伏見威蕃のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読書を愛する気弱で内気な白人のラリーと、活発で大人びた黒人のサイラス。少女の失踪事件を軸に、この二人の人生が交錯していきます。1970年代のミシシッピ州の風土や人種問題を背景に、サスペンスを盛り込んだヒューマンドラマになっていました。
25年前の少女失踪の容疑をかけられたラリーの人生は、街の人々から疑われ、虐げられ続けた孤独なものです。周囲からの冷たい視線や仕打ちは残酷なものですが、それ以上に、その状況を甘んじて受け入れ、孤独に慣れ親しんでしまうラリーの弱さが悲しい。
対して、活発で明るく、現在は治安官として活躍するサイラスも、過去から目を逸らし続けて自分の弱さを見ないように生きている、こ -
Posted by ブクログ
著者は元SAS隊員という経歴を生かして、今まで10年、冒険小説を書いてきた。本書で13作目。私にとっては、デビュー作「襲撃待機」以来の読書。妻子が爆弾テロの犠牲になった元SAS隊員のウィル。以来傷心の日々を過ごしてきた彼は、ある日依頼を受ける。CIAのスパイ、アフメドが、組織を裏切り、ロンドンへのテロ計画を進めている。その計画を阻止してほしい。妻子の死もアフメドの仕業であることを知ったウィルは現役隊員3名とともに、アフメドの姉が捉えられているアフガニスタンへ向かう・・・。単なる「潜入・奪還」でなく、何回もひねりのある物語。まずまずでした。