彩坂美月のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ――
金木犀好きなんですよ。昔から。
タイムリープミステリ、ということで。青春小説×タイムリープの相性の良さといったらないんだけれど、今作はそのタイムリープがサスペンス要素と同時に主人公のトラウマとしても設定されていて、そのあたりも読みどころ。
その分ミステリとしての解き甲斐、みたいのは薄いのと、ちょっと全体的に堅苦しいというか、物語的な行き先にまっしぐらという感じがして少し息苦しかったのが残念。かといってこの設定でもう少しゆるく、っていうのも難しいか…ふーむ。
もっとこーざっくり、肩の力の抜けたのも読んでみたいなぁと思います。
ところでやはりタイムリープと青春小説の相性の -
Posted by ブクログ
ーー
桜、ミステリ、彩坂美月となると、読まないわけには。
咲いてしまえば、散るしかなくて。
学校その他が9月始まりになかなかならない最大の理由って、桜の季節が4月だからなんじゃないかって本気で思っている。
桜の下で始まって桜の下で終わる、連作短編、となっているけれど通読をおすすめします。各編それぞれが想い合い、すれ違う姿を様々に描いていて、しかし夕陽と一緒に鬼も背負っちゃったような奴ばっかりなんだけど、それも伏線と云えばそうなのかな。
桜を題材にした、となるとやはり梶井や安吾が出てくるんだけれど、皆さん何か桜と云ったらこれ、みたいなのあるのかしら。桜塚護か? あれはなんてい -
-
Posted by ブクログ
高校最後の夏休み。「ある理由」から帰省せずに女子寮に残った七瀬は「死んだ女生徒の幽霊」の噂を耳にする。一方同じ居残り組の双子・日向と美夜子は男性教師神崎が女性を撲殺する瞬間を目撃。狂気に満ちた神崎に追い詰められる少女たち。そのとき死んだ女生徒の親友と名乗るあかりが寮に現れ……。
もっとこう、クローズドな女子高生たちの自意識のぶつかり合いみたいなのを期待して読み始めたのでちょっと想定とは違った。殺人鬼と地震と土砂崩れのパニックものとは。でもそこかしこにある思い込みと暴走は女子高生ならではの青春感があってとても良かった。でもここまで久実(主人公によくかまってくる幼馴染の女子。ちょっとがさつで男っ -
-
-
-
-
Posted by ブクログ
三年に一度の文化祭前日、準備の途中に事故が起きる。倒れてきた壁画の下敷きになった円が次に目覚めたとき、町には人が消えていた。
「青春神隠し小説」というコピーどおり、だれもいなくなった世界で元の世界に戻るべく奮闘する高校生の物語。世界の謎に向き合ううちに、自らの隠していた気持ちにも気づいていく流れは、王道かつ青春。目新しさはだからそんなにありませんが、爽やかな少年少女(一人除く)たちのやりとりは悪くなく、さばさばしてみせつつも私を見てほしいというエゴが強い十代のワガママさがある意味気持ちよく描かれています。終盤、暴走した少年がようやく和解する場面はほっとさせられました。
ただ作者の作品、「未成年 -
Posted by ブクログ
ネタバレ桐野高校の文化祭前日、皆で作った巨大壁画が倒れる!
下敷きになった生徒会副会長の円(まどか)、親友であり会長の青司(せいじ)、ケガで陸上部を辞めたムードメーカーの諒、1年生の沙貴、勉強でいつも青司にトップを取られている事を根に持っている不気味な存在の悟志。文化祭当日、学校に来てみると自分たち以外誰もいない。学校だけではない、町中にいるのは自分たちだき!!
どうも、壁画の事故を機に、時間のすき間から異次元に入りこんでしまったようだ。不気味な存在の悟司の行動を軸に、元の世界にもどるために行動に出る。
青春SFものとでも言いましょうか。異次元の設定が解ったような解らないような。まあ、そんなものかも