夜汽車のレビュー一覧

  • 夜長姫と耳男(乙女の本棚)

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    坂口安吾 安吾忌
    こちらは初読、1952「夜長姫と耳男」
    飛騨の匠の弟子の仏師、耳男。
    乙女の本棚になるまで、知らなかった作品です。

    耳男の語りの説話体。
    長者に乞われて夜長姫の護身仏を彫る。
    耳男は、夜長姫の何かが秘そむ無邪気な笑顔に囚われて、化け物を彫る決心をする。
    蛇の生き血を飲みその死骸を吊るす。
    それさえ美しいと思う夜長姫。
    好きなものは、呪うか殺すか争うか。
    なかなかの狂気と幻想の世界観。
    飛騨という土地への坂口安吾の思い、飛騨の匠への敬意。命惜しまぬ作品へのリスペクト。

    夜汽車さんの作品は、可愛さもあり、まるで乙女の童話に擬態しているけど、ストーリーは鳥肌もの。

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    2024年02月17日
  • 夜長姫と耳男(乙女の本棚)

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    痛い痛い痛い。
    『桜の森の満開の下』も女が狂ってたけど、『夜長姫と耳男』も負けず劣らず狂ってる。
    予想外の展開にちょっと引きました。。。
    イラストが綺麗で読みやすいので『乙女の本棚』シリーズはオススメです!

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    2024年02月08日
  • 刺青(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    「乙女の本棚」第21弾。
    稀代の刺青師が、理想の女に出会い、自分の好み蜘蛛の刺青を施す話。妖艶な話。フェチシズム?のこと。
    ま、好きずきではあるが、クスリつかって気絶させて勝手に刺青しちゃうって、スゲー話ではある。
    幻想的小説であるんだろうけど、女の立場からしてみると気持ち悪っていう一言である。違う、そういうことじゃないってのも知ってるけど。
    イラストは素晴らしい。美しくて素敵。

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    2024年01月24日
  • 人でなしの恋(乙女の本棚)

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    あまりにも表紙のイラストが綺麗で、そのまま購入

    いつもは手に取らないような本なので、なんだか新鮮。他の方の言う通り、大人の絵本って感じで素敵でした。魅了され吸い込まれるようなイラストに不気味なストーリーが絶妙にマッチして、読んでいてゾクゾクします!世の中にはこんなに素敵なイラストを描く人がいると思うと、なんだか感慨深いです。
    「乙女の本棚シリーズ」また手に取ってみようかな。

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    2023年12月29日
  • 刺青(乙女の本棚)

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    妖艶?耽美?いやいや言葉濁してるけどただのドS野郎とドMの話やん。ヤバいやつをこの美しい絵が中和していい感じに耽美さ、妖艶さを醸し出してるだけやん。それがでも物語初心者には大事よね。雰囲気はしっかり掴める、乙女シリーズいい仕事してる、と思
    います!

    2023.12.19
    198

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    2023年12月19日
  • 人でなしの恋(乙女の本棚)

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    7-8年くらい、本を読んでいなかったので
    リハビリ感覚で購入した乙女の本棚シリーズ。

    大人向け絵本という感じで、読み易いです。

    江戸川乱歩さんの書かれているシーンが
    夜汽車さんによって丁寧に忠実に再現された
    イラストも楽しめて、リハビリには
    贅沢な一冊でした。

    人でなしの恋って誰のことだろう?
    と読み進めていった読後感としては、
    私はスッキリしなかったけれども、
    好きな世界観でしたので星4つ!

