本の、ひととき
お茶が運ばれてくるまでの短い時間に読む本。
絵本とでも言うべき短い物語、フルカラーの柔らかなイラスト。
だが、深く、深く考えさせる本。
著者の作品には『キノの旅』『アリソン』などがあるが、私はこれらの作品を大変に高く評価している。
難解な言葉ではなく、平易な言葉で問いかける。
しかし問いの答を明らかにしない。
なぜならそれは時と場合によっていとも簡単に「正しい」答えが変わってしまうからだ。
そんな揺れ動く人間の「正しさ」を少しの皮肉をこめて語る著者。
その世界観が短い中に詰まっている。
『「くすりはひとつ」』
どちらかを選ばねばならない時がある。
どちらも正しい。
折衷案がかえって悪い時がある。
あなたなら、どちらを選びますか?
『「やりたいこと」』(引用:全文)
まず、自分の年齢を倍にしましょう。
そして、その歳になった気分になってーー
「ああ......、せめてあと半分若ければ、私にだってあんなことができたのに」
そう思ったことを、今からやりましょう。
『「さくせす」』
『「けいけん」』
『「まほうつかい」』
の三編も新年を迎えるにあたり、自分に、あなたに、送りたい。
思えば今年一年、自分を責め、相手を責め、泣き、怒り、負の感情を多くだした。
つらいつらいつらい!もうダメだ、限界だ!
あるいは、どうしてこんなにがんばっているのにうまくいかないの?
どうして私だけ、こんなに辛いの?
そう思ったことも数知れず。
その負の感情に覆い隠されて、良い感情は隠されてしまっている。
結果も本当は出せていた部分だってあったというのに。
誰も、助けてくれないなら、自ら助けるのだ。
天は自ら助けるものをたすく、というではないか。
もう一度、がんばろう。
そのためのきっかけをこの本で得られたことが、今年最後最後の贈り物、だったかもしれない。