彩藤アザミのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ正直に言うと、悪い意味で普通だったかな。その点に関しては、私がゴリゴリのホラー好きでかつ、タイトルで期待値が上がりすぎていたというのもあるけれど。
ダビニフスって、「荼毘に伏す」ってことだよね。その点でも安直な感じはする。
話も終盤になるにつれて暴走する主人公に対して「怖がってほしい」「ここが怖いポイントですよ」とアピールしたいのが見え透いているというか。ホラー書き慣れてない人を彷彿とさせるような過剰なホラー描写というか。
オチもまあ…悪い意味で王道だよね。読者も巻き込んでいくスタイル。そのオチに至るまでがちゃんと怖くて不気味なら、良い意味での嫌な読後感は味わえるけど、ある程度オチも読めて尚且つあまり怖くないものだったわけだから、悪い意味で「流行りに乗ったな」って。
『或るバイトの募集を募集しています』は内容の薄さをレイアウトで誤魔化してて「モキュメンタリーの流行りに便乗してるな」というのは感じだが、内容がきちんと不気味で怖いものもあったからそれなりに満足できたけど。
どちらかというと、この作品は流行りや王道に乗ってるのが分かる上に、きちんと怖いわけでもなく、むしろ終盤の過剰な主人公の壊れように興醒めしてる状態で読み終わったので、冒頭に述べたように「悪い意味で普通」という感想になってしまった。 -
Posted by ブクログ
ロシアの作家セージャダビニフスの「死を呼ぶ本」を巡るモキュメンタリー小説。
過去この本を翻訳した人や読んだ人が次々と亡くなったといういわくつきの本。売れない作家の主人公は、編集者からその本の最古の日本語訳版を手に入れた人物がいるという話を聞く。その後編集者は謎の死を遂げ、赤い表紙の本が主人公の自宅に送られてくる。
ずっと悪夢の中にいるような、読んでる途中にどこまでが物語でどこまでが現実なのか、取り込まれそうになる不思議な感覚だった。
セージャ・ダビニフス=生者、荼毘に付す。つまり、生きてるものはいつか死ぬ。読んでも読まなくてもダビニフス。そういう話でした。
これの前に読んでたのが見ると死ぬ映画をモチーフにした本、そして今回は読むと死ぬ本。モキュメンタリー小説は好きだけど、似たり寄ったりでネタ切れかなぁと感じる。 -
Posted by ブクログ
東北地方の旧家・不村家では、数代に一度、特別な子供が誕生する。人知を超えた才知を授かる事から、繁栄の兆しと崇められる一方、「あわこさま」と呼ばれる怪異があると恐れられてもいた。
異形の奉公人たちの手で守られる平穏が瓦解したとき、人々は思い出す。あわこさまは不村に仇なすものを絶対に許さない、と。
異形の血脈を受け継ぎ、異形の奉公人たちに囲まれ暮らす東北地方の旧家・不村家。「あわこさま」と呼ばれる正体不明の存在が憑く、「水憑き」の一族の、100年以上の歴史を様々な人物の視点から追う年代記です。
怪しく、恐ろしく、悍ましく、でもどこか美しく悲しい。
全7章で構成されており、ある語り手で不完全だった部分が他の語り手の情報で補完されたりはしますが、どちらかと言えば余白が多いというか、語り手の心情部分以外は解釈の余地の多いお話しかと思いました。
特に、特定人物への愛や執着の重い複数名の登場人物は、その感情を抱くに至った過程が気になる。好きだから好き、でも別にいいんですけどね、それもまた愛なので。
扱っているテーマ上、割とショッキングなシーンも多いですが、身体的・精神的に欠損や不自由を抱えた人々、家や憑き物筋という柵に捕らわれた人々の悲哀と決意、様々な形の愛情を感じる事の出来る一冊です。
個人的に好きなキャラクターは詠子とコウ。浮世離れしていつつも、人間らしい弱さが好きです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読み出したら一気に読んじゃいました。
読むと死ぬ本、リングを連想した方も多いんじゃないかと思います。「リング」みたいな謎を追うって感じではないですが、死を受け入れるまでの過程で「リング」っぽく感じる箇所もありました。ただ、全体的には全然リングっぽくはないです。
この話を聞いた人は〜系の怖い話は怖くなっちゃうから避けたい一方でとても惹かれるんで、どんな終わりなのかドキドキしながら読んだんですが、衝撃はなかったかな?「死があるから生が輝く」みたいなオチに傾いて、そういう終わり方かーと思ったらそうでもなかったですね。結局、何がどうなってたのか。もっかいよく読めばわかるのかな…?
けど、水場に近づくのがちょっと怖くなったので読後はお風呂がちょっと怖いですね。
あと、最後の方でこの人ってそうだったんだ、ってプチ驚きがありました。
改行も多めで読みやすさもあります。