森田真生のレビュー一覧

  • センス・オブ・ワンダー

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    海が好きなレイチェルカーソンさんと、森林が好きな森田真生さんのコラボした本なので、読まずにはいられませんでした。

    前半は69年前のセンス・オブ・ワンダーの原文を森田さんが訳したところからはじまります。

    以前に読んだ新潮社の上遠恵子さんの訳はエッセイのようなカーソン目線の美しさや怖さやドキドキ感を表現していたように感じましたが、森田さんの訳は絵本の物語のような可愛らしさがあり、驚きやワクワク感があり、こども目線のようでした。同じ原文でも変わるものですね。

    カーソンさんは大甥のロジャーくんと海辺の自然で戯れ、森田さんは自分のお子さんと京都の自然と戯れるシーンが重なります。

    そんな中、視覚と

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    2025年05月17日
  • センス・オブ・ワンダー

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    海や森で静かに読むと没入感がすごいだろうなと感じる一冊です。

    レイチェル・カーソンの感覚の一端に触れることができ、森田真生さんの翻訳の言葉選びがとても素敵でした。

    知ることは感じる事の半分も、重要ではないと私は心から思っています。

    という一文は現代社会で自然の美しさや素晴らしさをテキスト等で名称を覚えてテスト用紙に記入し成績を決める子供の教育に違和感を感じさせられる言葉でした。

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    2025年05月11日
  • センス・オブ・ワンダー

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    庭でこの本を読んだら、風の音や鳥の声が聞こえてきて、心が静かになれた。

    人間は緑色を見ると安心するようにできていたりするし、現代人はもう少し自然を見て落ち着く時間を持つのもいいのかも。
    自然の中で生きることこそ正義!とまでは思わないけど……
    スマホを見ている人間がずらっと並んでいると気持ち悪さを覚えるし。
    人工的なものに耽溺するのは心の余裕を無くしていくことだなと感じている。
    自然を愛していれば孤独を感じないという話も、たしかにあるかもしれないなと思った。
    自然の「存在」を感じていれば、独りになることはないのかも。

    それと、
    親や教員のような立場でも、教えるだけじゃなくて時には一緒に楽しん

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    2025年05月16日
  • 数学する人生(新潮文庫)

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    数学者という人たちがどんなものなのか、興味を持って読む。頭の中のキャンバスに絵を変えていくように問題を解いていくという、なんも参考にはならない情報。うらやましいなと。

    哲学的な考察が興味深い。自分というものは物理的な自分ではない。そんな狭い自分の定義のなかから楽しみや幸せを生み出すことはできない。そうではなく、自分が興味を持った、その対象を含めて自分なのである。花を思えば、その花を含めて自分なのである。そのものの見方によれば、生きることの面白さは格段に広がる、と。

    突き詰めて考える人なのだな。

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    2025年03月23日
  • 僕たちはどう生きるか めぐる季節と「再生」の物語

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    生と死についてミクロな視点から考えると面白いなあ、と思いました。私にとってはコペルニクス的転回でした。ダーウィンの「ミミズと土」を読んでみようと思います。
    この本を読んで、コロナは大変だったけれど新たな視点を見つけることができたな、と自分のことも振り返ることができました。

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    2025年01月20日
  • センス・オブ・ワンダー

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    静かにゆっくり心にしみるエッセイ。レイチェル.ガーソンさんの文章も、森田真生さんの訳とその続きのエッセイも美しい。

    海、山、森、虫、星、、、
    大人になってその中に没頭することがなくなってしまった。
    何かを知ろうとか雑念が多くなって、無心にそのものを見ていないと気付く。改めて、見て(観察)感じてみたいと思った。付き合ってくれる子供はいないけれど、人生終盤にそんな時間を過ごしたい。

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    2025年01月13日
  • センス・オブ・ワンダー

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    ・センスオブワンダー(驚きと不思議に開かれた感受性)

