あらすじ
高校教師の安優海は、臨月を迎え産休中。大学研究職の夫が寝言で女性の名前をつぶやき、浮気を疑い始める。研究室の女性ではと疑心暗鬼になり、定期健診の後、夫の職場に向かおうとするが……。同僚教師の傷害事件を知らされたり、卒業生と偶然再会したり、予測不可能な事態が次々に起こり……。東日本大震災からの再生と家族の希望を描く。心揺さぶる衝撃の問題作。
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Posted by ブクログ
妊婦である安優海は高校教師だ。
臨月を迎え、産休を取っている。
そんな時、夫が寝言で同じ研究室の女性の名前を呼んだ気がした。
そこから浮気を疑い始め、その相手に会いに夫の職場へ行く。
しかし、同僚の傷害事件や卒業生との再開や、身重にも関わらず次々と思わぬことに引き込まれていく。
何かわからないけれど、安優海の行動に違和感を感じ始める。
ハッキリとは描かれないけれど、東日本大震災に繋がる物語であり、そこで受けた大きな心理的な被害が描かれている。
2018.6.3
Posted by ブクログ
裏表紙に「東日本大震災からの再生と家族の希望を描く感涙ミステリー」と書いてあったけれど、読んだ印象は違った。
主人公は高校教師で産休中の安優海。とあることから突然夫の浮気を疑いはじめ、定期検診のあとその疑いを晴らすために行動に移すところから物語が始まるのだけど、臨月の妊婦なのに1日いっぱいこんなに行動的でいいのだろうか、とか、起こる出来事が衝撃的なことが多すぎて、しかも何かちぐはぐで、たまに見る繋がりがおかしい夢の中にいるみたいな気分になった。
終わりまで読んでその理由は分かるのだけど、何かすっきりしない終わり方だった。
ミステリであり、物理的要素があり、面白くはあるけれどしっくり来ない感じ。そのしっくり来ない感じが要の作品なのかもしれない。
ただ、東日本大震災で傷ついた人は想像以上にいて、この主人公のような傷つき方をした人もいるのかもしれない、ということは思った。
居る場所や状況、様々なタイミングが分かつ生死。それを運命と言いたくはないけれど、他にどういう言葉で表せばいいのか分からない。