松尾匡のレビュー一覧

  • 新しい左翼入門 相克の運動史は超えられるか

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    まあ、なんか全体的に理論には納得できないけれど、多少の知識は付いたし、こういう考え方があるんだなあってしれたことはかなり有益になった。

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    2013年02月09日
  • 新しい左翼入門 相克の運動史は超えられるか

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     昨今課題となっている「「下から」の社会変革路線とその問題点の克服方法」(18頁)について,なぜ日本でうまくいかないのか,1世紀にわたる近代社会運動の歴史をサーベイした良書。右翼・左翼の概念的イメージとして,「世の中を横に切って「上」と「下」に分けて認識し,「下」に味方するのが左翼で,世の中を縦に切って「ウチ」と「ソト」に分けて認識し,「ウチ」に味方するのが右翼」(254頁)と定義したのは,実にわかりやすい。また冒頭において,日本の社会主義思想は,明治期における社会主義の誕生から日本資本主義論争に至るまで,常に2つの道(「理想や理論を抱いて,それに合わない現状を変えようとする道」と「抑圧された

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    2013年01月06日
  • 新しい左翼入門 相克の運動史は超えられるか

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    幸徳秋水から丸山真男まで、社会運動の歴史を「上から目線」と「民衆からの目線」という2つのアプローチの対立としてたどった一冊。タイトルからして、革マルや中核派の歴史かと思って買ってしまったが、そこにはほとんど立ち入っておらず、ちょっと物足りなさも。。終わり2章ではこれら2つのアプローチの欠点ではなく長所を総合する方法について考察しているが、やや抽象的で具体性が見えにくいように感じた。とはいえ、平易な語り口で日本の社会主義思想史がまとめられており、一読の価値はあるだろう。

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    2012年09月25日
  • 新しい左翼入門 相克の運動史は超えられるか

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     左翼、というより日本の社会運動における「上からの啓発」と「下からの革命」の相克をわかりやすく描き出した一冊。文体が平易なうえ、フローチャート付きで状況を整理してくれるため、流れがつかみやすいです。これに目を通しておくだけで、社会主義思想の見通しがとてもよくなりそう。

    「個人的にはこっちに肩入れするけどそれはそれとしてこんな問題点があったしこういうところは対立派の方が優れている」な記述が多いのは著者の誠実さを感じさせます。こういう論調は本当に大事なのですよね。

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    2012年07月29日
  • 新しい左翼入門 相克の運動史は超えられるか

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    日本の左翼の歴史を「啓蒙主義」と「大衆主義」に分別して論じた一冊。アナルト・サンジカリズム、ボル・アナ論争、福本・山川論争、講座派労農派などの基礎知識を学べて有意義であった。

    日本の左翼運動は、啓蒙主義と大衆主義の相剋であることが理解出来た。そして、左翼運動が身を結ばない理由は、啓蒙主義は上からの押し付けとなり、大衆主義は視野狭窄や局所カルト化するからであるという説明には膝を打った。社会変革の方法は、啓蒙主義と大衆主義を運動の進度に応じて使い分け、両者の強みを統合することであると納得出来た。

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    2025年05月27日
  • 対話でわかる痛快明解 経済学史

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    経済学史という書籍を読んだことがなく、高校は日本史専攻、アダムスミスは、そう言えば30年ほど前に中学の世界史で聞いたような…というレベルわたしが大学院の講義で経済学史を学ぶ予習で手に取りました。
    当たり前でしょうが、経済学史はミクロ経済学やマクロ経済学に繋がっていることがよく分かりました。マクロやミクロをより理解する上で、経済学史は興味深いですね。まだまだ足りないと思いますが、参考になりました。

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    2024年10月03日
  • そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学

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    このままの世の中でいいとは思っていない。しかし、共産主義はもちろん、社会主義も決して受け皿にはなり得ないとも感じている。なぜならば、この本の帯にあるように、左派は経済を回すことを考えの範疇に入れていないからだ。結局資本主義経済に寄生することを前提に理想論を叫んでいる。まるで社会的な中二病だ。(ついでに言うと国防においても同じことが言える)
    そんな「左派」が経済のことを考えたそうだ。読んでみたが、やはり堂々巡りから抜けられないようだ。本当に困ったものだ。

