上杉忠弘のレビュー一覧
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花咲小路商店街シリーズ6巻目
今回の舞台は一丁目の「バーバーひしおか」
語り手は、住み込みで働く口の固い「鋼鉄のセーラこと、せいらちゃん」
理容師だった祖父に憧れ、同じ道を歩んだせいらちゃん。祖父は他界し、昔ながらの風情を残した「バーバーひしおか」に「働かせてください」と飛び込んだ。
バーバーひしおかでは奥さんのミミ子さんが働き
旦那さんの凌次郎さんは、所謂「髪結いの亭主」
働かず、家のこともせずゆったり暮らしていた。
でも凌次郎さんの正体は、屈指の能力を持つ美術品鑑定士だった。
ヴィネグレット、サンプラーなど
美術品や骨董品を取り巻くお話が短編で綴られ、この商店街の誰にも愛される「 -
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花咲小路商店街シリーズ5巻目
今回の舞台は三丁目北角の「駐車場 カーポート・ウィート」
語り手は、高校を卒業してすぐに家業(駐車場)を継いだ「すばるちゃん」
母親は出ていき、父親に育てられたすばるちゃんだがその父親も病死。
隣の家の弦さんと、同級生で幼なじみの瑠夏ちゃんに見守られながら生きてきたが、この3人には秘密があった。それは亡くなった父親の魂が愛車のシトロエンに宿り、ラジオを通じて話しが出来ること。
駐車場に訪れる人は様々だ。
商店街に仕事や食事に来る人。パチンコに来る人。
商店街のレシートを持ってくれば、無料になる「カーポート・ウィート」には、様々な人が訪れる。
すばるちゃんは弦 -
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花咲小路商店街シリーズ3巻目
今回の舞台は二丁目のお花屋さん
「花の店にらやま」
語り手は、高校を辞めることになった高校生
「めいちゃん」
めいちゃんは、高校を辞めていとこの「花乃子さん」が営むお花屋さんで働くことにする。
イケメンの双子、「柾兄ちゃんと柊兄ちゃん」も一緒だ。
花乃子さん姉弟のご両親は事故で亡くなっていて
3人でお花屋さんを営んでいる。
ある日、めいちゃんは気付く。
お花の依頼を受けている花乃子さんの瞳にガーベラが咲いていることに。
花乃子さんは、お花を依頼する人の思いが分かってしまうという。そこに込められている思いが楽しいものでないのであれば、助けたい、力になりたいと
前作 -
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ほのぼのとした物語。ミステリーもありますが、それより、昔から繋がってきた商店街の人たちの日常と絆のほうが目立っています。懐旧の念が語られているイメージを受けています。
といえども、その「昔」というのは私が参加したことがない時間なので、実はただの想像かもしれません。
で、この本を読んでいるとき、熱海に旅行に行きました。観光シーズンではないからか、人が少なくて、閉店時間も早かったです。別にレトロなスポットに行ったわけではないが、なぜか散歩しているだけで、妙に昭和的(?)な雰囲気を感じました。昭和を経験したことがないですけど。なのでこれもまた勝手な印象なのかもしれません。 -
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小さな商店街
花咲小路四丁目に住む矢車聖人さんは
かつて、英国で「Last Gentleman-thief SAINT」と
呼ばれた大泥棒だ。
誰も傷つけず、何も壊さず、捕まることもない。
つまり、日本でいう義賊。
彼の作戦はいつでも、Perfectだったし今でもそれは変わらない。
そんな彼は学習塾を営む娘の亜弥と2人で
静かに暮らしているが、時折商店街で起こる小さな事件や不穏な気配を若者の仲間、克己くんと北斗くんと解決していく。
この解決の仕方が壮大で最高だ。
底意地の悪い人などが出てこず、多少のリアリティーと小説ならではの虚構があり、さらっと読書を楽しむには最適な作品だった。
シリーズ物