すべての罪はわが身にあり
    2018年に読んだ本で1番印象に残った作品になった。井上嘉浩という人間についてマスコミ報道と違った形で理解出来た。皮肉にもオウム脱会をして後にこの人は悟りを開いたのだとおもう。

    そして逮捕後に死刑が確定した後に「支援する会」がオウムとは関係ない人々によって立ち上げられたことがその人間性を物語ってい...続きを読む
  • 『週刊文春』と『週刊新潮』 闘うメディアの全内幕
    競い合うように数々のスクープを連発し、権力に挑み、大物のクビを飛ばし、事件の真相を追い、人間の真実を描いてきた『週刊文春』と『週刊新潮』。両誌の歴史と内幕を知り尽くしたOB2人が、すべてを語り尽くす。

    芸能スキャンダルを連発して一時期「文春砲」と持て囃された『週刊文春』も、部数は10年前の71%、...続きを読む
  • 慟哭の海峡
    人としての出来の良し悪しというのは、命の重さに関係はないけれど……、それでもやはり大変優秀な若者が亡くなったという悲惨な事実。忘れ去られて行っているという厳しい現実。
    大正5年生まれのおじいちゃんと同世代だから身近に感じることもあり涙が止まらない。
    戦争は否定してもいいけれど、命を懸けて日本を護って...続きを読む
  • 蒼海に消ゆ 祖国アメリカへ特攻した海軍少尉「松藤大治」の生涯
    戦争の時代、多くの若者が亡くなった。日本にとってどれほどの損失であったかと思い、悔しくてたまらない。彼らはそれがその時代の逆らえない現実ととらえ、特攻に行く前日にも文句ひとつ言うことなくその目的に向かうことだけを考えていた。強い精神力を備えていた。こんな時代を二度と迎えてはいけないし、また今自由に意...続きを読む
  • リーダーの本義
    元週刊新潮の編集長の門田隆将氏、各分野での深い取材力に感服するとともにその思想にも共感を覚える。 リーダーの本義はその存在意義を慮れば自ずと見えてくると筆者は言う。正誤は別として本義に忠実に生きる人が本物のリーダーであると。 取り上げられた何人かの中、最も琴線に触れたのは、戦後に台湾を救った事で有名...続きを読む
  • 裁判官が日本を滅ぼす
    司法制度改革で改善されてはいるだろうが、裁判官の正義、公正なんてものは微塵もないと痛感。数多の裁判の特殊事例とも言えるが主文のレベルも酷い。 裁判は国家が犯罪者を裁く場で、被害者の居場所はない。 退役後を考えた結果ありきの判決が多く医療、銀行への勝訴は至難の技。 加えて少年の非行が対象の少年法が、少...続きを読む
  • 尾根のかなたに 父と息子の日航機墜落事故
    横山秀夫さんの「クライマーズハイ」を読んだことで、日航機墜落事故に興味を持ち、本書を拝読するに至った。
    1985年に起きた同事故は、私が生まれる前の事故であったが、事故の大きさから何度も耳にしたことのあるものである。
    当時のニュースや報道は見たことはないが、本書を読むことにより、事故の凄惨さや悲惨さ...続きを読む
  • 奇跡の歌~戦争と望郷とペギー葉山~
    今日ご紹介するのは、大野が誇る郷土・高知のノンフィクション作家・門田隆将先生の新刊「奇跡の歌 戦争と望郷とペギー葉山」である。

    大野が思うのは「門田先生はいつも絶妙ないい感じの日本人を取り上げるが、ネタが尽きることはないのかな?」ということだ。

    しかし、門田先生については、そのような懸念は不必要...続きを読む