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Posted by ブクログ
面白かった。数学を専門としていない人間にとっても、数学の紡ぎ出す世界に触れてみたい、と感じさせるような文章。
身体性からみた数学史の解説それ自体も面白いのだが、やはりなんといっても数学者・岡潔の数学と一体化することにより見えてくる世界の表現がとても美しく感じた。なにより、文章が綺麗で読んでいて気持ちがいい。
4章より引用:
> 生きることは実際、それだけで果てしない神秘である。何のためにあるのか、どこに向かっているのかわからない宇宙の片隅で、私たちは束の間の生を謳歌し、はかなく亡びる。虚無と呼ぶにはあまりにも豊穣な世界。無意味と割り切るには、あまりに強烈な生の欲動。その圧倒的に不思議な世界が、残酷なまでに淡々と、私たちを包み込んで、動き続ける。
> 不思議で不思議で仕方ない。この痛切な思いこそが、残酷なまでに淡々と、私たちを包み込んで、動き続ける。
言い古された内容ではあるけど、学問に向き合う人間として心に刻んでおきたい一節。
Posted by ブクログ
アラン・チューニングと岡潔の数学、心、身体、自然とのつながりなど。
いずれも、映画化やドラマ化された人物だ。
アラン・チューニングについては、映画「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」(2014年)
岡潔については、ドラマ「天才を育てた女房~世界が認めた数学者と妻の愛~」(2018年)
映画やドラマは、脚本家や監督によって見せ方のアプローチが違うだろうから、映画やドラマがすべてではないだろう。
この本は、特に岡潔さんの魅力が伝わってくる。
小川の流れについては、ドラマでも描かれていて、私はそのシーンに衝撃を受けたけど、この本を読むと、そのシーンは実際何を伝えたかったのか、今ようやくわかった。
この本は、自分の心が動かされる。
詳しくここでは書かないけど、感動が伝わる。
Posted by ブクログ
著者の数学に〈情緒〉動かされてる体験がひしひしと伝わってくる。学問の探究へと道を進む稀有な人たちって何かしらこういう信念と、出会いがあるんだろうなと胸踊る内容です(本書の本筋ではないので、悪しからず)。
チューリングと岡潔を軸に、数学と身体というテーマを深ぼっていく構成。恥ずかしながら岡潔の存在を知らず、こんなに観念的な数学との付き合い方があるんだと目から鱗状態になりました。
チューリングの数学を道具として利用して人間と心と数学の境界を暴きにいくアプローチ対して、岡潔は心の奥深くは分け入る行為そのものこそが数学であるという立場をとる。どちらも魅力的で勝つ痺れる対比で捉える筆者の洞察力に傑物感が窺い知れます。同世代ということで、すごい人っているんだなーと単純に感動しちゃう。
丁寧に論を進める筆致と、そのテーマの深淵さかつ引き込まれるその面白さを十二分に堪能できます。数学に興味があってもなくても、必読となっておりますよ。
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