あらすじ
いばらに囲まれた小さな村で幸福に暮らす未明。だが「いばらの外に出てはならない」という村の決まりを破り、瀕死の少年を介抱したことから全ては崩れ始める。村の優しき指導者が何者かに殺害され、人々の疑心暗鬼が頂点に達したとき、さらなる悲劇が――。犯人は誰なのか。大どんでん返しが待ち受ける、衝撃のミステリ。
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Posted by ブクログ
単なるミステリーではなく、SF的な要素も入った作品
楽しく読むことができた
小さな村で暮らす1人の少女
その村からは出てはいけないルールがあり、村の外に興味が募る少女
村の外から来た少年はその村の真実を知っている
ありがちな設定ではあるが、テンポの良い文体で凄く面白かった
Posted by ブクログ
ファンタジー世界で起きた殺人事件を解決する話。かと思ったら、それだけじゃなかった。
はじめはファンタジー。村の代表が殺されてミステリーになり、シャマラン監督の映画「ヴィレッジ」を連想しながら読み進めたら、最後はSF。
欲張ってる。
Posted by ブクログ
いばらに囲まれた小さな村で「預言者」の老婆が殺害される。彼女が死ぬ前に言い残した話とは?そしてその世界の「真実」は・・・
ベタではありますが、魅力的な世界観。いばらに囲まれて外の世界と断絶されたユートピア。そして外の世界からやってきた少年。まあここで素直にユートピアを信じる読者もまずいないだろうとは思いますが。
でもそこでディストピアだと思ったらポストアポカリプスでなおかつ神の視点の話になるとはなー。いろんな要素てんこもりでなかなかに楽しめました。まあ最後の神の視点うんぬんは、最初期から「蟻の観察」であからさまに示唆されてたのでそこまでではなかったにせよ。
Posted by ブクログ
未明。絹繭。キフカ。正夢。十三。ドルノ村。
一世。赤い山。海。いばらの森。カルト。海。
エスペラント。洪水。神。
隔離された村。楽園。争いも差別もない。
少しずつ世界の真実に気づいていく。
Posted by ブクログ
発売当時、特に読みたい本が無く、本屋をぶらぶらしていた時に出会った作品。有栖川有栖の帯に惹かれ、僕にも魔法が届くかなぁ(笑)とお手並み拝見で購入。正直、王袈裟な謳い文句の作品に今まで沢山出会っているが、不思議とこの本の表紙からはこの作品に対しての自信の様なものが感じられ、ある程度安心して読み始める事ができた。
登場人物達は不思議な名前がつけられており、存在する村はどこか身近に思ながらも旧世界的な描写で物語が進行していく。僕は、ミステリーを読む際、全てを疑ってかかるのは癖なので、登場人物たちの性別や年齢、人間であるかどうかまで疑ってかかる。
今作でも、登場人物たちの不思議な名前も手伝い、冒頭は様々なことを想像してみたが、結局は一定の世界観に落ち着き、静かに物語を読み進めることができた。そしてこの物語の中で事件が起き、この作品の道筋が決定したと思っていたが、ここからがこの作品の本領発揮、あらゆる奇想が盛り込まれており、本当はここから様々なことを疑うべきだったのにもかかわらず、世界観に飲み込まれた、僕はいとも簡単に筆者の罠にかかってしまい、あっという間に魔法にかけられてしまった。
お手紙拝見と思っていたのに、情けない限りだ(笑)
登場人物について、もう少しそれぞれの役を果たし、人間味を感じることができれば、もっと面白い作品だに違いない。少なからず一部の人物たちは生き生きしていたし、ほんとに生きてるかのようだったが、彼らの生活や営みを想像する事は難しく、リアリティーを感じることができなかった。物語の世界観も影響しているかもしれないが、人物描写ついては今後の作品にも期待したいと思う。
作品の中身については、洗えることを語ると全てがネタバレになってしまうため、多くを語ることができないが、予想の遥か先を行くような展開が待っていると思う。単純に謎解きミステリーではないし、サスペンスや推理小説とはまた異なった魅力のある作品である。今後筆者には様々なことを期待してしまうし、この作品を超えるような驚きをまた僕に与えて欲しい