矢口敦子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ●テンポ
場面場面でメリハリがあり、文章量もちょうど良かった。
しかし、女医の友人は必要だったのか?
彼女の出番がない方がスッキリしていたと思う。
●表現
難しい言葉は使っていないのに、平易になりすぎず、文学としての読み応えがあった。
●テーマ
殺人と対比される心の傷というテーマは数多いが、作者が本当に問題意識として感じているのだろう。
実感が小説から滲み出てた。
●キャラクター
キャラクターはどれもしっかりと生きていて、「誰」が何をしているかが明記されていなくても、読み手が勘違いすることがないだろう。
ただ、日高と真人は似ているように感じた。
2人の会話は時折、1人の男の独白のようにも -
Posted by ブクログ
終わり際数ページ、主人公と少年の二人のやりとりは〈やっと来たか!!〉って感じでしたね。(?)
ただなんとなく物足りなく感じてしまうのは、帯や広告の触れ込みで主題が先に知らされてしまっていたせいかな…と思ったり。
人はどんなに苦しくても生きるべきか?ということを考えさせられるお話です。
が、最後まで読んでもその確固たる答えが分かるという感じはしません。
きっとそれは物語に登場する人物達が、私と同様に迷いながら少しずつ進んでいて時に道を誤ったりもするから。そういった意味では等身大の小説だと感じました。
登場人物ほぼ全員が不幸なのが、ちょっと物語過ぎたかなぁ… -
Posted by ブクログ
裏表紙に「東日本大震災からの再生と家族の希望を描く感涙ミステリー」と書いてあったけれど、読んだ印象は違った。
主人公は高校教師で産休中の安優海。とあることから突然夫の浮気を疑いはじめ、定期検診のあとその疑いを晴らすために行動に移すところから物語が始まるのだけど、臨月の妊婦なのに1日いっぱいこんなに行動的でいいのだろうか、とか、起こる出来事が衝撃的なことが多すぎて、しかも何かちぐはぐで、たまに見る繋がりがおかしい夢の中にいるみたいな気分になった。
終わりまで読んでその理由は分かるのだけど、何かすっきりしない終わり方だった。
ミステリであり、物理的要素があり、面白くはあるけれどしっくり来ない感じ