森田真生のレビュー一覧
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森田真生さんが新訳をし、更に京都を舞台とした自らの「センス・オブ・ワンダー」を書いた本です。
「センス・オブ・ワンダー」とは、驚きと不思議に開かれた感受性のことです。子どもがそれを保ちつづけるためには、少なくとも一人の大人の助けが必要だそうです。レイチェル・カーソンは、この本で幼い子どもと接するときに大切なことを教えてくれています。自然を子どもとどう味わえばいいのか。そして子どもが大きくなる前の大切な時間の過ごし方です。世界的ベストセラーのこの本は、特に幼い子どもと接する人におすすめです。
視覚、嗅覚、聴覚を研ぎ澄ますと、自然の奥深さに改めて気づかされます。海、空、土、木々、花、そして小さ -
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ネタバレほんと、この人の言葉が好き。私が大切にしたいと思ってることを掬い上げてくれるよう。
動画やゲームなどの人から与えてもらう楽しみだけではなく、自分で楽しみを創り出せる人になるためには、「感じる」「分かち合う」経験をいかにしてきたかだなと思った。
・今回改めて実感したのは、虫や草花や木々や土など、人間でない者たちの存在がいかに、子どもたちの才能を引き出していくかだ。「教室」で「人間」の話だけを聞くという特殊な環境に「education」を閉ざしてしまっては、あまりにもったいないのである。
・食べ物や、資源を社会で分け合うときも、厳密な数値や計算を提示すると、いかにも公平感を演出できる。だが、分 -
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アラン・チューニングと岡潔の数学、心、身体、自然とのつながりなど。
いずれも、映画化やドラマ化された人物だ。
アラン・チューニングについては、映画「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」(2014年)
岡潔については、ドラマ「天才を育てた女房~世界が認めた数学者と妻の愛~」(2018年)
映画やドラマは、脚本家や監督によって見せ方のアプローチが違うだろうから、映画やドラマがすべてではないだろう。
この本は、特に岡潔さんの魅力が伝わってくる。
小川の流れについては、ドラマでも描かれていて、私はそのシーンに衝撃を受けたけど、この本を読むと、そのシーンは実際何を伝えたかったの -
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子どもが数と出会うというのはどういうことなのかを優しくエッセイ調で書いた本。
挿絵も美しい。
著者のお子さんが乳幼児期の体験がもとになっている。
子どもはどうやって数的概念を取得するのか、言葉などの発達とも絡めながら書かれている
あいまいで数のない世界から、客観的で数値化された世界へ
一度数字で囲まれた世界にいるとそれが当然のようだが、数字がない世界を味わうことができる時期も限られているんだなぁとも思わされた。
・「あと10日で引っ越す」「注射は2秒で終わる」など「かぞえる」ことが未来に備える手助けになる
・楽しみな未来は数えなくていい
(「いつまでこの家に住めるの?」→「まだま -
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自分の近くにあるけれど、知らない世界や遠い世界がこんなにもあるんだ!という気持ちにさせてくれた本。
知っていないと楽しめないと思いがちだけれど、本当は知っていることなどなくても感じることができることの方が大切だなぁと思った。
青空と宇宙の例えが自分にとっては印象的だった。
昼間は青空が宇宙を隠していて、でもすばらしく広大な宇宙が夜だけしか見られないからこそ、そのすばらしさにも気がつける(意訳だけど)というのが、全ての時に歓びがあると言ってくれているみたいで感動した。
あと、読み終えてから人間は自然と対になるもの、という考えではなくて、自分たちも自然の一部で、その中で関係しあって生きているという -
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Posted by ブクログ
様々な書籍での引用を見るたび、自分は好きだろうなと思いつつなぜか読んでいなかった「センス・オブ・ワンダー」。訳がとてもいいということもあるのだろうが(「そのつづき」を読んですぐわかった、これまたすごく好き!)、短い文章の中に詰め込まれた、宝石のような言葉たち。
…なのに、実は私はすばらしい文章を読んだ後、大体何が良かったのか、どういう言葉が良かったのか覚えていない。代わりに、真っ暗で荒れる海とか、一面の星空とか、映像が自分の中に残る。だからそういうお話だったんだと思う。そしてそういう映像の方が、長く記憶、というか体験として自分の中に残り、役に立つとかそういうんじゃないのだけど、自分の糧になって -
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