柳野かなたのレビュー一覧
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日本発『指輪物語』
どこまで意識しているかはわからないが(用語からすると無意識にはかなり下敷きになってる)、プロットも人物描写も独自。
指輪物語を意識した海外小説はこれまでにいくつも読んだが、独創性の点ではおそらく最上級。でありながら、読み進むうちに積もっていくイメージのトーンが極めて良く似ている。
トールキンがキリスト教的西欧の価値体系の浸透を避けられなかったのに対して、唯一神に規定される直線的価値体系に囚われない、より柔軟性のある価値宇宙をイメージさせる二巻以降の展開は、日本人作家でないとできないことかもしれない。
既刊分の価値宇宙の統一性には緊張感がある。先に全体構想があって書かれたものでないだけに、