彩藤アザミのレビュー一覧
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ネタバレグロテスク描写がある訳ではないし、主人公は死んじゃっているにしても、他に犠牲者が出てくる訳でもないのだが、ゾワっと怖い話が多かった。
意味が分かると怖い系と言うか。
ホラー映画などは設定が仰々しすぎて「明らかにフィクション」と割り切れるため怖くないのだが、この話の怖さはすぐ隣で起きそうな怖さと言うか、日常生活に共存していそうな怖さと言うか。
容易に想像できる分、完全にフィクションと割り切りにくい怖さと言うか。
こういうさり気ないホラーの方が余程怖い。
久々に鳥肌立った。
こういう雰囲気大好き。
何より怖いのは、幽霊になってしまった主人公の謎。
伏線は示されても、回収されないので、謎が謎を呼ぶ -
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ネタバレ昭和初期を舞台に、女学生がわちゃわちゃするミステリー。
主人公は平凡な女学生、脇を固める仲間は美形秀才、天才、お嬢様と皆キャラが立っていて良い。
主人公は平凡そのもの。他のメンバーに比べて頭は今ひとつ、特殊な知識もなく、行動力もそこそこ。
…でもそれ故に他のメンバーが思いつかないような穏便かつ最適な解決策を思いつくことができる…という一種の切り札的存在…なのかもしれない。
なんだかんだでいいチームだと思う。
収録作品は短編2本、長編(前後編)1本。
どれも時代の雰囲気が出ていてよかった。
個人的には短編2本が好み。ミステリーとして見るとミステリー好きにはありきたりて物足りないかもしれないが、 -
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ネタバレずっと気になっていてついに読みました。初めましての作家さんです。
面白かったです。とても好きな舞台設定でした。
ビスクドールはすごく惹かれるものですが、拐ってきた少女の骨で作る…というのはなんて狂気なのだろうと思いました。でも樹液少女、見てみたいです。
登場人物たちの言葉遣いが最後まで気になってしまったのはありましたが、謎が多くてぐいぐい読みました。
最後まで明かされない謎はあれど、世界観が好きなミステリーでした。
それから、私設此代乃博物館はすごく行ってみたいです。「私設此代乃博物館は、有名無名、時代に分野、芸術性と金銭価値は問いません。後世に遺すべき、人類の負の遺産を蒐集しています」 -
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架神千夜に妹蓮華を奪い取られたのではと疑う森本は架神邸に忍び込もうと大雪の中アタックするが行き倒れになり,碧に助けられて邸に潜り込めた.千夜は高名な人形作家で如月会と称して親しい人を招いて会合を行っている.ちょうどその時期で邸に住み込んでいる山吹,桃,碧に加えて,四谷,大蔵,水戸,臼田,竹紀,それに森本を加えた9名が集うことになった.大雪で近くの空港まで来た此代乃春は邸に来れなくなった.千夜の作品にトランプコードが刻まれている件で議論が始まるが,森本が妹の失踪の件で千夜に部屋に行くが千夜らしき焼死体を発見する.更に四谷も殺害され,一同はパニック状態になる.密室に近い邸で起きた事件をそれぞれが推
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東北地方の旧家・不村家では、数代に一度、特別な子供が誕生する。人知を超えた才知を授かる事から、繁栄の兆しと崇められる一方、「あわこさま」と呼ばれる怪異があると恐れられてもいた。
異形の奉公人たちの手で守られる平穏が瓦解したとき、人々は思い出す。あわこさまは不村に仇なすものを絶対に許さない、と。
異形の血脈を受け継ぎ、異形の奉公人たちに囲まれ暮らす東北地方の旧家・不村家。「あわこさま」と呼ばれる正体不明の存在が憑く、「水憑き」の一族の、100年以上の歴史を様々な人物の視点から追う年代記です。
怪しく、恐ろしく、悍ましく、でもどこか美しく悲しい。
全7章で構成されており、ある語り手で不完全だ -
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ネタバレ読み出したら一気に読んじゃいました。
読むと死ぬ本、リングを連想した方も多いんじゃないかと思います。「リング」みたいな謎を追うって感じではないですが、死を受け入れるまでの過程で「リング」っぽく感じる箇所もありました。ただ、全体的には全然リングっぽくはないです。
この話を聞いた人は〜系の怖い話は怖くなっちゃうから避けたい一方でとても惹かれるんで、どんな終わりなのかドキドキしながら読んだんですが、衝撃はなかったかな?「死があるから生が輝く」みたいなオチに傾いて、そういう終わり方かーと思ったらそうでもなかったですね。結局、何がどうなってたのか。もっかいよく読めばわかるのかな…?
けど、水場に近づくの