広瀬正のレビュー一覧

  • T型フォード殺人事件(広瀬正小説全集5)

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    表題作ほか2編を収録の中短編集。表題作が素晴らしい。T型フォードでの密室殺人に注目させておきながら、過去編と現在編という枠構造を利用し意外な犯人を演出している。これが昭和40年代に書かれていたとは!!。

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    2010年08月03日
  • タイムマシンのつくり方(広瀬正小説全集6)

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    広瀬正のタイムマシンのつくり方を読み直しました。タイムマシンをテーマとした短編やショートショートが掲載された広瀬正の初期作品集でした。主にタイムマシンで過去を改変したら現在はどうなるのだろうか、というパラドックスをテーマとした短編が多かったようです。これで、広瀬正小説全集の文庫6冊を再度読み直したわけですが、やはり一番面白かったのはマイナス・ゼロでしょうか。最初にこの物語を読んだのは多分20年くらい前でしたが、この物語の中に登場する、ある女性の印象が強く記憶に残っていました。その女性はタイムマシンで過去に戻って過去の時代で出産するのですが、その娘は実はその女性本人で、成長して現在のタイムマシン

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    2011年07月18日
  • 鏡の国のアリス(広瀬正小説全集4)

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    中・短編集です。

    表題作のオチは、「ツィス」と「エロス」を足した様な感じです。

    でも、この小説のおもしろさは、鏡に関するウンチクにある気がします。
    途中から、さっぱり、理解できなくなるのですが、でも、そういう、ウンチクを聞くのは好きです。

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    2010年05月11日
  • T型フォード殺人事件(広瀬正小説全集5)

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    広瀬正のT型フォード殺人事件を読みなおしました。以前読んだ広瀬正の文庫を再度読み直しています。広瀬正というとタイムマシンSFのイメージが強いですが、こんなミステリも書いていたんだなあ、という感想です。嵐の山荘で、昔起きた殺人事件の謎解きをしていく主人公たち。しかし、その山荘で殺人事件が起きてしまいます。どんでん返しが二重にしくまれていて楽しめました。

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    2011年07月18日
  • エロス(広瀬正小説全集3)

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    「エロス」なんて題名ですが、広瀬 正の小説に色っぽさを求めてはいけないのは、もう、学習済み(笑)

    現在と、過去、それから、もう1つの過去。
    もしあのとき、こちらではなくて、あちらを選択したら……。という、IFものです。

    ただし、やっぱり(?)、広瀬 正なので、ものすごく地味です。そして、細かい。でも、それは、今のまでちょっと感じた、無駄な細かさというのではなくて、なかなか、活かされていたと思います。

    でも、今まで読んだ「マイナス・ゼロ」、「ツィス」、「エロス」の3冊のなかでは、この本が1番おもしろかったです。

    途中で、「もうひつとの過去」の方が、実は……。

    というのは、わかってしまっ

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    2010年01月24日
  • ツィス(広瀬正小説全集2)

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    音が聞こえる。それからはじまるパニック小説。
    そして、やっぱり、「マイナス・ゼロ」と同じく、地味だ。

    以下、ネタバレありです。

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    2010年01月24日
  • エロス(広瀬正小説全集3)

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    広瀬正のエロスを読みなおしました。もし、あのとき、二つの選択肢のうち別の選択肢を選んでいたら、運命はどうなっていたんだろう、という題材のSFでした。現在、過去、そしてもう一つの過去の3つの時間軸で昭和初期から戦争に至る暗い時代に出会った二人の物語が語られていきます。最後にちょっとしたどんでん返しがありますが、二人の生活していた二つの世界がいきいきと描かれていています。題名のエロスというのは、主人公の男性が作曲する曲の名前なのですが、片方の世界では曲が発表される前に主人公は徴兵されて帰らぬ人になってしまうのでした。いろいろあっても、いま私たちが生きている時代はいい時代なんだなあ、と考えてしまいま

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    2011年07月18日
  • エロス(広瀬正小説全集3)

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    もしもアノ時ああしていたら/していなかったら
    周りのヒトとの関係、周りの人生も変えてしまう
    という空想と現実を平行でなぞる物語
    パラレルワールド


    かと思いきやラスト数ページはネタバレ禁止
    マイナス・ゼロとの微妙なクロスを
    軽く読み流しそうになった。

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    2014年10月05日
  • ツィス(広瀬正小説全集2)

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    広瀬正のツィスを読みなおしました。この本は昔読んで面白いと思った本だったので、文庫が再販されたこともあり、読み直しました。ある女性から奇妙な音が聞こえるという申告があり、それがだんだんエスカレートして首都圏に大打撃を与えてしまうという物語でした。物語としては、読みやすく面白く読みました。SFなので、ちょっと無理な設定があっても仕方がないのですが、読み直してみると現実的にこの設定でこの状況は発生しないだろう、と考えてしまいます。しかし、インターネットで常時情報過多になりつつある現在では、別の意味でこのような事態が起きる可能性もあるなあ、と振り返って考えてしまいました。

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    2011年07月18日
  • タイムマシンのつくり方(広瀬正小説全集6)

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    初期の短編作品はSFとしての骨格が際立ってる印象。後の直木賞候補三部作(!)のような緻密な世相描写や人情話っぽさは少なめ。でもやっぱ星新一さんよりは半村さんよりな感じが好きだな。