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    2023年01月26日
  • そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学

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    左派と呼ばれる人たちは人権問題や環境問題等は取り上げるが、経済問題に真剣に取り組んできていなかったが、今政治の実権を握っている人たちに対抗して人間らしい暮らしをみんながしていけるためには、これからの暮らしを経済の観点からどう変えていくのかを語らないと人心を掴むことはできないということを語った本。

    北田さんと松尾さんの話が高度すぎてたまについていけなくなるんだけど、ブレイディさんが庶民的な目線で理解したことを話してくれるので助かった。

    ここでいう左派というのは平等主義とか平和主義とかではなく、稼いだものをきちんと分配して、働いたらきちんと食べていける世の中を作ろうと言っているにすぎないという

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    2021年07月06日
  • 資本主義から脱却せよ~貨幣を人びとの手に取り戻す~

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    本書は僕たちはもっと幸せになれると言っている。現在の貨幣システムを国民中心のものに変える事ができれば素晴らしいと思う。でも、本当にそんな事ができるのだろうか?

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    2021年07月02日
  • そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学

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    「理念だなんだと言っても、世界を回しているのはやっぱり経済だな」とブレイディ氏は実感するわけだが、この本が出た2018年当時には想像すらつかないオリンピックイヤーのコロナ禍にあってもやはり経済を回すしかないんだ、と実感している遅れてきた一読者。日本の左派は下部構造(経済)に目を向けないからダメだとあるが、上部構造(政治・法律)はどうかといったら、当時のモリカケ騒動ごときでアベ極右政権が潰れるぞ(あとがき)と妄想しているようではこっちもダメだね。

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    2021年04月14日
  • 左翼の逆襲 社会破壊に屈しないための経済学

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    左翼って言葉を身の回りで聞かなくなって久しいよね。もちろん普段自分が身を置いている環境にもよるけどさ。
    今となっては右も左もなく、金儲けだけがすべての指針になっている世の中だからさ。
    「人は生きているだけで価値がある」の第1章には、「そうだそうだ」と思いながら頁を繰ったけど、「反緊縮」を訴えるあたりから「そうかな?」と訝しみ、最後の再分配理論にはまったく賛成できなかった。これでは「左翼は理屈ばっかり」と揶揄されても仕方ないよ。

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    2021年03月20日
  • そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学

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    鼎談形式ではあるが、内容はかなり高度。それだけに議論が錯綜し、わかりづらい印象がある。しかし、本書の主張は一貫しており、左派(リベラル)も反緊縮経済政策を訴えよう、というのもである。日本の左派は、人権などの問題と経済とを別問題と考える傾向がある。それをあらためようという主張。社会福祉へ財政を投入すればそれが雇用を創出し、経済も活性化する。要は経済の舵の切り方を右派と違う方向に切ることで、経済を発展させ、かつ福祉も充実させようというとする試み。魅力的な考え方ではあるが、はたして本当に債務超過に陥っている日本で、財政出動を積極的に続けることができるのか、不安がぬぐえない。もっと、勉強をしないといけ

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    2021年02月04日
  • 左翼の逆襲 社会破壊に屈しないための経済学

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    わかりやすく、つながりやすく、腑に落ちるように・・と書いてあるのはよくわかるし、そもそも「生」が大事というところからの「左翼」の立場もわかるが、資本家だとか政治家とか特権階級とかいう言葉を用いてなにかを語ろうという時点で、そんなふうに普通の人の潜在心理の中にある「僻み」を増幅させて社会を転覆させようとしているの?、と、理解を拒否する人も多いはず。資本家って一体どこにいるのでしょう。そんな名称に値する人が現在の日本人の一体何%いるというのだ、と、真面目に仕事をしている人の多くは思っているのではないのか。まさか永田町の人たちのことですか?

