夜汽車のレビュー一覧

  • 刺青(乙女の本棚)

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    文章は読みやすいし、絵はとても美しい。
    特に瞳の境界線が淡いのが好き。
    でも話はドン引き。
    稀代の彫物師が5年前に見た、籠から少し出た女の片足に惚れて、たまたま巡り会えたお使いで来た芸妓の卵の彼女に「顔も雰囲気も最高に好み」と薬で眠らせて(!)勝手に背中に蜘蛛の刺青を入れる。
    まじで彫物師の男の勝手な大暴走。犯罪だよ。
    許可なく刺青を入れられて吃驚されたり、芸妓デビューに障るかも知れない。一晩帰ってこなかったから周りからの目もある。
    彼女が激怒しなかったから話はまとまった感じだけど、昨今の飲み物に睡眠薬を入れて女の子を眠らせて無体をする男の話を思い出して、ムカムカした。

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    2025年07月22日
  • 人でなしの恋(乙女の本棚)

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    乙女の本棚、江戸川乱歩と夜汽車さんのコラボ作品。夜汽車さんのイラストは、とてもきれいです。鮮やかな色彩で物語の感じをうまく表現していると思いました。

    物語は、京子が語る10年前の懺悔話でした。19歳で嫁入りして半年ほどたった頃、夫の自分への愛情に不信感を持ち、秘密を探る。訳を知ったあとに起こした京子の行動の後、夫は···。という感じの物語。

    江戸川乱歩自身はお気に入りの作品だったそうです。今日のような暑い日に、少し涼しさを感じるくらいの不気味さがありました。

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    2025年06月19日
  • 二人の稚児(乙女の本棚)

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    絵がきれい。
    文章と合っていて読み易く感じた。
    谷崎さんだからちょっと変態的なとこへ行き着くのかしらんと期待したら、とてもきれいな最期でした。
    でも急に前世の話が出て、とんとん拍子に進んでクライマックスはちょっと拍子抜けかな。
    もっと長い話にもできたように感じた。

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    2025年06月06日
  • 二人の稚児(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズの一冊。
    ああ、これは乙女の本棚向きの短編だな。難しい言葉は頻発するものの、話自体はシンプルだし、美しく終わるし。
    ただ、乙女ではない読者には少々疑問も感じる。終わりのほうに理解に苦しむ絵がある。唐突にこの絵が挟まれる理由は何だ? 
    この本に限らず、乙女の本棚シリーズを読んで思うことの一つは、作者がこのシリーズを読んだら、どう思うのかということだ。案外喜ぶのかな。

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    2025年05月31日
  • 二人の稚児(乙女の本棚)

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    “お稚児さん”と聞くと不純な妄想をしちまうが、そういった話はなかったがまぁまぁ面白かった。仏教はよく分からんが、自分の選んだ道を進めば良い。

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    2025年05月28日
  • 刺青(乙女の本棚)

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    『刺青』4

    毎回表紙を見てキュンとさせられる
    ページをめくりキュンとさせられる
    『乙女の本棚』シリーズにはキュンしかありません(〃ω〃)

    本作も美しいイラストに、色鮮やかな着物、そして、蜘蛛の刺青
    凄い!惹き込まれる〜(ノ´∀`*)

    これで、『乙女の本棚』は6冊目が読み終わりました
    で、改めて思いました
    文豪たちの作品は難解!
    『乙女の本棚』シリーズで読むことで理解できるかもって思ってましたけどムリ!
    アタシにはムリ!(ヾノ・∀・`)
    やっぱり難しいものは難しい!