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    2011年08月19日
  • タイムマシンのつくり方(広瀬正小説全集6)

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    2009年1月24日購入。読書期間2009年1月26日〜2月4日。

    面白い。
    筆者の「初期」の作品集で、ほぼすべてがタイムマシン、もしくは「時」に関することがテーマの短編集。
    テーマが統一されているのに話が多彩で、それぞれ緻密に作られていて奥が深い。
    1、2ページほどの短編もあり、完成度が高いだけにもっと長い作品で読んでみたくもなる。
    筆者のほかの作品も読んでみたい。

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    2009年10月04日
  • マイナス・ゼロ(広瀬正小説全集1)

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    第64回直木賞候補作
    SFは直木賞を取れないを形作った中の1つでしょう

    選評が大変、面白い

    源氏鶏太
    席上あまり高く評価されなかったようだが、私にはひどく面白かった。しかし、直木賞作品となると別のことと思われた

    司馬遼太郎
    読者として一番面白かった。どうも分が悪く、分の悪い理由もよくわかるから途中で推し続ける根気を失った


    おわかりだろうか(ニチャァ

    でもまあ、気持ちはよくわかる
    あ、こういうのに歴史ある賞あげるんだ、ふーん
    選考委員は、へえ(笑)
    とか思われたくないのだ
    今でこそ文化が変わり意味合いが一昔前と違うなと感じるがSFはマニア、オタク向だったのだ

    面白いけれど、違うよね

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    2025年11月23日
  • マイナス・ゼロ(広瀬正小説全集1)

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    ネタバレ

    タイムリープもののアイデアとしては新規性はないので星3つ。
    本作品は戦前の銀座の描写が秀逸と星新一が解説しているし、当時のスピーカーアンプ技術の描写も細かいが、個人的にはあまり興味がわかない。しかし1970年にここまで仕上げていたのには驚き。タイムループの矛盾をあるがままに捉えているとは。
    ここからネタばれ
    自分が過去で自分を産むというタイムループ(循環)は理屈ではありえないはずだが、母であり姉である人から生まれた娘があっけらかんとして謹慎相関でも身体に異常はないから心配いらないという落ちはありえるかも。今が良ければ過去なんて無視!時間を循環しているライターは生産されていなくても存在することを

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    2025年08月19日
  • タイムマシンのつくり方(広瀬正小説全集6)

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    会社のSFとか大好きな先輩が以前勧めていたので読んでみた、星新一をシュールにしたような感じのショートショートを中心(少し長めのものも何本かある)とした本で懐かしい感じで読めました。後書が筒井康隆で、星新一やら眉村卓やらといった超大御所の名前とエピソードが書かれており日本SF界の黎明期が垣間見えてそれも面白かった。

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    2025年03月07日
  • マイナス・ゼロ(広瀬正小説全集1)

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    時代を移動するタイムトラベルもののストーリーとしては、想像しておくべき展開だったのかもしれないけれど、最後に明かされる登場人物たちの身上には、怒涛のように押し寄せる時間の交差に頭が混乱して眼を見張るしかなかった。随分昔の作品だけど、まったく色褪せておらず、「これぞタイムトラベル!」と思える小説だった。

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    2023年04月29日
  • マイナス・ゼロ(広瀬正小説全集1)

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    物語の中心であるところのタイムトラベルにまつわるエピソードが、え?人の反応ってこんな?って腑に落ちなくて、ちょっとスムーズに入ってこなかったんだけど、戦前の東京と昭和38年の東京がノスタルジックで、面白かった。みんな、のんびりしてみえる。こんなにすぐ人を信じちゃって、大丈夫?って感じ。

    なんだけど、物語が終わりに近づくほどに、無限ループの流れにはまり込んだ感じになって、軽く混乱する。のんびりした世界が、実は伏線だらけの複雑な世界だったことがわかる、捩れっぷり。

    08年の本屋大賞で「この文庫を復刊せよ!」のリクエストNo.1となった作品。全集復刻の担当編集さんが墓前に報告に行こうとしたが、ど

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    2022年12月31日
  • マイナス・ゼロ(広瀬正小説全集1)

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    字体が少々読みにくいが、それは昭和初期の作品という事なので。 
    内容はタイムトラベルものの王道なので、ここでは割愛する。ボリュームはあるが、気にすることなく読み進められる。

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    2022年09月11日
  • マイナス・ゼロ(広瀬正小説全集1)

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    タイムマシン本との事ですが、だいぶ想像と違ってました。
    章立てが、プラスゼロ、プラス18、マイナス31、ゼロ、マイナスゼロ、な所が気になりましたが、読み進めるにつれ謎が解けていき最後に一気に畳み掛ける!気持ちのいいラストです(^^)

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    2022年09月03日
  • タイムマシンのつくり方(広瀬正小説全集6)

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    タイムマシンにこだわり。パラドックスに対しての考察。多元世界パラレル理論より、「自己修復」という考えに納得。早世が惜しまれる。

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    2019年04月17日
  • ツィス(広瀬正小説全集2)

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    SFとしてはなぜか解説している司馬遼せんせのおっしゃるように
    奇妙な味わいある作品だが
    ミステリとして書かれている構成と描写に違和感ありまくりな
    気持ち悪い作品
    神奈川県民の扱いが適当過ぎでは
    耳が聞こえなくても自分の口笛が聴こえないということはない

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    2019年01月12日