    ・「知ることは感じることに比べて半分も重要ではない」。知の弱さは、矛盾を許容できないことである。悲しいのか、嬉しいのか。好きなのか嫌いなのか。知はしばしば、決着ばかりを急ぎすぎてしまう。

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    2024年12月26日
  • 数学する身体(新潮文庫)

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    センスオブワンダー、岡潔のエッセイの編纂?でぼんやりと存在を知り、数学ってホントはなんなのだろう、と思って手に取りました。
    いや、なるほど、数学の歴史を知るとこんなにも世の中のことや、学術界の変遷を感じることができるのか、と脳がわくわくどきどきしています。
    読み終わる前に『計算する生命』を入手。読み始めたところ。
    これもまた、脳と感情が喜ぶ本です。こういう理解ができていれば、高校数学ももっと楽に理解できていたよな、と思います。
    そして、数学は生活につながっている、といことをびりびりと感じます。

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    2024年11月01日
  • センス・オブ・ワンダー

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    ネタバレ

    ・私は世界中の全ての子どもたちに、一生消えないほどたしかな「センスオブワンダー」を授けてほしいと思います。それは、やがて人生に退屈し、幻滅していくこと、人工物ばかりに不毛に執着していくところ、あるいは、自分の力が本当に湧き出してくる場所から、人を遠ざけてしまうすべての物事に対して、強力な解毒剤となるはずです。

    ・知ることは感じることにくらべて半分も重要ではない

    ・壮大な雷のとどろき、風のささやき、海の波や流れる川の響きなど、地球の発する声とその意味にじっくり耳を傾け、時間をかけて言葉にしてみてください。

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    ・美しいもの、見た

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    2024年10月11日
  • センス・オブ・ワンダー

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    レイチェルカーソン「センスオブワンダー」。研究者が手がけた新訳。西村ツチカさんの挿絵もとてもいい。
    研究者が書く僕たちの「センスオブワンダー」を読むと小さくてもいいから庭付きの戸建てが欲しくなってしまった。

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    2024年09月15日
  • センス・オブ・ワンダー

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    以前読んだ「センスの哲学」は
    こういうことが言いたかったのだろうなと腑に落ちました。


    センス・オブ・ワンダーは「驚きと不思議に開かれた感受性」と訳されています。
    それは自然のなかにいても
    都会の雑踏のなかにいても
    なにかに驚き不思議に思う感受性。
    答えはあってもなくてもいいのでしょう。
    自然を見つめ、音を聴き、夜空をみあげ、雲を楽しむ。
    人生の歩みかたと時間の感じ方が変わる気がしました。

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    2024年09月13日
  • 数学する身体(新潮文庫)

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    本書は数学書ではなく、「数学する」ことについて思索した哲学書だ。

    著者の森田真生氏は「独立研究者」というちょっと変わった肩書きで、スマートニュース会長の鈴木健氏からの影響で文系から東大数学科に転向したという経歴の持ち主。

    読み進めるごとにセンスオブワンダーが溢れてくるのだが、本書を30歳の若さで書き上げたというのだから驚き。

    前半では数学史を辿りながら、数学と身体との結びつきについてその起源から洞察がなされる。
    数式はほとんど出てこないので、数学が苦手な読者でもスイスイ読み進められる。

    後半では著者が影響を受けたアラン・チューリングと岡潔の魅力が語られ、心の問題にまで踏み込んだ少し抽象

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    2024年07月11日
  • 数学する人生(新潮文庫)

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    最終講義の章にこの本の全てが詰まってる気がする。ここだけでも何度も読んだら面白い。

    後半ほとんどの生い立ちのところは面白くなかった

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    2024年05月09日
  • 数学する人生(新潮文庫)