    なので、、、

    宣誓!
    アタシ、1Qオネェはこれからも『乙女の本棚』シリーズは内容をそっちのけでイラストを楽しむことをここ

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    2025年05月01日
  • 人でなしの恋(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    あまり読んだことのない作家の作品も、このシリーズなら読めるんだよね。
    それはさておき、確かに、こんな恋はたまに物語のネタになるし、神話にもある、何なら現実にもあるかもしれない。一人(ふたり?)で完結するなら好きにして、と思うだけだけど、この話の語り手みたいに巻き込まれた人間にしてみたら…。昔ならなおのこと。いっそ、彼女に夫への愛が無ければ幾分か楽だったろうにね。それはそれでプライドが傷つくかもしれないけど。
    オチが気になってサクサク読んだ。びっくりもせず、どこかで「(やっぱり)このオチかぁ」と納得したところはある。でも別にガッカリしたわけではなく、すとん、と腑に落ちた。ただ、語り手の彼女はこの

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    2025年04月25日
  • 人でなしの恋(乙女の本棚)

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    江戸川乱歩らしい作品。

    仄暗く、歪な想い。
    なのに人気があるのは人間誰しもこういった歪な感情をもってるからでしょうね。

    現世だとオタで括られてしまうような人ですが、そういうのがないから故の淫靡さってありますね

    2025.4.20
    77

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    2025年04月20日
  • 人でなしの恋(乙女の本棚)

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    疑心暗鬼の沼にはまり込んでしまう心境がよくわかる

    悲恋と幸せな恋
    誰目線で観るかで結末が変わるお話でした

    夜汽車さんの絵できみ悪さが薄れて神秘的な話により近づいたと思いました

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    2025年02月28日
  • 二人の稚児(乙女の本棚)

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    時代は平安
    比叡山の二人の稚児
    二人共幼い頃から山に預けられ
    俗世を知らぬまま 15と13に
    二人は美しく成長して 15になり出家を前にした稚児は煩悩に苦しむ
    彼は「女人の危険」を知る為に山を降りる
    外面似菩薩、内心如夜叉

    山に残った稚児は殿上人の息子
    俗世に降りた友人の誘いを断り仏門に専念して
    来世への功徳を決意する
    しかし15になった稚児は やはり煩悩に苦しみ始める その煩悩を苦行で乗り越えようとするが
    本当に乗り越えられたのは 前世からの想いを繋ぐ鳥との邂逅

    稚児が男性として成長する時の煩悩との戦い


    夜汽車さん 稚児は美しくすぎるのではないのか
    女人達が怪し過ぎるのではないか と

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    2024年12月24日
  • 二人の稚児(乙女の本棚)

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    いやー相変わらず潤ちゃんムズい漢字使い過ぎだわ
    いや分かるけども!
    覚えたてで使いたくなるの分かるけども!(絶対そういうことじゃない)

    というわけで谷崎の潤ちゃんですわ

    うーん、あれ?
    「女人こわい」ってこと?
    「まんじゅうこわい」みたいなこと?(絶対違う)

    実はめっちゃ好きってこと?(違うって)

    そだよねー
    女人いいよねー
    分かるわー潤ちゃん分かるわー

    それにしても非常に『乙女の本棚』向きのお話であった
    夜汽車さんがめちゃくちゃ気合い入れてかわいい女の子描いてはった

    つまり『二人の稚児』の主題は「女人いいよねー」だ!

    間違いないよ
    だって潤ちゃんなんか3回も結婚してるもの
    それ

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    2024年12月24日
  • 二人の稚児(乙女の本棚)

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    三毒に満ち満ちた汚濁の現世と、欺瞞と上辺と建前と虚栄の法で飾り立てた信仰の山。
    どっちにしろまともな救いは望めない…と思ったところに現れる第三の道。
    最後の最後が美しい。

    kawaiiと仏教曼荼羅のごとき装飾が一体となった夜汽車氏のイラストも豪華絢爛。
    シリーズのなかでは『秘密』にならんで絢爛な絵だった。

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    2024年12月23日
  • 二人の稚児(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    そんなに女人をみたくなるものなのかと不思議だった。

    ふたりは対照的な性格だなぁ。来世を信じているところが新鮮だった。
    瑠璃光丸の三世にわたる恋が成就しますようにと祈らずにはいられない。

    かといって千手丸を責める気もない。

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    2024年10月13日
  • 二人の稚児(乙女の本棚)

