時雨沢恵一のレビュー一覧
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時系列としては前回の続き、話としては別の話である。今作は前作ほどの壮大感は無いもののテーマは1巻と同様とおもわれる。「隠された秘密とそれを明らかにするために嘘をつく」といった点だろうか。
今作も話はさくさくと進み読みやすい。キノの旅と違い前作の革新的なネタバレが堂々と出てくるので順番に読むことをおすすめしたい。作者のあとがきにもそう書いてある。
ただ、前作と比べるとスケールダウンした感じが拭えない。普通RPGなどの冒険ものでは各地の問題を解決しつつ成長した主人公たちが最終的に世界を救うという話が王道であるが、今作は逆を行っているのでしょうがない部分はある。
物語随所に思わせぶりな台詞や -
Posted by ブクログ
同作者の「キノの旅」と比べる形のレビューとなる。
キノの旅は基本的に社会や人間の矛盾や風刺を凝縮したようなユニークな国々を旅して回る物語であるが、時折単純に冒険物といった話もある。本作アリソンはその冒険物の話しを一冊という長さまで広げた本である。
主人公のアリソンとヴィルは、キノの旅においてのキノとエルメスを連想させる。キノとエルメスの要素を混ぜ、2つに分配すれば今作の主人公二人が出来上がるであろう。準主人公である、人物も正確こそ違うもののキノの旅でのシズを連想させる。
物語は非常に読みやすい冒険ものである。世界観や二人が住む国についてなど必要な描写に手を抜いていないながらも必要最小限に -
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Posted by ブクログ
ネタバレ「えっと……」
「久しぶり!」
もうね、このセリフを読んだときの感動ね。
長編シリーズを、しかも年に1冊しか刊行されないこのシリーズをずっと追いかけてきたファンへのご褒美といってもいいかもしれない。
昔読んだときのことがぶわーっと思い出されてね。
あぁ、やっぱり親子だなぁ。
というわけでアリソンシリーズオールスターこと「一つの大陸の物語」の下巻にしてシリーズ完結編。
まさに「オールスター」の名に相応しく、アリソン、リリトレ、メグセロから様々なキャラクターが登場し盛り上げてくれました。
特にラストに明かされた某軍人。
チョイ役だけどすごく印象に残ってて、再登場してくれて嬉しかったな。
序 -
Posted by ブクログ
初めてラノベ読んだ。
読みおわったあとに序章を読み返すと、泣きたくなる。
何故、私なのですか?
何故、今なのですか?
「歴史とは、常にいい加減なものだよ。重要なのは真実をどうやって伝えるか、ではなく、何を自分たちの都合のいいように伝えるか、だからね。」っていうお爺さんは、これを言ったときどんな気持ちだったんだろうな。と。
都合のいいように伝えてるのは社会だよね。
真実をどう伝えるか、が重要だと言える人間が増えたらいいな。
ただの冒険小説だと思ってたけど残酷な場面も多々あった。戦場で簡単に命ってなくなるんだなと。勝手に、お話の中だから殺さないと思ってた。だけど普通に死んだ。殺した。
び