夜汽車のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
"それはまだ人々が「愚」と云う貴い徳を持って居て、世の中が今のように激しく軋み合わない時分であった。"
という書き出しが抜群に好きです。
谷崎特有の狂気じみたエロス、フェティシズムが、蝋燭の火のようにゆらゆらと妖しくゆれる。作中にも記されるように、美しきものが強者、醜きものが弱者、まさしく耽美主義を宣言するような作品である。
ただし本書のレビューとしては純粋に谷崎の刺青についてではなく、夜汽車さんのイラストとのコラボレーションとして論じなければならない。イラストは間違いなく美しい。個人的には、朱色の帯と、和紙の巻物が絡み合うところに、一条の光が射す、そのページが特に美しい -
Posted by ブクログ
乙女の本棚、谷崎潤一郎と夜汽車さんのコラボレーション。夜汽車さんの絵が、とても細かくて表紙から見入ってしまいました。透明感があったり、重厚感があったり、場面での使い分けが巧みで、とてもきれいでした。
物語は、女人禁制の比叡山に預けられ、山より外の世間を知らずに育った2人の稚児、千手丸と瑠璃光丸のことが、書かれていました。
2人が煩悩とどう向き合ったかが焦点の物語でした。煩悩と育ちに関係があるのか、気になりました。
前世でも煩悩に負けなかった瑠璃光丸が物語の最後にとった行動には、真の純粋さを感じました。(私のこの解釈でいいのか自信はないですが···)
この物語をどのように解釈すればいいの