【感想・ネタバレ】タイムマシンのつくり方(広瀬正小説全集6)のレビュー

あらすじ

二つの隆起と三つの穴を持つ奇妙な出土物をめぐって議論を戦わせる学者たち。タイムマシンで連れてこられた古代人の意外な答えは……。著者のSF処女作であり、星新一に激賞された傑作「もの」をはじめ、「時間」を自由自在に操るタイムマシンの魅力にとりつかれた人々の悲喜劇を多彩な切り口で描いた短編とショートショート24編および付録を収め、シリーズ最終巻を飾る贅沢な作品集。

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時間SFの詰め合わせ。タイムマシン話からちょっとはずれた「化石の街」「鷹の子」も印象深い名作。古典的短編を紐解いた「時の門をひらく」のおかげで一時期ハインラインにもはまりました。

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2010年11月25日

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全集第6巻は短編集。
「化石の街」、「鷹の子」が怖かった…ゾゾゾ。
筒井康隆のあとがきも大変読み応えがあり、面白かったです。

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2010年08月16日

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文章がしっかりしていて、面白く読めました。
以下は収録作品一覧。
ザ・タイムマシン
Once Upon A Time Machine
計画
オン・ザ・ダブル
異聞風来山人
敵艦見ユ
二重人格
記憶消失薬
あるスキャンダル
鷹の子
もの

UMAKUITTARAONAGUSAMI
発作
おうむ
タイム・セッション
人形の家
星の彼方の空遠く
タイムマシンはつきるとも
地球のみなさん
にくまれるやつ
みんなで知ろう
タイムメール
付録『時の門』を開く

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2024年05月12日

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タイムマシンについて公演するムテン博士。いろいろな事例を上げたところで、ある男を演題に呼ぶ。男は昨日ムテン氏を殺そうとしたらしいのだが、その理由がその日のうちにムテン氏が事故などで死ぬという記録に従うべきだという未来人だった…。

傑作『マイナス・ゼロ』の広瀬正の書く、タイムマシン物を集めた短編集。タイムマシンの構造から、タイムパラドックス、親殺しのパラドックスなどありとあらゆるタイムマシン作品を集めたもの。

表紙が和田誠だったり、タイムマシンと関係のないショートショートが載っていたりと、星新一を彷彿とさせる作品が多い。数作に置いては、2つのシーンを同時に描くという、本を上下2段に分けるという荒業をやっており、電子書籍泣かせの実験作を含む。

しかしながら、星新一のように大きなストーリーだろうと高をくくって読んでしまうと、けっこう細かい内容だったり、日露戦争の海戦については、ある程度の知識を読者に読み取ってほしいと思ってるんだろうなあというようなものもある。

少なくとも、タイムパラドックス系は、本人も紙面上でこねくり回して、自分の中でもディスカッションしつつ楽しんでいるのだろうなというところもあり、サラッと読むと、あれ?なんだっけ?となる作品も多い。

ただ、全体にドライだがしっかりした骨を持った作品ばかりであるので、それぞれ短いなりに、かなり読み応えはあるだろう。

難を言うなら、タイムマシンものばかりというのが、ちょっと辛いかな。

ハインラインの入手困難らしい作品『時の扉』の解説は、流石に飛ばした。原作を読めればいいんだけどね。

解説は筒井康隆によるかなり重厚な広瀬正論で、SF読みにはかなり嬉しいのではないか。

ただひとつ、「H・G・ウェルズ」のH・Gが「ヒラガ・ゲンナイ」というオチを期待してしまった…。

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2023年07月14日

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夢があるなぁ〜。

この作品が書かれたのは60〜70年代。

このころにここまでのSFが書けるのはすごい。
ベルヌを読んでたのかなぁ。

ドラえもんが好きな人オススメです!

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2022年12月16日

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ネタバレ

タイムトラベルものを中心にしたSF短編集で、直木賞候補として評価される前の作品集。

いろいろな所で書かれているが、なるほど星新一と並ぶ、もしかしたらそれ以上のSF作家かもしれない。

特にタイムパラドックスを最も意識した作品が面白くもありかつ難解だ。

「もの」も面白かったが個人的には「異聞風来山人」が好きで、平賀源内未来人説を作品にするとこんな感じなのかなぁと納得で、短編だけではもったいない気もする。

やはり1960〜1970年代に書かれたというのが驚きであり、個の作者が早くに亡くなられていたということは残念である。

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2014年08月20日

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「広瀬正・小説全集」の最終巻です。

筒井 康隆は、解説で、この人が時間テーマにこだわったのは、売れなかったせいだみたいなことを書いていますし、星 新一も、そう思っていたフシがあるみたいですが……。

確かにその一面はあるかもしれないけど、この人のこだわりが、まさにそこにあったことの方が大きいと思います。けっこう、ノリノリでこれらの作品はこれらの作品で書かれている気がする。
どうだろう?

