豊田徹也のレビュー一覧
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無料版購入済み
コーヒーにまつわる短編集。一つ一つのエピソードが、少しほろ苦かったり、ちょっと笑えたり、どこか不思議だったりと、色々な味わいがあって、それぞれ違う種類のコーヒーを飲んだ時のような優しい満足感に浸らせてくれる優しい物語たちでした。こういう作品大好きです。
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夫が突然蒸発、銭湯を切り盛りするかな。
組合からの紹介で働きたいとやってきた男。
探偵下請けの山﨑が追う、夫の行方。
人のことを本当にわかっているのか?そう、そんなことはわからない。でもわかったような顔をしてしまう。興味を持って聞かないといけないし、興味を持っていることが相手にとって本当に大切なことなのかもしれない。失ってわかる重さはいつも興味を持っているかどうか、から始まっている。
言いたくても言えなかったんだ、という夫の告白と、働いている男、そして過去の失踪事件がどれも重なり合っていく見事な構成と展開に、ぐっと引き寄せられていく感覚は本当に素晴らしい。心の底をえぐられたような、そんな読後感 -
Posted by ブクログ
ネタバレ初・豊田徹也
なんだこれ
凄まじい緊張感、迫力が全ページ、どのコマにも満ちている。
シリアスなトーンが通底していながらも、ところどころでコミカルな描写がしっかりと差し挟まれており、それらがシリアスさを中和するのではなく、むしろひとつの雰囲気の醸成に奉仕しているようなのが凄い。
主人公の描き方が良すぎる。
ジェンダーレスでハードボイルド、格好いいのもそうだし、人と改まった形で会うとなった時には「女性的」な身なりをしなければならないことの、なんとも言えない哀愁と切なさよ。
最後、出かける前に口紅を手に取っても結局つけなかったこととか、ビンタすると言ってマフラーをかけてあげることとか、凄まじい -
Posted by ブクログ
本家「蟲師」をモチーフに、5人の漫画家さんが短編書いてくれました。
どの話も、蟲と蟲師は脇役。人の営みの中で、不意に此岸と彼岸を行き来してしまった、まれな出来事として話は進んでいます。
本家でも同じですね。ギンコが存在しているので、彼が主導してるように感じますが。外譚でそこにきづいたりして。
登場人物としての関わり方が、蟲と蟲師と人々との関係に思えてとても好きです。
5本それぞれ面白いので、1番を挙げるのは難しいなぁ。読んだ時によって違ってきそうです。季節・年齢・感情それぞれに状況・状態でね。
読み返すたびに、好みが変わる作品というのは、新たな発見があるっていうこと。本好きにとって、幸せ -
Posted by ブクログ
ネタバレネットで評判になってて、ずっと気になってた漫画。
けど、近くの本屋でなかなか見つからなくて……。
この前寄ったときに見つけたのは嬉しかった。
なんか淡々とした感じの話だと思った。
初め、失踪した旦那が新しく派遣されてきた人だと思ってたけど、全然そんなことなかった。
途中でラブコメ入るのかなと思って、少しわくわくしたけど全然違ったよ。
脇役さんたちもいい味出してた。モブにならない。
最後の結末は、彼は再び主人公の元へ戻ろうとしている、という意味で取ったけどはたしてどうなのかしら。気になる。
いいお話でした。機会があれば、同じ作者さんの別の話も読んでみたいなあと思う。