夜汽車のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
憧れの乙女の本棚☆°。⋆⸜(* ॑꒳ ॑* )⸝
みなさんがレビューをあげられるのを見て
ずっと気になっていたんですが
たくさんあって一体どれから読んだらいいのか、、、笑
そんな中ミユキさんにオススメされてこの本を手に取りました(^^)
実は江戸川乱歩も初めて。
なんとなく文豪の作品は畏れ多いというか、読みにくそうなイメージで手を出せずにいました。
しかし、杞憂に終わりました。
思ってたより読みやすい!!
そして夜汽車さんのイラストのおかげで一気に引き込まれます。なんて美しい(//∇//)
用紙の色合いもいいですよね
知らぬ間に世界に入り込んでいました
美しく、そし -
Posted by ブクログ
2025/11/01
「いやいや、妄想の闇に鎖されたまろの心と、そなたの胸の中とは、雪と墨ほどに違って居る。浄玻璃のように清いそなたは、わざわざ危険を冒して、修行をするには及ばないのだ。そなたの体に間違いがあったら、それこそ麿は上人へ申し訳がないではないか。面白い所へ出掛けるのなら、そなたを捨てて行きはしない。浮世はどんなにいやらしい、物凄い土地なのか、運よく命を完うして帰って来たら、まろの迷いの夢もさめて、きっとそなたに委しい話をして聞かすことが出来るだろう。そうすればそなたは、自分で浮世を見るまでもなく、幻の意味が分るようになるのだ。だから大人しく待って居るがよい。もし上人がお尋ねになった -
Posted by ブクログ
2025/10/30
p.23
その雑念を抑えるために、タクミの心になりきろうとオレは思った。親方が教えてくれたタクミの心構えの用いどころはこの時だと思った。
そこでオレはエナコを見つめた。大蛇が足にかみついてもこの目を放しはしないぞと我とわが胸に云いきかせながら。
オレの目はエナコの顔から放れなかったが、一心不乱ではなかった。なぜなら、オレは驚愕と怒りを抑えた代りに、嘲りが宿ってしまったのを、いかんともすることができなかったから。
その嘲りをエナコに向けるのは不当であると気がついていたが、オレの目をエナコに向けてそこから放すことができなければ、目に宿る嘲りもエナコの顔に向けるほかにど -
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大好きなんですよ、坂口安吾の「夜長姫と耳男」
けれどもレビューは書いてない、と言うか書けなかったですね。
もう「雰囲気があるんですよ」とか「世界観が」とか陳腐な言葉しか出てこない、何故好きなのかもよく分からないし。
この作品に関しては、作者の意図とか教科書的な答え合わせなんかどうでも良いと考えていました。
ところが「乙女の本棚」シリーズに収録されているらしい。ということで、夜汽車さんのイラストを眺めながら人生何度目かの再チャレンジ。
うーん、ファム・ファタルですね。
ファムファタルが何か分かっているのか?と問い詰められると、「だって夜長姫が好きなんじゃー」と開き直るしかなくなるのですが、 -
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ネタバレ読むにつれて、ぐいぐいと物語に引き込まれました。
親戚が決めた結婚だったが、夫はよく愛してくれた。だがそれは偽りだった。
夫が夜な夜な布団を抜け出し蔵に会いに行っていたのは、人形であった…。
それを知り、人形をバラバラにする妻。
そして、最後にはバラバラになった人形を抱き、自決する夫の姿…。
人形に恋する人間とその妻の話。
妻としては、夫の心が自分ではなく、人形にあると知り、とても辛かったと思う。
結局夫は人形とあの世に行くほうをとってしまい、残された妻はやりどころのない気持ちになったことだと思う。
江戸川乱歩さんの話は「人間椅子」依頼2作目でしたが、どちらもゾクゾクとし、とても面白い -
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ネタバレ夜汽車の絵が美してすごく好きだ。綺麗で可愛らしくて神々しい稚児の瑠璃光丸と千手丸が、目映いばかりに神秘的に描かれている。
生まれてこの方、ずっと俗世を離れて比叡山で共に暮らしてきた稚児の千手丸と瑠璃光丸。美しい容姿を持つ点は共通しているけれども、千手丸は2つ年上、瑠璃光丸は血筋が高貴という点で違いがあった。
似たような境遇の二人が、異なる選択の末、全く違う人生を歩んでいくことになるのだが、幻想的な美しさに加えて、人の生き方をも考えさせる良書だと思った。
俗世を何も知らずに仏閣で暮らせるなんて素晴らしいと、二人は俗世を知る人々から言われ続けていたが、本当にそうだろうか。比較する対象を知ってい -
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乙女の本棚シリーズから、江戸川乱歩さんと夜汽車さんのコラボ作品「人でなしの恋」です。夜汽車さんのイラストは可愛い~けど、このお話はちょっと怖いのか…はい、怖かったです(^-^;)
19歳の京子が嫁いだ先は、家柄のよい名家門野家…夫の門野は京子を慈しみ愛してくれたこともあって半年ほどはとても幸せな生活を送っていたのだが、その後夫の行動に不信感を抱くようになる…。ついに京子は、夜な夜な蔵に行くようになった門野を追いかけるのだが…。夫は、「人でなしの恋」、この世の外の恋に溺れていた…。
「押絵と旅する男」と雰囲気がちょっとだけ似てるかな…。端正込めて作ったものには命が宿る…髪とか伸びたりし -
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ネタバレ乙女の本棚シリーズから、谷崎潤一郎さんと夜汽車さんのコラボ作品「刺青」です。夜汽車さんのイラストは、息をのむような甘美な世界を醸し出してくれます。
凄腕の刺青師清吉には、光輝ある美女の肌を得て、それへ己れの魂を彫りこむという夢があった…。なかなか、理想とする女性が見つからず悶々としていたが、ようやくその女性が現れた…。その女性を眠らせ、背中に蜘蛛の刺青を彫りこんでしまうのだが…激しい痛みに耐え抜いた女性は、清吉が求めた真の強さと美しさを身に纏ったのだった…。「お前さんの命を貰った代りに、私はさぞ美しくなったろうねえ」
なんともいえない妖艶な世界でした…。刺青についてこれまであんまり知 -
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7月30日は、谷崎潤一郎文学忌、谷崎忌
1910年明治43年 「新思潮」初出
商業雑誌デビュー作 一躍文壇の人となる
文庫でもレビューしているけど
冒頭の時代設定の文章が日本に中の時代を
想像させて心地よい
彫師の男の物語
いつか理想の女の肌に芸術を刻みたい――
そう夢見ていた男は、ついにその完璧な肌を見出す。
だが刃を入れた瞬間、支配していたはずの彼が、
すでに女の虜となっていた。
彫り上げられた女は 痛みとともに“美”を宿す
恐れや従順を脱ぎ捨て、受動的な存在から
支配する側へと昇華する。
イラストは夜汽車さん
美しいけれど 谷崎の幻想耽美には向いていないかもしれません
着物を美しく