汀こるもののレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ・3人目、4人目の伝聞を他山の石とできれば、高槻の生存率をあげられるだろうが、果たして…。/
・動機が復讐、というのは裏を返せば愛した家族がいたということ。それに巻き込まれた双子は、実父に見捨てられている現状。その対比が無慈悲だ。
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※本作あらすじ。結末に触れるので、未読者退避推奨
双子の自宅のそばの電柱で、首吊った男性の遺体が発見された。
20代の娘の写真を携えているのが、哀愁を帯びている。
こんな不便な場所を選んだのには、深い事情があるのでは? と疑うひとりの女性。
9人めの護衛候補の佐伯倫、通常「にんべん」である。
そして彼女の素性は、亡き4人めの実の娘だ。
その数日後。歓 -
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Posted by ブクログ
クラスに一人はいそうな、近寄りがたい人。
などというレベルの問題ではない、達観した少女が一人。
彼女はなんと、姿を撮ることができない人物。
人型とは、確か自分の不運を背負ってくれるもののはずですが
その代り(?)に幸運をくれるとは…さすが人間?
確かにこれだけ言われて去っていったら「???」です。
むしろ周囲が怖いです。
セットにすると、本人が普通に見えてくる不思議(笑)
そうして『友達』になった二人。
こちら側の人間がいることで、さらに色々分かりやすく
突っ込みやすくなってしまいました。
もっていそうな感情をぶつけてみたり
多分生まれて初めての喧嘩をしてみたり。
これだけ読むと青春っぽい -
Posted by ブクログ
ただし少女はレベル99”汀こるもの著 講談社ノベルス(2014/02発売)
・・・数々の妖怪変化を従える少女・市子と同級生の少女芹香や一般人の父親の話。
シリーズ四編。
”幸運には限度額がある”・・・なぜか幸運が続く芹香。どうやら市子の写った写真
に関係があるようだが。
”言葉はいつか自分に返ってくる”・・・同級生男子から奇妙な振る舞いを続ける母
親について相談を受ける市子。どうやら狐憑きがからんでいるようだが市子はあっさ
り断ってしまう。
”人生に無駄な伏線はない”・・・市子の力に自分との隔たりを感じる芹香。
”私の幸せは貴方のそれではない”・・・ループする日常を過ごす、市子 -
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Posted by ブクログ
ネタバレTHANATOSシリーズ第6弾。
高槻さんと“9人目”に、湊さんが過去に起きたもう一つのクローズドサークルを語るという形で物語が進んでいく。
今回真樹の出番少なめ。そして魚のウンチクも少ない分、ストーリーがすんなり入ってきて読みやすい。ミステリーとしては解釈が分かれそうだけど、このシリーズは謎解きだけでなく、キャラものとして楽しめるからよしとしよう。
“9人目”=フツーの人が隣にいる分、高槻さんの壊れっぷりが際立っていて面白い。
双子の謎というか、闇の部分が描かれていて、今まで何となく腑に落ちないと感じていた部分が、少し明らかに。でも、こうなってくると謎はさらに深まったかも。今後が気になる -
Posted by ブクログ
後継ぎに下さい、と指名されたのは死神の方。
しかも場所は、そこしか人が住んでいない集落。
これは何かある! と思いきや、予感的中。
いつものように騒ぎまわり、いつものように死体発見。
こうなると思ってました、というよりも、予想範囲内の現実。
突如死体があれば驚きますが、予測していれば何にも怖くない?w
むしろその後の方が怖かった!
やはり世の中怖いのは人間です。
やりやがった! というよりは、うまく事を運んだな~と。
もう呆れも驚きも通り越して、納得、という状態。
今回の苦労人は、毎度おなじみ…かと思ったら
違う人にバトンタッチ?
こちらはこちらで、違う意味ですごい人になってますが。
気 -
Posted by ブクログ
3-
ただ“美少年”と書けばそれだけで美少年になってしまう。
小説って不思議。
本格を否定しているように見せかけておいて実は何も否定していない。物語内ルールに則ってあくまで論理的に出来事を説明していっているにすぎない。見せかけの否定と根本的な肯定がまるで循環しているかのような構造こそが本作の狙いなのではないかと感じる。まるでモナコ水槽である。いやむしろウロボロスかもしれない。
ただその説明がくどい。地の文は語り部である刑事の一人称視点で、終始つっこみを入れながら説明する形を取る。まるで知人のブログを読むような気恥ずかしさがある。もう少し緩急があると良いのだが。終盤になると断定型を取らな -
Posted by 読むコレ
前作ではとんだ役回りをさせられた警察官僚の「湊」警視正による、
湊の物語。シリーズ中、一番カオスな印象です。屋敷においての
連続殺人事件なんぞミステリらしく起きるのですが、その真相や
解決や探偵役など...全てがもう定石無視の暴走ミステリ。
とにかくこの湊のイカれっぷりと立花オトートの「真樹」くん
の悪魔っぷりと、むしろこっちが本編とも思える小ネタが
大爆発。お魚ネタは今回はやや控えめな分、書物オタクが
狂喜しそうなネタ増量。ドイツの「こち亀」っていい表現w。
今作でシリーズが終わるとも思えないのでまだこの
妙な楽しみは継続出来そうでニンマリです。
しかし、湊は