あらすじ
昭和モダン華やかなりし頃、その惨劇は起きた――。関西のハイカラな医師邸に納車された最先端の自動車「T型フォード」。しかし、ある日、完全にロックされたその車内から他殺死体が発見されたのだ。そして46年後、この車を買取った富豪宅に男女7人が集まり、密室殺人の謎に迫ろうとするが……。半世紀を経てあきらかになる事件の真相とは? 著者会心の傑作ミステリ中編ほか2編を収録。
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☆3.5
途中すごい混乱してあれっ?あれっ??となったけど、それがなにゆえかわかると深い納得と、してやられた感に満たされる。
その時代の風や生活が見える描写も良き。
同時収録の『殺そうとした』が好みの一編で、すっきり斬れ味に満足した。
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良い。
ユニークな推理小説。時間軸のストーリーは、作者の得意分野。意外な展開が楽しい。
相変わらず古い車やカメラなどに詳しい。それがストーリーに活かされている。
短編2編、秀作。
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数年前、「マイナス・ゼロ」を最初に読んだときから、広瀬正は大好きな「SF作家」だと思っていた。その印象は「タイムマシンのつくり方」で非SFの短編を読んでも変わらなかったのに。全集5を読むと間違いに気がつく。「この人、何でもいけるんだ!」
表題作「T型フォード殺人事件」は、タイトルからも想像できるように、ミステリーもの、謎明かしものだ。緻密な描写、どんどん進む展開に夢中で読み進めていくと……
「え、何?!今どうなった?あれ、どっか読み飛ばした?」となる。ページを戻ってみてもさっぱりわからない。落ち着かない気持ちのまま、最後まで読み切ってみると……「ああ!やられた!こんなのアリ?!」
読者、特にミステリーファンを食っているとしか思えない結末。それを支える文章力、構成力、いたずら心、ウィット。この作品をどう評価するかは、読み手によってわかれるのかもしれない。でも少なくとも私は、「広瀬先生、脱帽です!」。
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あまりに完璧を求め過ぎて、私にとっては読みにくいものもある広瀬さんの作品ですが、このTフォード殺人事件は面白かったです。
よくあるミステリーの王道、『昔の事件の謎解き』をしていたら、その事件が目の前で起こった、という設定も新鮮に感じました。
最後の最後にサプライズもあったし、広瀬さんが描く人物像は完璧なようで人間くさくて好きです。
Posted by ブクログ
表題作ほか2編を収録の中短編集。表題作が素晴らしい。T型フォードでの密室殺人に注目させておきながら、過去編と現在編という枠構造を利用し意外な犯人を演出している。これが昭和40年代に書かれていたとは!!。
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広瀬正のT型フォード殺人事件を読みなおしました。以前読んだ広瀬正の文庫を再度読み直しています。広瀬正というとタイムマシンSFのイメージが強いですが、こんなミステリも書いていたんだなあ、という感想です。嵐の山荘で、昔起きた殺人事件の謎解きをしていく主人公たち。しかし、その山荘で殺人事件が起きてしまいます。どんでん返しが二重にしくまれていて楽しめました。
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題作は、SFではなくて、ミステリー。
でも、この人にとっては、映写機も、T型フォードも、きっと、タイムマシンだったんだと思う。
そして、戻りたい時代は1つだけ。あの江戸っ子の気質が残る東京の下町。
ということを「立体交差」を読みながら、感じていました。
Posted by ブクログ
推理・サスペンス・時間もの
他の作品のように、じっくり・もう一度読みたいというより
サラッと読み終わる感じ。
最後に買って、最後に読み終わる。
コレで終わりと思うと、少々物足りなくて
マイナスゼロ~エロス~ツイス~タイムマシンのつくりかた~鏡の国のアリス
とループしそう。