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銭湯の湯舟でくつろいでいた青年は、ふと我に返って驚愕する。いつの間にか、そこは「女湯」に変わっていたのだ。何とか脱出した彼が目にした見慣れぬ町。左右が入れ替わったあべこべの世界に迷い込んでしまったらしい。青年は困惑しながら、新しい人生に踏み出そうとするが――。「鏡の国」を舞台に奇想天外な物語が展開される表題作ほか、短編三編を収録。伝説の天才が遺した名作品集。
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Posted by ブクログ
小さな鏡の中を覗き込むと、そこに広い世界が広がっているのが見えるけれど、鏡の中に世界なんかあるわけがないのだ。いったいいつ頃から「鏡の中の世界」についてのお話があったのか知らないが、当然、キャロルの『鏡の国のアリス』を挙げねばなるまい。しかしこれは広瀬正の『鏡の国のアリス』である。 『ミラーマン...続きを読む』は鏡の国からやってきたのだが、あまり不自由なくこっちの暮らしをしていたようだし、『仮面ライダー龍騎』では、鏡の世界にはいって戦うのだけど、鏡の世界にはいったからといって、左右が違って苦労するということはないようだった。 本書『鏡の国のアリス』の主人公は本来左利きなのにむりやり右利きに直して苦労していた青年である。今は無理に直したりしないだろうが、昔は直されたのだよ。それが銭湯に浸かっていたら左右が逆になって、男湯にいたはずが女湯にはいっていたというのが、話の始まり。細かいこと言うと、鏡の世界で左右が逆転したからといって、男湯から女湯に入れ違うというのは、何かちょっとおかしいのだけど、それはご愛敬。 鏡の世界では左利きが右利きとなって、苦労していたこの青年にとってはよいことずくめに思えたが、という小説である。 『マイナスゼロ』『ツィス』『エロス』と続けざまに直木賞候補となった矢先、あえなく夭折してしまった広瀬正の机には2作の長編が残されていた。『鏡の国のアリス』と『T型フォード殺人事件』である。そのほかにも幾多の長編の計画があったと聞くと、何とも惜しい気がするが、それはさておき。 『鏡の国のアリス』は長編とはいえ短めで、短編3作とで一冊本になっている。 テーマは鏡、というか左右対称の問題、量子論でいうパリティの問題である。途中、長々とパリティ論が解説されたり、初期のアイディア小説の流れを汲む面が強く、作品の完成度という点ではいささか落ちることは否めない。もっとも、左右反対の世界に迷い込んでしまった青年のお話を読みながら、楽しく物理学の対称性が学べる小説である。意外なオチも用意されている。 さて、なぜ鏡に映った自分は左右反対なのでしょうか。答えは本書を読まれたし。
鏡の向こう側へ入ってしまった青年が主人公。 キャロルの「鏡の国のアリス」のオマージュ作品です。 めちゃめちゃ面白かった! キャロルことドジソンの逸話が面白い。 それと、「おねえさんはあそこに」がジンと来た。
良書。 70年代のまさにSF。この頃は、夢があった。出来るか出来ないか判らないことを想像でSFにしていた。今は、出来るか出来ないか予想がつく時代になって、夢が物語が書きにくい時代なのではないだろうか。 今読むと、子供っぽいと感じるところもある。でも、恋愛なんてこれくらいが読んでてドキドキする。 鏡関...続きを読む係は難しい。だいぶ飛ばし読みした。作者の賢さ、こだわりが伝わる。
こんなところで反物質について学ぶとは。 光学異性体で出来た物を食べたら爆発するの??消化出来ないのかと思ってたけど。 それにしても結局誰の夢だったのだろう。 表題作の他も良かった。遊覧バスは何を見たが特に。
中・短編集です。 表題作のオチは、「ツィス」と「エロス」を足した様な感じです。 でも、この小説のおもしろさは、鏡に関するウンチクにある気がします。 途中から、さっぱり、理解できなくなるのですが、でも、そういう、ウンチクを聞くのは好きです。
表題作は、途中のビデオで見せてる部分が私には難しい・・・なんかもう、そんな細かいことにこだわらなくてもいいじゃん!と叫びたくなってしまう感じ。短編の方はその点気楽に読めて良かったな。
相変わらず細かいねぇw。”鏡の国”という設定にこだわり抜いた緻密すぎるほど緻密な思考実験には脱帽させられる。ただオチにはもう一捻り欲しかったかな……。
これまた広瀬さんのこだわりの詰まった小説全集・・とは言っても広瀬さんが亡くなられてから、この全集は作られたわけですが・・。そう思って読むと、ますます惜しい方を亡くしたと思うのですが、広瀬さんのどこがそんなに凄いのかと言うと、パラドックスにありがちな、『ちょっとした辻褄』も合わないと気がすまない、とい...続きを読むう事なんです。 そのために、ある時は読むのが難しい、難解どころもあるのは事実です。今回も、鏡の国のアリスについて、広瀬さんならではの、『突っ込んでみたいところ』というのが書かれてあったのですが、いかんせ、私のような凡人な頭には到底理解できない事でした。 それでも何とか理解しようと、ビデオの実験の場面は3回読みなおして、ようやく、概要が分かった、気がしました。それでもはっきりと『納得』したわけではないのですが、まあ、3回読んで理解できないものは4回読んでも理解できないだろう・・という事で、概要が分かっただけで満足して読み進みました。 最後は、なんだかまあ、結局、男ってぇ、もんは、と思ったのと、ハン子ちゃんがそれで幸せなら、まあ、良いか、と思いました。 他の作品はちょっと怖いSFっぽいのが2つと、遊覧バスは何をみた、は、昭和の匂いがする、マイナス・ゼロと、作者は違うのですが、北村薫さんのリセットを思い出させる、心温まる作品でした。
「遊覧バスは何を見た」ヒトとヒトの邂逅、過ぎ去った時間、架空の結末 表題作より、コチラの空気と物語に一票 表題作は、その選択でよかったと思うのだ。(結末ではなく) あちらさんは言動がなんか気に障ったので。
2009年3月15日購入。読書期間2009年4月10日〜18日。 表題作のほかに短編を含む。 表題作は面白い。しかし、難しい。 誰もが一度は考えたことのあるだろう鏡の国に迷い込んでしまった主人公の話。 鏡に写る世界とはどういうものなのか、鏡の反射などについて詳しい記述があるため、難しいが理解しやす...続きを読むい。 人は、少しの満足と慣れがあれば、他の事には目をつぶれるのだなと思った。 短編「遊覧バスは何を見た」がなぜか心に残った。
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