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    イラストに酔わされて耽美さが強めにでてる。

    煩悩に悩める少年達。気持ちに素直に生きた1人と、信仰心を優先した1人。

    何を信じ何を軸にするかは人それぞれ。
    ここまで極端じゃなくても、欲か理性かは我々にも問われることがある。どっちを選んでも後悔はある。

    そんな当たり前のことをこんな耽美的な作品にしちゃうんですねぇ

    2024.8.10
    125

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    2024年08月10日
  • 人でなしの恋(乙女の本棚)

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    江戸川乱歩文学忌、自宅で脳出血で死去

    1926年大正15年の作品 ホラーっぽい
    傑作ラジオドラマもあります

    元妻の回想
    19歳おぼこ娘が 眉目秀麗で気難しい名家の息子と結婚
    優しそうだった男は、半年もすると 夜な夜な一人蔵の中へ
    妻が突き止めた蔵の中の出来事
    私は、許しますよ
    仕方ないじゃんね

    この作品の
    「泉鏡花さんの小説に出てくるような夢のような美しい方」
    という言い回しが好き

    夜汽車さんの
    花嫁が、人形が、着物が、ドレスが、蝶が どれもこれも美しく繊細
    夫は映画化の時の阿部寛さんの印象が強過ぎてね

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    2024年07月28日
  • 人でなしの恋(乙女の本棚)

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    江戸川乱歩の「人でなしの恋」をイラストレーターの夜汽車によってイラスト化した作品。昔の小説特有の小難しい表現もイラストによって分かりやすく伝えることができている。画集としても小説としても使える作品。

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    2024年06月23日
  • 二人の稚児(乙女の本棚)

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    わぁい!
    きれいな本! きれいな本!
    と思わず手にとってしまいました。
    たぶん、二人の稚児という作品は、挿し絵のない活字だけの本で何回か目にしています。
    作品への印象はかなり違います。
    実をいうと、登場する二人の稚児を一方は、世俗で成功し、一方は努力して信仰において成就したのだと、文字のみで読んだときにそう読んだのですが、どうも、そのようではないのではないか。
    そもそも、ふたりは身分に隔たりがある。
    こんな例って、他に何かあったろうか、と思ったら、そういえば、モーツアルトの歌劇「
    魔笛」では、王子のパミーノ(?)と鳥刺しのパパゲーノの対照的な結末があり、そこでは高貴とおもわれる夜の女王の娘のパ

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    2024年05月09日
  • 二人の稚児(乙女の本棚)

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    幼いときから稚児として寝食を共にしてきた千手丸と瑠璃光丸。成長とともに“煩悩”への向き合い方が変わって、それぞれの道へと分かれていく。女性の姿の描写が細かく丁寧で、谷崎さんの嗜好が現れているなあと…。どちらが正しいとか間違っているとも言えない難しいお話だったけど、“耽美”という言葉がピッタリな、“綺麗”なお話だと思った。

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    2024年03月23日
  • 二人の稚児(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    「乙女の本棚」シリーズ37弾。

    幼少期から一緒に稚児として育ってきた千手丸と瑠璃光丸。女人禁制の比叡山で成長してきた二人の運命の分かれ道。
    二つ違いの年齢で、成長の具合がズレてしまうのが、なんともいえない。
    どちらが正解いうのでも、幸せかというのでもなく、個々人の選択の結果を、耽美に表現しているのが面白い。
    夜汽車さんのイラストが、また秀逸。

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    2024年03月20日
  • 夜長姫と耳男(乙女の本棚)

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    恥ずかしながら、この年になるまで坂口安吾のことをよく知らなかった。数年前に『堕落論』を読んで興味は持っていたが。
    で、この話。なんか一周回って愛の話なんじゃないかと思った。相当いびつだし、登場人物の誰一人として思い入れはできないけど。ヒメの最期の言葉が呪いのように残っていて、そのせいかもしれない。
    『桜の森の満開の下』でも思ったけれど、絵本のようにうつくしいイラストが、作品をいい意味で読みやすく、イメージしやすくしていると思う。読む人を選ぶとは思うけれど、夜汽車さんのイラストも一見の価値ありなのでぜひ読んで!
    …落ち着いたら坂口安吾の他の作品にも手を出したい…。

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    2024年03月07日