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    2023年12月17日
  • 夜長姫と耳男(乙女の本棚)

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    「乙女の本棚」シリーズ、私の5冊目。このシリーズで大好きになってしまった夜汽車さんのイラストと、少し前に読んだ「桜の森の満開の下」で有名な坂口安吾のコラボであり、どんな作品なのか興味津々で読み進めていったが、正直、恐ろしすぎて、このイラスト無しではかなりキツかった。イラストが恐ろしさを妖しさという美しさに変換してくれて本当によかった。この作品も「桜の森の満開の下」も、残酷さと、魔性の女に魅入られるところが似ていて、坂口安吾の作風はこのようなものが多いのか気になった。決してもう一度読みたいと思えるわけではないのだが、心が凍っていく恐怖感は、他の作品ではまだ味わったことのないものであり、印象に残る

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    2023年12月07日
  • 人でなしの恋(乙女の本棚)

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    ネタバレ

    「乙女の本棚」3冊目。グロテスクな作品が多いと聞いていた江戸川乱歩。幸せな新婚生活から一転、どんな人でなしにイケメンの夫が成り下がってゆくのか、ハラハラ期待して読み進めたが、なんてことはない、ただの人形愛玩者であっただけであった。そんな夫を受け入れてあげる度量があれば、違った道も歩めたかもしれないのに、一番恐ろしかったのは、嫉妬に狂う妻、そして自ら命を絶ってしまう夫の、人間の狂気。「人でなしの恋」は当初、夫の人形への恋を意味しているのかと思っていたけれど、あんな強行に出た妻の夫への恋、両方のことを示しているのかもしれないと思い直した。
    相変わらず、夜汽車さんの絵が美しすぎる。私のコレクション兼

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    2023年12月02日
  • 人でなしの恋(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズ♪
    江戸川乱歩さん×夜汽車さん✩︎⡱

    まあ何ということでございましょう、
    人でなしの恋、この世の外の恋でございます。

    このタイトルが絶妙!
    "人"でなしとかけてるんだろうな〜。
    なんだかゾッとするお話だったけど、好きだった。
    冷静に淡々と語る幼い妻が恐ろしい。

    夜汽車さんの装画もめちゃくちゃ素敵だった。
    無感情そうな妻がまさにイメージとピッタリ!

    丁寧な語り口調と美しい装画が繰り広げる耽美な世界。
    活字だけで読むとまた違った印象を受けそうだけど、このコラボの世界観がとても良かった\♡︎/

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    2023年08月16日
  • 人でなしの恋(乙女の本棚)

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    門野という美男子のところへ嫁いだ19歳の奥さまが、夜な夜な母家の裏手にある土蔵の二階に通う夫の行動を訝しんで尾行する。
    夫曰く一人で書見をしているらしいが、室内からは何やら仲睦まじげな男女のささやき声。
    夫はもしやほかの女性と不貞をはたらいているのでは? 我慢できなくなった恋する奥さまが、そろりと部屋の中をのぞいた先でみつけたものは……。
    という、江戸川乱歩による妖しさ満点の短編。『人でなしの声』というタイトルに合点がいった。夜汽車さんによる繊細で可愛らしいイラストが、この短編の魅力を何倍にも膨らませているよう。
    まだ始まったばかりのこの夏、早速テレビの心霊番組で因縁物として紹介される人形の恐

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    2023年07月18日
  • 夜長姫と耳男(乙女の本棚)

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    ネタバレ

     乙女の本棚シリーズから、坂口安吾さんと夜汽車さんのコラボ作品「夜長姫と耳男」です。少女マンガのように可愛くて鮮やかな着物を纏う姫が印象的なんだけど、よく見ると骸骨とか蛇も描けれているし(;・∀・)

     師匠からの推薦を受けヒダから夜長姫のもとを訪れた耳男…。依頼された仏像の制作には3年間を要し、夜長姫の無邪気な笑顔の裏にある残虐性に対抗すべく、耳男は蛇の生き血を飲み残りは制作した仏像に浴びさせ、亡骸を天井から吊るす…狂気じみた期間を過ごす。その後も、夜長姫の仏像制作の依頼を受けこの地に逗留していたが、村に疫病が流行り村人が次々と命を落とす…。その様子を高楼から見ては楽しむ夜長姫…耳男は夜長姫

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    2023年07月18日
  • 人でなしの恋(乙女の本棚)

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    真っ先に思ったのが怖っっ!!でした。
    恋というものは底知れぬ力を発揮しますね。
    でも、主人公の気持ちもわかるかも。まさに人でなしの恋。

