彩坂美月のレビュー一覧

  • 柘榴パズル
    少し重い目だが、一応は日常の謎を仲良し家族が解き明かすという、一見ハートウォーミング系のミステリ連作なのだが、幕間に不穏な情報が差し込まれるので、心温まるとはいかないのがミソ。全編を通しての種明かしである「バイバイ、サマー」を除く、四編のうち三編までハウダニットで、丁寧に作り込まれたトリックだけれど...続きを読む
  • 思い出リバイバル
    彩坂美月さんは、「向日葵を手折る」が大好きで、気になっている作家さん。
    表紙が素敵。
    都市伝説と言われている映人は、もう一度戻りたい過去の再上映をしてくれるという。
    タイムトリップなのか、ファンタジー的要素があるのかとワクワクしながら読んだ。
    「ツナグ」(辻村深月著)を思いおこす。
    依頼者は、過去に...続きを読む
  • 柘榴パズル
    ちょいちょい挟まれる事件記事がいい。本編とギャップがありすぎて気になってしょうがなかったが、それも最後にすっきり。似たプロットの作品や映画があると解説にあったので、読み慣れた人には不向きかも。
  • 夏の王国で目覚めない
    主人公の境遇とか、怪しい感じに集められての半ば強制されてのゲームとか、ありがちと言えばありがちです。ゲームは推理劇のはずなんだけど、あんまり推理してる感じはなくてデスゲーム化してるし。
    どことなく中途半端な感じでラストまでなだれ込んで、最後いきなりミステリーに回帰しますが、その後の展開はよかったかな...続きを読む
  • 僕らの世界が終わる頃(新潮文庫nex)
    読みやすい。
    ミステリー初心者でも、スラスラ読めると思う。
    なかなか強くなれない主人公。
    家族、友達から、距離をとってしまい、最後には、自分自身が消えてしまいたいと思うまでに。
    心がつぶれそうになりながらも、そこから這い上がって、行動するまでも読みどころのひとつ。

    「味方だよ」と言ってくれる人がい...続きを読む
  • 柘榴パズル
    仲の良い家族が日常の謎を解決していく連作短編なのかなと思いきや、なぜか間に残忍な殺人事件の記事が…まさかこの家族に…と心配&ドキドキしながら読み進めていくと、驚きの展開が待っていました。
    家族の物語とミステリーが両立した作品でした、面白かったです。
  • 柘榴パズル
    「どんでん返し!」「手が込んでる!」という触れ込みを見かけて気になって読んでみた。たしかにミステリ(?)としては なるほどね、という展開ではあったんだけど、文体が幼稚で耐えられなかったな…。文章の稚拙さが作品のレベルを下げていると思う、もったいない。
  • 金木犀と彼女の時間
    ――

     金木犀好きなんですよ。昔から。


     タイムリープミステリ、ということで。青春小説×タイムリープの相性の良さといったらないんだけれど、今作はそのタイムリープがサスペンス要素と同時に主人公のトラウマとしても設定されていて、そのあたりも読みどころ。
     その分ミステリとしての解き甲斐、みたいのは...続きを読む
  • サクラオト
    ーー

     桜、ミステリ、彩坂美月となると、読まないわけには。
     咲いてしまえば、散るしかなくて。



     学校その他が9月始まりになかなかならない最大の理由って、桜の季節が4月だからなんじゃないかって本気で思っている。
     桜の下で始まって桜の下で終わる、連作短編、となっているけれど通読をおすすめしま...続きを読む
  • 僕らの世界が終わる頃(新潮文庫nex)
    引きこもりの中学生がネットへ投稿したミステリー小説。そのとおりに事件が起き始める。ミステリー。

    ちからは弱いですが、不穏な空気がながれてて、先が気になります。ただ、この本自体がたぶんラノベ寄りな理由もあってか、主人公の書く小説もラノベ的で、ちょっと軽い(ラノベ読者寄り)なストーリーという感じを受け...続きを読む
  • 夏の王国で目覚めない
    おもしろく一気に読んでしまった。
    トリックが難しくてぜんぜんわからない。唯一分かったのは人体消失トリックのみ。ほかは開設されても一切わからない。
    若い女の子の切ない感じかと思ったらそこまでそういう感じでもなかった。結局家族との軋轢的なやつも特になんの仕掛けもないまま解決してしまって、なんつーか主人公...続きを読む
  • ひぐらしふる 有馬千夏の不可思議なある夏の日
    双子の片割れの友人との高校の思い出、先輩の婚約指輪
    恋人から聞いた避暑地バイトでの話、宇宙船を探す冒険。
    そして…な最後。

    確かに最終章で、全てがひっくり返ります。
    思い出してみれば、確かにそう呼ばれている部分は
    存在していません。
    騙された! というよりも、思い込みがすごいというか
    そうだと思わ...続きを読む
  • 文化祭の夢に、おちる
    雰囲気が辻村さんの冷たい校舎〜に似ていた。でも、やっぱり彩坂さんの作品が好き。神隠し似合っている中での、悟志の気の狂いようは尋常ではなかったが、青司も相当歪んだ愛情を持っていると感じました。さらっと流されたけれども。神隠し後は、それぞれの心のわかだまりも取れたようだし、良かったと思います。ぜひ後日談...続きを読む
  • 少女は夏に閉ざされる
    高校最後の夏休み。「ある理由」から帰省せずに女子寮に残った七瀬は「死んだ女生徒の幽霊」の噂を耳にする。一方同じ居残り組の双子・日向と美夜子は男性教師神崎が女性を撲殺する瞬間を目撃。狂気に満ちた神崎に追い詰められる少女たち。そのとき死んだ女生徒の親友と名乗るあかりが寮に現れ……。

    もっとこう、クロー...続きを読む
  • 少女は夏に閉ざされる
    辻村深月氏をいろんな意味でスケールを小さくしたような作風かな。少女達が抱える鬱屈をこれだけしつこく描写するなら、せめて全員に何らかの答えを与えて欲しかったな。
  • 文化祭の夢に、おちる
    トワイライトゾーンの都市伝説を学園祭に持ち込んで、ミステリー仕掛けにした作品。米澤穂信の「ボトルネック」を彷彿させる。
    物語が単純すぎたかな。もうひとつ絡みがあって、謎解きも展開が欲しいところだが、人間以外の物体もトワイライトゾーンに存在するのなら、現実の世界ではどうなっているのか?
    別の次元の空間...続きを読む
  • 少女は夏に閉ざされる
    もりだくさん。終わり方がすっきりしない。集団行動じゃないの?それぞれがどうなったか書いてほしかった。もやもや。
  • 文化祭の夢に、おちる
    密かに応援している作家さんです。
    某作家さんの某作品を思い浮かべてしまうような設定。
    どこか歪な世界に巻き込まれてしまった5人の戸惑いや焦り、そこで起きる出来事に対する緊迫感が良く伝わってきて楽しめました。
    この方は十代の少年少女達の繊細な心情描写が巧いですね。
    閉ざされた世界でそれぞれが自分の内側...続きを読む
  • 文化祭の夢に、おちる
    ☆3.8
    辻村深月の『冷たい校舎の時は止まる』をもっと簡単にしたような話。もっと羽状人物の心情とかを書き込んでほしかったなー。サクサク読めるけど、サクサクいきすぎで物足りなかった・・・。
  • 文化祭の夢に、おちる
    彩坂さんの作品はいつもちょっと惜しい。
    設定は面白いんやけどなー。
    登場人物が好みでない。
    「下級生が怖がってる」の円の台詞は確かにおかしいわな。