最近この手の本が結構多く、その中でも出色なのは「人新生の資本論」だったのだが、この本も新しい社会を提言する意欲的な内容であることを期待して手に取ったものである。
結論的には資本主義経済システムのうち「市場経済」というシステムを否定するのではなく「銀行中心の貨幣制度」を否定することを主張するもので
...続きを読むした。そしてAIの進化によって、脱労働社会が実現するとすれば、BI(ベーシックインカム)の導入が大事だという。
貨幣発行益を銀行が独占させずに、国民に分配するという考え方が新しいと思いました。この本の著者の一人高橋真矢氏は婚姻関係のない両親の子として生まれ、高校中退した「現役不安定ワーカー」という触れ込みであるが、この本は実質彼が書いたと言っても良いだろう。MMT論者と似ているところもあるが、新しい社会を論じている点で、MMT論者よりも深く考えていると言える。いわゆる経済学者ではない点が好感が持てる。