矢口敦子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
主人公を好きになれない。
やっぱり主人公か、せめてサブ的な登場人物にでも、感情移入しやすい魅力的な人物がいてほしい。
人を殺して自殺した恵哉が、むしろ一番人間らしく魅力的と言える気がする。
木綿子は、終始頭のぶっ飛んだ人だった。
自分の子供が人を殺したら…
母親というものは、盲目に無実を信じこむのではなく、絹恵さんのように自分の育て方や間違いに思い悩むものではないだろうか。
それくらい、子供と母親は一番近く、相手の事など知らないものだ。
その距離が正しいと思う。
この作品は、償い、赦しと並んで有名らしいが、他のものに比べて、あまり好みではなかった。 -
Posted by ブクログ
Ⅱの冒頭は尾崎の遺書、Ⅲは根岸の最期の言葉ということでいいんでしょうか。
文章全体には不快ともいえるほど張り詰めた空気が流れており、物語も胸くそ悪くなるようなもの。まして主人公のうち一人はぶっ飛んだ性格で、読者が追いつけないような思考や行動にいきつくのもしばしば。「良い本」とは中々言えない内容だと思います。
しかしながら独特の空気感、文章力、先が見えるようで見えない展開など、不思議な魅力があるのではないでしょうか。手放しで褒めるほどではなかったのすが、引き込まれるものはありました。
裏表紙にはミステリ、とありますが謎解きがメインではなかったですね。人間関係(特に絹恵と実家関連)が魅せどこ