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    数学という研究をしてきた、岡潔さんは、戦後を生きる為に必要だった、宗教に出会い、それを自身の生活の中に馴染ませ、生きようしていた事がわかる。
    岡潔さんのいう、外界と自身が溶け合っていく事が、宗教的であるという説明が、何となく腑に落ちた。メンター的存在がいたらと私自身思ってはいるもののなかなか出会う事ができない、しかしながら、岡潔さんのように先人達から学ぶという在り方もあるのだなぁ、と思ったが、なかなか読解力と理解力が必要なのだろうと想像できる。

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    2024年01月10日
  • 数学する身体(新潮文庫)

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    同じ著者の『数学の贈り物』を読み、すっかりファンになってしまい読んだ一冊。数学というものを、数字や記号を使った「純粋に」論理的な思考と考えるイメージに対して、そうした思考に「身体」の役割を取り戻そうとする本。

    数学史についての説明は、ユークリッドに始まる古代のギリシア数学から、チューリング機械まで。数学史に関する本を一度でも読んだことがあれば大体知っているような有名どころが押さえられている。
    ただ、面白いのは、古代の数学には、「身体性」があった、というところだ。
    ユークリッドの書いた『原論』には、多くの命題がある。しかし、現代数学の命題と明らかに異なっているのが、命題を読んだだけでは、状況が

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    2023年12月27日
  • 数学する人生(新潮文庫)

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    土井善晴先生の書籍からまさかの岡潔へ
    松尾芭蕉や日本絵画、情緒についてなど数学以外にも深く通じていて、数学だけではない、視野広さと考えの深さがとてつもないと感じる
    岡潔の生涯からなにか1つでも気づきを得たくなってきたので、さらに読んでみようと思う

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    2023年11月26日
  • 数学する身体(新潮文庫)

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    読んだからと言っても…数学が身近になったとは、言えない。だけど、数学する人と話したいな、話を聞いて、感じたいな。と思いました。

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    2023年03月21日
  • 数学する身体(新潮文庫)

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    参考文献が挙げられている本を読んだとき、それらの参考文献のいくつかを読んでみようかなと思うことも、その本自身の面白さを物語る尺度ではないだろうか?数学の魅力を、チューリングと岡潔を取り上げて語る。入りに身体を意識させ、そのごチューリングに至っては、コンピューティングに、最後に身体とつながる心の重要性に向かう。数学読み物としては、なかなか楽しめると思います。間違いなく、(一部は有名な著作も散見されるが)参考文献の何作かは読んでみたいと思いました。

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    2022年10月16日
  • 数学する身体(新潮文庫)

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    【感想】
     面白かった。数学の歴史と発展、記号化と身体化、アランチューリングと数学、岡潔と数学の話のどれもが興味深い。文書が美しく、優しい。この人生において数学を勉強し直すことがあれば、読み返す気がする本。

    【本書を読みながら気になったコト】
    ・小学校で当たり前にならう筆算が定着するまでは、二桁の掛け算は非常に高度なものされていた
     →数学も使用目的によって発展していった。ギリシア数字は計算そのものには使いにくかった。計算に使える数学が生まれたのは、インドに依るところが大きい

    >>数学の目的はかつて、数学的道具を用いながら、税金の計算や土地の測量など、生活上の具体的で実践的な問題を解決する

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    2022年05月31日
  • 数学する身体(新潮文庫)

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    「数学する身体」魅惑的なタイトルです。
    著者は、京都に拠点を構え、独立研究者として活動する数学者だそうです。「数学の演奏会」なるライブ活動で、数学に関する彼の想いを表現しています。そして、本作で最年少で小林秀雄賞受賞されています。(小林秀雄先生の著作を理解できたことが無いのですが)

    「はじめに」において、この作品を 数学にとって身体とは何か、ゼロから考え直す旅とします。まず、著者の文章力に驚きます。どなたかが、悟りを開いているようなと形容されていました。明確で簡潔。脳と文章が一致しているような印象です。(あくまで個人の感想です。)

    第一章では、数学する身体として、数学は身体を使ってきたこと

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    2022年05月22日