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    2023年05月11日
  • 夜長姫と耳男(乙女の本棚)

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    師匠の推薦で夜長姫のために仏像を彫ることになった耳男は姫の住む村で残酷で怪しい日々を過ごす。

    暗い。

    夜汽車さんの端麗な絵柄で描かれた無邪気で残酷な姫が物語にすごく合っていた。
    髑髏柄の着物……

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    2023年04月06日
  • 人でなしの恋(乙女の本棚)

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    江戸川乱歩が描く土蔵の中で繰り広げられる幻惑な世界と、妖艶にして絢爛な夜汽車先生の絵!活字の味わいと、イラストの眼福さ。
    イラストは緻密な蝶の描写、アンティーク調と和柄の融合がまたいい!

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    2023年03月15日
  • 刺青(乙女の本棚)

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    文豪の名作と人気イラストレーターがコラボしたという、乙女の本棚シリーズ。
    魅惑のラインナップの中で、ちょうど谷崎の刺青が発刊されたばかりだったのでこちらから読んでみました。

    清吉という凄腕の若き彫物師は、理想とする美しい女に自分の魂を彫りたいと切に願っている。
    そして漸くその娘に出会え、眠らせて背中に女郎蜘蛛を彫ってしまう。
    激しい苦痛に耐えて目覚めた娘は、臆病な心を捨ててすっかり妖艶に生まれ変わっており、清吉は真っ先に娘の肥料(こやし)となっていたのであった、という話。

    いかにも谷崎らしい耽美さ。女の美しさを描写する際の、圧倒的美を前に屈服するかのような丹念な文章表現は、何度繰り返して読

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    2021年10月04日
  • 夜長姫と耳男(乙女の本棚)

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    姫は耳男に足りない物を伝えたかったんでしょうか?なかなかに姫の性格がすごいです…(^_^;)話もややホラーより?
    姫は楽しんでいたのでしょうか?
    姫の気持ちがうまく汲み取れなかったのが残念…
    絵がめちゃくちゃ綺麗なのでこの評価です(⌒‐⌒)

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    2021年05月06日
  • 刺青(乙女の本棚)

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    "それはまだ人々が「愚」と云う貴い徳を持って居て、世の中が今のように激しく軋み合わない時分であった。"
    という書き出しが抜群に好きです。
    谷崎特有の狂気じみたエロス、フェティシズムが、蝋燭の火のようにゆらゆらと妖しくゆれる。作中にも記されるように、美しきものが強者、醜きものが弱者、まさしく耽美主義を宣言するような作品である。

    ただし本書のレビューとしては純粋に谷崎の刺青についてではなく、夜汽車さんのイラストとのコラボレーションとして論じなければならない。イラストは間違いなく美しい。個人的には、朱色の帯と、和紙の巻物が絡み合うところに、一条の光が射す、そのページが特に美しい

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    2025年12月05日
  • 夜長姫と耳男(乙女の本棚)

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    島本理生が以前テレビ番組でオススメしていたので読んだ。
    バ、バイオレンス……!
    私には魅力がよくわからなかったかも。。。

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    2025年10月10日
  • 刺青(乙女の本棚)

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    「お前さんの命を貰った代わりに、私はさぞ美しくなったろうねえ」

    いや〜なんか谷崎潤一郎って女性に対する複雑な感情を文章にぶつけているような作風なんだなあと思った。
    恐れ、憎み、愛しさ、崇拝、完全に拗らせてます。
    美しい着物、刺青のイラストも良し!

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    2025年08月14日
  • 刺青(乙女の本棚)

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    乙女の本棚シリーズ。夜汽車さんのキレイなイラストと、彫物師のお話が良く合っています。

    凄腕の彫物師が、理想の肌女の子に出会って…という話。いくら凄腕でも、こんなに強引に掘って良いの?と戸惑いました。
    自分の魂を込めて掘った清吉。これ以降、清吉は彫り師を続けられたのかな?それとも肥料になって、終わってしまったのでしょうか。
    何ともいえない味わいのある作品でした。

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    2025年08月13日