日本、遥かなり エルトゥールルの「奇跡」と邦人救出の「迷走」

日本、遥かなり エルトゥールルの「奇跡」と邦人救出の「迷走」

1,600円 (税込)

8pt

なぜトルコは、助けに来てくれたのか? どうして日本は、助けに来ないのか? ――安保法制でも救えない、「日本国民の命」1890年に日本を訪れ、台風で難破したトルコ軍艦エルトゥールル号の乗組員を、日本人は必死に救助し、トルコまで送り届けた。それから95年を経た1985年、イラン・イラク戦争で危機に陥ったテヘラン在住の日本人を、トルコが命がけで救出してくれた。「危険だからこそ、我々が助けに行く」――その気概によって、国を越えて命が救われた事実は、我々の胸を打ってやまない。だが一方で、海外にいる邦人を救い出す法整備は後手にまわり、驚くべきことに、2015年の安全保障関連法改正でもなお、自国民の命を「救えない」状況が続いている。海外で危機に陥った日本人は、いかなる困難に直面するのか? そして、日本の近隣で緊急事態が起きた場合、我々は絶望の淵にある他国の人々の命を救うことができるのか? 本書は、イラン・イラク戦争、湾岸戦争、イエメン内戦、リビア動乱で死地を脱した数多くの邦人たちを取材し、日本が今も抱え続ける「邦人救出」の問題点を抉りだした。エルトゥールル号遭難の舞台となった和歌山県串本やトルコの描写も交え、「恩返しの奇跡」と「緊迫の脱出劇」の真実を明らかにする、魂が震える感動のノンフィクションである。

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日本、遥かなり エルトゥールルの「奇跡」と邦人救出の「迷走」 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2022年01月20日

    海外で日本経済の尖兵として働いている日本人の安全をどう守るか、救援機を飛ばすことが出来ない日本政府の実情はイーイ戦争時の邦人救出劇から湾岸危機、イエメン内戦、アラブの春のリビア政変に至る年月を経ても変わっていないと訴え、国と国民に問い掛けている。著者の問題提起は正に正鵠を射ている。イラクで人間の盾に...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年03月17日

    戦争や紛争で自国民が窮地に陥ったら、どの国も同胞を救おうとする。それなのに、日本はそれができないし、する努力もしない(ように思える。)。日本人を救ってくれたトルコに感謝するとともに、日本人は自国のあり方を問い直さなければならないと感じた。

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    Posted by ブクログ 2019年09月29日

    エルトゥールル号の遭難者の救出に力を尽くした串本の人々の話は知っていた。しかし、テヘランからの日本人を救出したのがトルコだったとは知らなかった。恥ずかしい。トルコについてもっと知りたくなった。また、海外で活躍する邦人を自衛隊が救えない現在の法規制は直ぐに改正すべきであることがよくわかった。本書は、多...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年01月18日

    [来てくれない。けど、帰りたい。]エルトゥールル号の遭難事件を背景とし,日・トルコの友情の証としてクローズアップされることが多いイラン・イラク戦争時のトルコ航空による邦人の救出。しかしそのときなぜトルコは航空機を送り出すことができて,日本は自国民の救出に乗り出せなかったのか......。その後に起こ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年12月01日

    さすがに門田隆将のノンフィクション作品は内容が濃いですね!海外の駐在日本人たちが戦火に襲われた際に、国外への脱出が容易ではないという問題点を当事者コメントや日本以外の国の対応なども巧みに織り交ぜて指摘し、いかに日本という国が駐在日本人の命に対して、無責任であるということを痛感させられました。
    紛争国...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年04月26日

    1890年のエルトゥールル号から時を経て、1980年代以降のイランイラク戦争、クウェート、イエメン等での日本駐在員の脱出に日本政府が現地へ助けを出すことができなかったことが非常に情けなく感じた。特にテヘランではトルコが日本人脱出に大きく貢献してくださったが、日本政府ではなく、豊田通商の方がおきく貢献...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年02月09日

    泣いた。
    いろんな意味で。
    いくつかのエピソード、海外の事件に巻き込まれた自国民の命を保護できない某先進国の話。

    売りだった、トルコのエルトゥールル号事件は、一生割くほどの話ではなかったが、それがあったからこそのエピソード。
    もともと日本人こそこうではなかったか。

    起きて欲しくないことは起きない...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年02月06日

    日本とトルコの友好の歴史という感動的なエピソードから始まるものの、日本の国としての歪さに恐ろしさと憤りを覚える読後だった。

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    Posted by ブクログ 2017年06月18日

    今の日本の危うさをシッカリとした取材に基づいて書いています。なぜこの事にいて議論されないのか!尊い犠牲がなければ変わらないのか?明日、自分の知り合いが巻き込まれるかも知れない事に目を閉じさせているメディアに憤りを感じます。

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    Posted by ブクログ 2016年09月04日

    【163冊目】特に日本において、邦人を海外で保護するのは極めて難しいという話。物理的な問題ではなく、法制度が人の命を救う障害になっているという話。

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