確かに売れなくて腐るきもちもあったと思うけど、それは、自分の好きな物が、どうしても受け入れてもらえないのではないかという、そっちの方に原因がある気がします。

まあ、そうは言っても、よくしっているわけではなくて、小説を読んだ印象です。

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2011年07月10日

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時間物を中心に集められたSF短編集。これでもか、とばかりにタイムマシン、タイムパラドックスの話が続くが少しも飽きさせることがない。いかに作者が時間やタイムマシンに憑かれていたかがよくわかる。面白かった!!。

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2010年08月03日

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広瀬正のタイムマシンのつくり方を読み直しました。タイムマシンをテーマとした短編やショートショートが掲載された広瀬正の初期作品集でした。主にタイムマシンで過去を改変したら現在はどうなるのだろうか、というパラドックスをテーマとした短編が多かったようです。これで、広瀬正小説全集の文庫6冊を再度読み直したわけですが、やはり一番面白かったのはマイナス・ゼロでしょうか。最初にこの物語を読んだのは多分20年くらい前でしたが、この物語の中に登場する、ある女性の印象が強く記憶に残っていました。その女性はタイムマシンで過去に戻って過去の時代で出産するのですが、その娘は実はその女性本人で、成長して現在のタイムマシンに乗って過去に戻ることになるのでした。要するに無限ループなのですが、DNAは同じはずなので、などといろいろ考えだすと眠れなくなります。

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2011年07月18日

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初期の短編作品はSFとしての骨格が際立ってる印象。後の直木賞候補三部作(!)のような緻密な世相描写や人情話っぽさは少なめ。でもやっぱ星新一さんよりは半村さんよりな感じが好きだな。

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2011年08月19日

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2009年1月24日購入。読書期間2009年1月26日〜2月4日。

面白い。
筆者の「初期」の作品集で、ほぼすべてがタイムマシン、もしくは「時」に関することがテーマの短編集。
テーマが統一されているのに話が多彩で、それぞれ緻密に作られていて奥が深い。
1、2ページほどの短編もあり、完成度が高いだけにもっと長い作品で読んでみたくもなる。
筆者のほかの作品も読んでみたい。

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2009年10月04日

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会社のSFとか大好きな先輩が以前勧めていたので読んでみた、星新一をシュールにしたような感じのショートショートを中心(少し長めのものも何本かある)とした本で懐かしい感じで読めました。後書が筒井康隆で、星新一やら眉村卓やらといった超大御所の名前とエピソードが書かれており日本SF界の黎明期が垣間見えてそれも面白かった。

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2025年03月07日

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タイムマシンにこだわり。パラドックスに対しての考察。多元世界パラレル理論より、「自己修復」という考えに納得。早世が惜しまれる。

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2019年04月17日

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タイムマシン関連のショートショート集。好きなのは、Once Upon A Time Machine、オン・ザ・ダブル、タイムマシンはつきるとも。筒井康隆の解説にもあるとおりキレの良さ。

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2013年07月03日

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一作一作はとても短いものの、いずれもひねりが効いた、あるいは挑戦的な作品ばかり。

「Once Upon A Time Machine」「あるスキャンダル」あたりがかなり好き。

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2011年08月15日

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広瀬正さんの、初期のSF短編集。【人形の家】と【化石の街】と【鷹の子】はちょっとホラーっぽい要素もあってぞっとしました。【UMAKUITTARAONAGUSAMI】は【マイナス・ゼロ】の最後の方でも登場した『過去にいって親、あるいは祖先を殺したらどうなるか?』のテーマにそって書いてあるのですが、その終結に唸ってしまいました。それから【あるスキャンダル】。これは笑えました。他にも笑える【発作】や【二重人格】など。

あまりに厳格なパラドックスゆえに、私の頭では理解半分、という感じなのですが、広瀬さんがどれだけパラドックスに対して深いこだわりをもっていたか分かる作品集だと思います。最後の”付録『時の門』を開く”は、解説のあらすじを読んでから、挑戦してみると、分かりやすいです(それでも私は頭が痛くなりました)。でも、これで広瀬さんの『時間』と『空間』に対するこだわりが一番よく分かる作品なので、難解なんですが、ぜひ時間がある時にじっくり解きほぐしながら読んでいってほしいと思います。

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2010年10月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2008年に復刊されている広瀬正・小説全集の最終巻。「初期」の短編、ショートショートを収める。

いくつかの初期作品は、確かに福島正実が「アイデアの骸骨が、貧弱な文章の衣をまとった」と評したレベルを出ていないが、しかし、一方では SF が小説として認められず、多くの才能ある作家が、このようなショートショートにしか発表の場を見出だせなかった時代背景は、筒井康隆の解説に詳しい。

気に入った作品は、時間の流れが恐ろしく遅い世界へ迷い込んだ男を描く「化石の街」と、タイムパラドックスによるパラレルワールドの存在を衝撃的に描く「計画」。広瀬正の代表作「マイナス・ゼロ」も未読なので、早く読もっと。

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2013年07月14日

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 ジャズ評論家として夙にその名を知られるK大学教授浜野先生は,かつての教え子の一人が,やっと発明しましたといってタイムマシンを持って訪ねてきた時,ひと通り説明を聞き終わると,
「ちょっと僕に使わせてくれないか」
 といった。
 先生は,タイムマシンを使えば,今は亡きチャーリー・パーカーの演奏をなまで聞くことが出来る,と考えたのだった。
 先生は学術会議の出席などで,戦後何回も渡米したが,そのたびに,ひまを見ては,各地で著名ジャズプレイヤーの演奏を聞いて来た。だが最初に渡米したのがバードの死の直後であり,とうとう彼のなまの演奏に接する機会がなかったことを,先生はかねがね残念に思っていたのである。
(『タイム・セッション』本文p356-357)

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2009年10月04日

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