矢口敦子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
三年ぶりに著者の本を買いました。
相変わらず面白かったです。
実際に今日のニュースで流れても違和感のない、それこそ自分自身が巻き込まれてもおかしくないような出来事を取り上げる書き方は、一部の人にとってはつまらなく、退屈かもしれません。
しかも、どの人が必ずしも悪いということもなく、どの人が必ずしもいいというわけでもない。
だから、読めば読むほど登場人物たちが、行動が好きなのか嫌いなのかもわからなくなってきます。
どの人物にも共感を感じ、どの人物にも反感を覚える、そんな腑に落ちないのとも少し違う、不思議な感情が残ってしまう小説かもしれません。
しかし、先で待っているものが気持ちいいものでないことを、冒頭ですでに予感させてくれる優しさは、この本とこの著者が好きな理由の一つです。
予感を感じながらも、登場人物たちのこれからと、この著者なりの物語の終点が見たくて、先へ先へとページを進めてしまいました。
そして、最後に少しだけ輝く希望は、今を生きる、現実を生きる私達が感じる生きる理由や、喜びと同じような気がします。
どこにでもいそうで、誰でも感じたこと、考えた事があるという現実感と、物語にしかできない善と悪の配分や希望、救いは、そのままこの著者の現実のこの問題や許しと、その解決への期待なのかなと勝手に思いました。
印税は「未来の福島こども基金」に寄付されるそうです。
少年や少女の心理描写が上手い、この著者らしいと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ父親が電車内での痴漢の疑いをかけられ、その行為をとがめた若者が電車に轢かれ事故死、父親も病院から飛び降り死ぬ。中学生と高校生の2人娘の平凡な平和な家庭が崩壊してゆく。妹はいじめにあい自殺し、母親はアルコール中毒で病死する…不幸が積み重なる。これが過去。
10年後、姉は看護師になり、死んだ若者の妹が患者として再会し、真実が明らかになってゆく。これが現在。
過去と現在が章立てで交互に話が進む。結局は痴漢は冤罪であり、死んだ若者が金策のために計画した美人局であることが最後にわかる。
登場する人物たちは、ほぼ不幸。しかし主人公たる姉が前を向いて歩き出すエンディングだったことだけが救いか。
痴漢冤罪、怖い。
埼京線に乗りたくない。