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    2021年01月19日
  • そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学

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    これからは左派も経済について語ろうというお話。現在の左翼の凋落は経済無策が招いたことの反省です。ここで語られる経済政策は、右派である私にとっても違和感のないものです。というか、現在のデフレ下では当然の政策ばかりです。驚いたのは欧州では反緊縮が左派(リベラル)の専売特許になっていることでした。日本では右派と目されている経済学者が反緊縮を主張してますね。マルクスとケインズがつながるという解説は目新しかったです。経済政策については著者たちに合意できるけど、その以上の思想はやはり私とは違うなあと思いました。この本はコロナ禍以前に出版されたものです。今は、さらに反緊縮が必要な時期です。

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    2020年12月31日
  • MMT現代貨幣理論入門

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    貨幣の本質=債務証書と、GDPの恒等式をシステム思考的に突き詰めた、みたいな感じ?
    そんな簡単なことでいいの?とも思うし複雑だなとも思う。

    本質的な役割で見たら、貨幣は債務証書。政府が発行する通貨は、まず政府が負債として支出し、後に税金や罰金などで受け取って償還される。政府は、中央銀行の負債に数字を追加する…「キーストローク」で支出する。
    なるほど。

    政府の赤字は民間の黒字。貿易の黒字は政府か民間どちらかが赤字。
    ゼロ金利は投資を刺激しない。
    政府は完全雇用を目的に赤字支出せよ、失業者を直接に雇用せよ、そこまでがMMTだ、と。

    純粋に、経済の仕組みに関わるところと、熱く語る思想的主張が混

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    2020年07月18日
  • そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学

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     経済が重要だということはわかった。ヨーロッパの現況もわかった。
     だが、レフト1.0だとか2.0だとかはどうでもいい。オタクの言葉遊びだ。

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    2020年01月29日
  • MMT現代貨幣理論入門

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    ネタバレ

    中野剛志さんの本で概要を聞いていたので、かなり長く感じたが、いろんな批判に対して丁寧に説明しようとしている内容。
    このレベルで基本書と言われると、専門書はどのレベル??と困ってしまう。
    最後の解説がシンプルにまとまってるので、先に読んでから読んでみても良いかもしれない。

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    2020年01月18日
  • MMT現代貨幣理論入門

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    主権と中央銀行を持つ国の政府は、まず貨幣を創造し、次にその貨幣で納税義務を課す。均衡不要で予算制約なしに支出できる。課税プロセスで、公共・民間に有益な活動を促進する。政府は最低給での就業保証プログラムを実施することで、再分配に代わる不平等是正を行える。

    残り物のオマケ程度の位置づけだった税が、まず最初に来るとは。税制の在り方が、社会の活動の方向性を決めるとは。不換・電子情報時代の理論とのことですが、いつまで有効なのだろう。

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    2019年12月18日
  • MMT現代貨幣理論入門

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    MMTが主張するところによると、「通貨発行権のある政府にデフォルトリスクはまったくない」。通貨が作れる以上、財源の制約はなく、インフレが悪化しすぎないようにしさえすれば、財政赤字を気にする必要はないという。

    さてここで気をつけたいのは、本書にも指摘があるように、政府がデフォルトを選択することはありうるということだ。特に対外債務に頼っている場合は、自らデフォルトすることで借金をチャラにするという誘いが常に存在し、実際にそのような事例は歴史上たくさんある(『国家は破綻する』参照)。したがって、国債所有者から見たデフォルトリスクは存在するわけで、そのリスクを踏まえた金利設定がされるはずだ。政府はこ

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    2019年12月02日
  • MMT現代貨幣理論入門

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    主流の理論が間違っている
    キーストロークだから大丈夫
    ...の2点しか頭に残らない。
    ところどこと面白い議論もあるので、無駄だったというわけではないが、知りたいところに手が届かないモヤモヤが残る本でした。

    理論の骨格とかロジックを知りたかったのだが、主流派批判に邪魔されてピントがぼけてしまっている印象を受けました。
    既存の理論との違いはを知りたいのですが、何が争点なのかよくわからない。(もちろん結論はちがっているのですがそこに至る何処に違いがあるのか)

    最初はすごく丁寧に説明しているくせに、後半、もっと丁寧に説明がいるのでは、というところが、主流派批判の勢い優先でかかれていて論理展開につい

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    2019年09月15日