豊田徹也のレビュー一覧

  • アンダーカレント
    以前から評判を聞いていて気になっていたのだが、いやはや期待以上に素晴らしい作品であった。

    細い線で描かれる、決して特別ではない市井の人々である登場人物たちの人生の機微に、心を掴まれる思いで一息に読んでしまった。読後はしばらく余韻に浸ってしまい、物事が手につかないほどであった。(これだから漫画を読む...続きを読む
  • 珈琲時間
    第3話 すぐり
    第5話 KIKI The Pixy
    第8話 リトル・ガール・ブルー
    第10話 冬の波乗り
    第11話 きりん
    第12話 CHOPPED TOMATO PUREE


    探偵の山崎がすきで
  • ゴーグル
    世界のトヨダの短編集。描かれた時期が疎らで、デビューからの軌跡をたどるのに良い一冊になっています。

    表題作「ゴーグル」だけでなく「ミスター・ボージャングル」「とんかつ」「海を見に行く」、シリアス系の作品は家族のお話。どれも違うのですが、根本には家族の苦しみと葛藤が共通しています。家族だから、家族な...続きを読む
  • ゴーグル
    標題のデビュー作を含む短編集。

    近年、一番アフタヌーンらしい作家と思っている豊田徹也の短編集。この人の作品はニューウェーブと言われた作家の影響をガッチリと受けつつも現代の軽さ関係性の薄さを心地よく描くから好きだ。人間同士ってそれほど熱く濃く付き合っていけないよね。でもそのさらりとした空気の中にもそ...続きを読む
  • ゴーグル
    ひさびさに気持ちが落ち着く漫画を読みました。
    この人、作品少ないけど、どれも深くてしみじみした内容と雰囲気で、好きなんです。
    この本を含めてやっと三冊。しばらく新作をみてないけど、漫画はもう辞めてしまったのかな…と思ってたら、この本が出ました。もっと読みたいけれど、無理して描くのは難しい作風...続きを読む
  • アンダーカレント
    中年になって漫画を余り読まなくなった。雑誌を見てもすぐに読み飛ばしてしまう。年のせいだと思っていたが、この本は珍しく1コマも読み飛ばさずに最後まで一気に読んだ。一見地味に見える絵やストーリーなのに、実はかなり考え込まれて作られているのだろうか。でもサラっと読める。そして読みたい時に、すぐに読みたい所...続きを読む
  • 珈琲時間
    コーヒーにまつわる短編集。というより、コーヒーがある時間という感じか。
    絵もストーリーも凄く良い訳では無いけど、ほんわかというかまったりという感じの空気が流れていて、個人的にとても好きな一冊。
    表情も生き生きしていて良い。
    嘘つき映画監督とストリートミュージシャンの話が好み。

    コーヒー飲みたい。
  • 珈琲時間
    喫茶店から海辺まで。渦巻く人間模様にそっと寄り添うように、そこには1杯のコーヒーがあります。気を張って読まなくとも、何気なく読みたいときにさらっと読める漫画。
  • 珈琲時間
    ・キリン!!・ときに場をつなぎ、人をもてなし、空気を緩和し… 珈琲っていろんな用途があるんだなぁ。珈琲をテーマにした連作短編集。読み終わったときに、よく出来たショートフィルムを見たような、没頭した世界から現実にふっと戻ってくるあの感覚を味わえる、珠玉の作品だと思う。映画『コーヒー&シガレット』と似て...続きを読む
  • アンダーカレント
    「自分のことをわかって欲しい」と言えない苦しみ。それは薄っぺらい承認欲求とは違って、本当は自分の心の奥底に沈めたままにしておきたかったものをさらけ出すことへの恐怖があるからだろう。そして、わかってもらおうとすることをあきらめた閉ざされた心は、他人のそれに気づかなかった。夫がある日突然何の理由も言わず...続きを読む
  • 珈琲時間
    20220717

    話の中にコーヒーがとりあえず出てくるオシャレな超短編漫画。

    とにかく絵が上手い。

    結局、コーヒーってオシャレって事かな。
  • アンダーカレント
    物語に大切なものは何かと聞かれたら、その一つに「リズム」と答えたい。著者の作品は初めて読んだけれど、回想や風景の差し込み方は映画的であり、細やかに演出されたリズムに乗って物語に没頭することができた。
    大切なものの喪失=不在が、アンダーカレントの姿を明らかにする。痛いほど分かる。再会の場面で語られた悟...続きを読む
  • アンダーカレント
    登場人物が少なめなのに、物語が浅いわけでもなく、書きたいことが明確にあって、それをキレイにまとめている、といった印象を受ける、良いお話でした。
  • アンダーカレント
    静かで、ともすれば盛り上がりに欠ける作品だけど、どこまでも映画的で、繊細な描写で、タイトルやイメージのとおりにじわじわと水に沈められて行くように胸に迫ってくる読後感。

    人間ドラマ。本当にそのまま人間ドラマ。自分と他者を理解することとは?常にその問題を投げかけてくる。
    淡々と進むしキャラクターの感情...続きを読む
  • 蟲師 外譚集
    蟲師のアンソロジー(^^)漆原友紀さんの蟲師はギンコ以外がみんな和装だから少し昔の話というイメージなんだけど、この本は現代の景色や服装もあって「あぁ蟲師って現在も受け継がれているんだなぁ(*´-`)」となんだか嬉しくなった♪5作品どれも良いけれど、吉田基已さんの作品が好き!(^^)
  • 蟲師 外譚集
    蟲師の世界観をつかって他の作家さんが漫画をつくったらという本。
    今井さんと熊倉さんは前から知っていて、特に熊倉さんはもっけで不思議な世界を扱っていただけに、いかにも蟲師らしい、そのまま出てきかねないんだけど、「蟲の仕業ではない」ものも出てきて非常に面白かった。今井さんのは団地団のネタ的な、駅漏れだっ...続きを読む
  • アンダーカレント
    漫画を褒めるのに映画的文学的というのはどうかと思うが、どうしてもそのフレーズが浮かんでしまう。
    すなわち行間がある。コマとコマの間に、描かれていない人物の表情があり、それが読み手に降りてくる。
  • 珈琲時間
    オムニバスとしては面白いけど、物語とコーヒーの繋がりはほぼないような…?
    せっかくコーヒーを主題においたような作品タイトルなんだから、コミュニケーション手段以外のコーヒーの活用法も見てみたかった。
  • 珈琲時間
     短編のマンガでそれぞれのストーリーで必ずコーヒーがでてきます。何か行動起こす前に「まあ、コーヒーでも飲んで・・・」という感じです。

     日常でもコーヒーはよく飲むので、この気持ちはすごくよくわかります。何かあったらコーヒー、何かする前にコーヒー、そして何もなくてもコーヒーなんです。

     もし世の中...続きを読む
  • アンダーカレント
    銭湯「月之湯」を継いだ主人公・かなえには夫が居たが、2ヵ月前に突如失踪。暫く営業を休んでいたが、改めて再開することにした。組合から技師である堀を紹介され、彼の寡黙ながら真面目な仕事ぶりに助けられつつ、順調に銭湯は運営される。しかしかなえには夫の失踪のほかに、ずっと心の奥に閉まっていた辛い過去があった...続きを読む