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Posted by ブクログ
東北地方の旧家・不村家では、数代に一度、特別な子供が誕生する。人知を超えた才知を授かる事から、繁栄の兆しと崇められる一方、「あわこさま」と呼ばれる怪異があると恐れられてもいた。
異形の奉公人たちの手で守られる平穏が瓦解したとき、人々は思い出す。あわこさまは不村に仇なすものを絶対に許さない、と。
異形の血脈を受け継ぎ、異形の奉公人たちに囲まれ暮らす東北地方の旧家・不村家。「あわこさま」と呼ばれる正体不明の存在が憑く、「水憑き」の一族の、100年以上の歴史を様々な人物の視点から追う年代記です。
怪しく、恐ろしく、悍ましく、でもどこか美しく悲しい。
全7章で構成されており、ある語り手で不完全だった部分が他の語り手の情報で補完されたりはしますが、どちらかと言えば余白が多いというか、語り手の心情部分以外は解釈の余地の多いお話しかと思いました。
特に、特定人物への愛や執着の重い複数名の登場人物は、その感情を抱くに至った過程が気になる。好きだから好き、でも別にいいんですけどね、それもまた愛なので。
扱っているテーマ上、割とショッキングなシーンも多いですが、身体的・精神的に欠損や不自由を抱えた人々、家や憑き物筋という柵に捕らわれた人々の悲哀と決意、様々な形の愛情を感じる事の出来る一冊です。
個人的に好きなキャラクターは詠子とコウ。浮世離れしていつつも、人間らしい弱さが好きです。
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